分野 大腸癌遺伝カウンセリング外来

1. 遺伝性大腸癌とは?

通常の大腸癌は生活習慣、環境因子、加齢などの影響により、大腸粘膜に遺伝子変異が蓄積して発生すると考えられています。大腸癌の約5%は遺伝が強く影響して発症し、遺伝性大腸癌と総称されます。遺伝性大腸癌は、若年発症、同時性異時性発がん、他臓器の重複がんを合併しやすいなど傾向があり、通常の大腸癌とは異なる対応が必要です。

遺伝性大腸癌の多くは、がん抑制遺伝子の生まれつきの変異が原因です。がん抑制遺伝子は大腸粘膜の細胞ががんになるのを防ぐ働きをしています。がん抑制遺伝子は1つの細胞に父親由来のものと母親由来のもの、合わせて2個あります。遺伝性大腸癌の患者さんは生まれつき、2個のがん抑制遺伝子の片方に変異があるため一般の方より大腸癌になりやすいのです。

遺伝性大腸癌の代表的疾患として家族性大腸腺腫症とリンチ症候群が挙げられます。

2. リンチ症候群

50歳未満の若年発症、同時性または異時性に大腸癌が多発、身内の方に大腸癌、子宮体癌、胃癌などの患者が複数いる場合はリンチ症候群を疑う必要があります。

3. 家族性大腸腺腫症

若年から大腸全域に多数のポリープが発生し、放置するとほぼ100%大腸癌が発生しますので予防的に大腸切除が行われます。また大腸以外の消化管やその他の臓器に腫瘍性、非腫瘍性の病変が発生することが知られています。

4. 遺伝性大腸癌カウンセリング外来

遺伝性大腸癌カウンセリング外来では遺伝に関する不安、悩み、疑問がある大腸癌患者、その家族を対象に正確な医学情報を分かりやすく、理解して頂けるようにお伝えし、自らの力で問題を解決できるように支援を行います。遺伝学的検査は一生変化しない個人の遺伝子を検査するものです。遺伝子の情報は究極の個人情報であり、血縁者とも一部共有されています。遺伝子検査の結果により血縁者にも同じ変異が見つかる可能性があります。遺伝子検査に際しては遺伝カウンセリングを専門とする臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受けて頂くなどの、十分な事前の準備が必要です。

(注)当外来は自費診療となります。

初回2回目以降
医師またはカウンセラーのカウンセリング
12,880円
医師またはカウンセラーのカウンセリング
10,740円
大腸癌遺伝カウンセリング外来毎週火曜日~木曜日 午後4時~(予約制)
予約センター042-323-9200
受付時間月曜日~土曜日 9時00分~17時00分