外科(呼吸器)

駒込病院 呼吸器外科
都立駒込病院 呼吸器外科 部長 中川 加寿夫

患者さんへのメッセージ

2024年4月1日より、駒込病院呼吸器外科部長に着任いたしました中川加寿夫です。私はこれまで、静岡県立静岡がんセンター呼吸器外科(2002年6月~2012年2月)、国立がん研究センター中央病院呼吸器外科(2012年3月~2024年2月)にて主に、肺癌外科診療に従事してまいりました。その間、手術だけではなく、様々な病状の患者さんの診療に携わってきました。これらの経験を生かしながら、当院にて質の高い肺癌診療および呼吸器外科診療の実現にまい進してまいります。

1.手術までの待機時間の最短化を目指します

肺癌の疑いあるいは肺癌と診断され、手術を予定されている患者さんは、手術までは、大変不安な時間を過ごすことになります。肺癌の病状によっては、初診から手術までの待ち時間が、その後の治療経過に大きな影響を及ぼす可能性もあります。そのため、当科では、手術が必要となる患者さんに対しては、“初診から迅速に検査を行い、可能な限り早めに手術を行う”ことを目標としています。初診から、検査までの日程、さらに手術までの日程につきましてはいつでもご相談下さい。

検査・手術時期に関するお問い合わせ ➝ 03-3823-2101(代表)、呼吸器外科担当窓口:井本

2.手術前と同じ生活への復帰が目標です

肺癌の治療方針は、肺癌の病状と“当院の理念:「医療を通して人がその人らしく生き抜くことを支援する」”に基づいて決定します。したがって、手術を受ける患者さんの、“肺癌を治す”および“手術前と同じ質の生活をする”、この2つが目標です。そのため、肺癌手術後に生活の質が大きく損なわれると予測される場合には、手術以外の治療方法をすすめることもあります。

3.薬物・放射線治療など患者さんに合わせた肺癌治療を提供します

肺癌の治療においては、従来は、手術が最も治癒を期待できる治療法でした。したがって、“切れるか・切れないか”が最も大きい関心事項でした。しかし近年では、様々な薬物治療の開発や放射線治療照射技術の向上などにより、肺癌治療は目覚ましく進歩しています。これまでは手術のみで治癒を目指していた病状に対しても、薬物治療を手術前や手術後に追加することで、より治癒の可能性が高くなっています。また、手術が困難な病状に対して、集学的な治療(手術、薬物治療、放射線治療を組み合わせる治療)を行うことにより、手術が可能となり、治癒を目指せるようになっています。これまでの専門施設での肺癌診療経験を十分に活かし、また、当院の肺癌診療専門医とも緊密に連携しながら、最適な肺癌治療を提供いたします。

4.他医療機関との連携を強化します

当院は、感染症とがんの専門病院です。当院での手術が妥当ではない場合もあります。その場合には、手術が可能である他医療機関へ責任をもって紹介いたします。

2024年4月1日
都立駒込病院 呼吸器外科 部長 中川加寿夫