耳鼻咽喉科・頭頸部外科

正確な診断とエビデンスに基づき 患者さんに寄り添った 最適な医療を
都立駒込病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 部長 杉本 太郎

患者さんへのメッセージ

耳鼻咽喉科・頭頸部外科が取扱う頭頸部領域は、脳の末梢神経である脳神経と脊髄の末梢神経である頸神経が共に分布する事により、いわゆる五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を担う場所であり、また呼吸・嚥下・発声・構語などの重要な機能を有する場所でもあります。頭頸部癌はこういった重要な機能が存在する頭頸部領域に発症する悪性腫瘍で、国内の全悪性腫瘍のうち5%程度を占め、その治療にあたっては上記の機能に対する配慮が必要となります。下咽頭や上咽頭などの観察しづらくて発見が遅れがちな部位に発症するため、以前は進行癌の状態で発見される事が多く、治療の際にこれらの重要な機能を犠牲にした拡大切除術が行われる事が殆どでした。しかし15年程前から、NBI(Narrow Band Imaging)などの特殊な付加機能を持つ電子内視鏡システムの普及により早期の咽喉頭癌が発見されるようになり、これらの早期癌に対しては機能を温存した内視鏡下の経口的切除術も可能となってきています。また進行癌に対する手術で喉を切除して失声された方の中にも、術後の状態による是非もありますが、PROVOX(ボイスプロテーゼ)の挿入術を行って声を取り戻す事ができる方もいらっしゃいます。当科では、治療前の正確な診断と病態評価の後、エビデンスやガイドラインに基づきつつ、患者さんのご希望も加味して、個々の患者さんに最適な治療を行わせていただくように心がけており、表在癌や早期癌に対する内視鏡下の経口的機能温存手術、CO2レーザー手術、進行癌に対する化学放射線療法或いは拡大切除+再建手術、咽喉頭と食道の同時重複癌の治療、プロボックス挿入術、再発・転移頭頸部癌に対する薬物療法など、頭頸部癌に対する幅広い治療に対応しております。また、鼻・副鼻腔病変に対する鼻内内視鏡手術、口蓋扁桃摘出術や声帯ポリープ切除術などの良性疾患の手術、良性腫瘍及び先天性嚢胞の手術も行っております。