集合写真

合併症妊娠

当院では複数の専門科と協力して、あらゆる疾患をお持ちの妊婦さんが安心した妊娠・分娩を行える環境を整えております。

対応している疾患の例

婦人科疾患

子宮筋腫、卵巣嚢腫

内科疾患

高血圧、糖尿病

精神疾患

統合失調症、うつ病、双極性障害

膠原病

SLE、シェーグレン症候群、関節リウマチ

腎疾患

慢性腎炎、高血圧

婦人科疾患

子宮筋腫、卵巣嚢腫

周産期合併症

どの妊婦さんも、妊娠期間中に様々な合併症をきたす可能性があります。当院では、あらゆる状況に対応できる環境を整えております。

切迫早産

子宮頸管長の短縮や子宮収縮、破水などにより、妊娠37週より前の分娩の可能性が高まった状況です。


外来での慎重管理や入院管理を行います。一時的に子宮収縮抑制薬の点滴などの薬剤を使用することもあります。

妊娠高血圧症候群

妊娠をきっかけに高血圧が生じたり、妊娠前からの高血圧が増悪します。腎・肝機能や児の成長に影響することがあります。


入院管理や早期の分娩が必要となる可能性があります。

子宮内胎児発育遅延

妊娠週数に比較して児の成長が遅れいてる状態です。


児の成長、元気さを確認しながら妊娠を継続します。原因や状態によっては、早期の分娩が必要となります。

多胎妊娠

双子、三つ子の妊娠です。早産や妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などのリスクが高くなります。


妊娠中に合併症が生じた場合は管理入院が必要となります。

妊娠糖尿病

妊娠を契機に血糖値が高い状態が出現します。


血糖値が一定以上に高い場合は、インスリンでの血糖コントロールを図ります。

前置胎盤・低値胎盤

胎盤が子宮口を覆ったり、子宮口近くに存在します。妊娠中・分娩時の大量出血の原因となる事があります。


管理入院が必要となることがあります。分娩時の大量出血のリスクがあるため、基本的には計画的に帝王切開術を施行します。

胎児診断・周産期管理

当院は多摩地域を中止に多くの産科施設より、多くの妊婦さんを紹介いただいております。紹介いただく妊婦さんの中には、胎児超音波検査で内臓や体の形に異常が疑われた方や、染色体異常が疑われた方も含まれます。小児総合医療センターの各診療科と連携し、多くの先天性疾患に対応しています。
当院では、受診された妊婦さんに胎児超音波検査を施行し、必要に応じて精密胎児心臓超音波検査や羊水検査の施行を提案させていただく場合があります。出生前の赤ちゃんの情報を小児総合医療センターの新生児科や関係する専門科と共有して、妊娠管理を行います。

 以下に、主な出生前診断に相当する検査を記載しています。

なお、当院で可能な出生前検査はNIPT羊水検査です。
※コンバインド検査、母体血清マーカー、絨毛検査は実施していません。

NIPT(新型出生前診断)

当院はNIPT実施基幹施設です。当院で分娩予定ではない方にも対応いたします。遺伝カウンセラー、臨床遺伝専門医、その他有資格者により、きめ細かいカウンセリングと結果説明を行います。必要な方には確定検査を当院で実施します。月・火・木・金曜日の午後に専門外来を設けています。予約枠に限りがあります。希望される方は、以下のリンクより詳細をご確認のうえ予約してください。

NIPT予約専用ページ
(外部リンク)

紹介状はこちら(Word 20.9KB)

羊水検査

羊水検査をご希望の方は、妊婦健診担当医に早めに相談してください。

非確定的検査確定検査
検査名新型出生前診断
NIPT
コンバインド検査母体血清マーカー
(クアトロ)
絨毛検査羊水検査
検査内容血液での
遺伝学的検査
血液検査と超音波検査血液検査絨毛の遺伝学的検査羊水の遺伝学的検査
実施時期10~15週11週~15~18週11~15週15週~
費用10-15万5-8万2万10-15万10-15万
検出対象染色体数的異常の一部
(21/18/13トリソミー)
身体的構造異常
染色体異常のリスク
21/18トリソミー
開放性神経管奇形
染色体数的異常
染色体構造異常
染色体数的異常
染色体構造異常
感度
(*21トリソミー)
99.1%80-85%80-85%99.9%99.9%
報告までの期間1-2週間2週間2週間2-3週間2-3週間
リスクなしなしなし流産率(約1%)流産率(0.3%)
当院での実施×××

産科救急

母体救命搬送システムについて

東京都の周産期搬送システムの中に、母体救命搬送システムがあります。
対象症例表に基づき、母体救命搬送システム対象症例(スーパー母体救命)であると判断される場合には、
119番通報によるスーパー母体搬送依頼を行い、都内6か所の母体救命対応総合周産期母子医療センター
(スーパー総合周産期センター)が必ず受け入れることで、搬送先選定にかかる時間を出来る限り短縮し、
迅速に母体の救命処置を行う搬送システムです。当院もスーパー総合周産期センターに指定され救命救急センターや
麻酔科・手術室をはじめ各診療科と密接な連携をとり周産期医療の「最後の砦」として診療にあたっています。

母体救命やシミュレーション教育

母体救命の対象となる症例の多くは、産科的な処置以外にも、呼吸・循環・意識といった全身管理も
同時に必要な場面が多々あります。救急科、麻酔科といった全身管理に精通した医師との連携が重要となります。
当院では救急科専門医を取得している産婦人科専門医もいて、救急科や麻酔科との連携が図りやすいのも特徴です。
日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)のベーシックコース・アドバンスコースを開催し、
母体救命事業の普及活動も積極的に行い、教育にも力を入れています。
その他、母体救命症例の振り返りや検討、シミュレーションによる検証を積極的におこなっております。