災害対策室

災害対策室の概要

 当院は、小児総合医療センターと共に北多摩南部二次保健医療圏(府中市・小金井市・武蔵野市・三鷹市・調布市・狛江市)の地域災害拠点中核病院の指定を受けています。また近接する国分寺市・国立市とも災害時の協定を結んでおり、災害時には多くの重傷患者を受け入れることも想定されます。

 地域災害拠点中核病院には地域災害医療コーディネーターが置かれ、災害時には医療圏の患者搬送等の連絡調整を行います。それだけでなく、DMAT(災害派遣医療チーム)・DPAT(災害派遣精神医療チーム)・小児周産期リエゾンといった多くの災害時活動団体の拠点が当院に入るため、平時から検討しておくべき課題は多くあります。

 災害対策室では、上記の課題を解決するため、特定の災害にとらわれずにオールハザードを想定し、院内外で協力しながら、多職種(医師、看護師、コメディカル、事務、協力企業)で減災・災害対策に取り組んでいます。

院内体制整備

  • 病院BCPの作成
  • アクションカードの作成
  • 災害時インフラの整備
  • 備蓄食料の管理
  • 院内向け啓発イベントの実施

毎月開催されている災害対策室会議の様子。

会議のメンバーは職種の垣根を超え、訓練の企画や災害への対策の検討をしています。

2022年9月1日の「防災の日」には啓発イベントとして院内展示を行いました。

「防災の日」には啓発イベントとして院内展示を行いました
「防災の日」には啓発イベントとして院内展示を行いました。

2023年3月11日には『経験者からのメッセージ』というテーマで被災した職員から体験談を募り、院内に展示しました。

第28回日本災害医学会総会・学術集会に当院災害対策室から3演題発表させていただきました!

訓練、教育

  • 防災訓練(大規模・広域・局地・CBERN・火災)訓練の企画運営
  • 研修の企画運営

院内総合防災訓練の様子

大規模災害訓練の様子
大規模災害訓練の様子

一般病棟での火災訓練の様子

一般病棟での火災訓練の様子
一般病棟での火災訓練の様子

院内職員を対象に行った災害研修

院内職員を対象に行った災害研修

地域災害拠点中核病院

  • 小児総合医療センターとの連携
  • 多摩キャンパス内(神経病院・がん検診センター・府中療育センター・府中看護専門学校・武蔵台学園)との連携
  • 福祉保健局との連携
  • 近隣自治体との連携
北多摩南部医療圏行政担当者会議

2020年度以降、新型コロナウイルス感染拡大のため、オンライン形式で北多摩南部医療圏行政担当者会議・北多摩南部医療圏連携会議を1回ずつ開催し、通信訓練も同時に行っています。

北多摩南部医療圏連携会議は市役所、保健所、市医師会、市助産師会、市薬剤師会、東京都、医療圏内の医療機関と多岐にわたる機関の皆様にご参加いただき、顔の見える関係を築いています。

DMAT・DPAT

 当院はDMAT(Disaster Medical Assistance Team:災害派遣医療チーム)指定医療機関です。DMATカーを所有し、医師・看護師をはじめとした多職種職員が資格を有して災害に備えています。年間通して多くの訓練に参加し、消防などと連携を強化しています。

 また、東京DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team:災害派遣精神医療チーム)の登録機関でもある当院では、精神科医師、看護師、業務調整員(連絡調整、運転等の後方支援全般を行う者)等を含めたチームを保有しています。

消防・警察・自衛隊と協力する訓練に参加
当院DMATカー

小児周産期リエゾン

 小児周産期リエゾンとは、各二次保健医療圏域の小児周産期領域に係る医療救護活動を統括・調整するため、都から指定された医師のことを指します。

  •  当院は総合母子周産期センターでもあり、北多摩南部二次保健医療圏の重要な拠点として活動を行う必要があるため、小児周産期リエゾンが中心となって医療圏全体の周産期事案を調整することになっています。

実災害対応

  • 平成23年3月 東日本大震災支援
  • 平成25年10月 大島町台風26号による豪雨災害支援
  • 平成27年9月 茨城県豪雨災害支援
  • 平成28年4月~5月 熊本地震支援
  • 令和元年9月 千葉県台風19号による豪雨災害支援
被災地へ出動するDMATカー車内

施設構造

 地域災害拠点中核病院である当院は、耐震・免震構造により建物の被害を最小限にとどめるように設計され、自家発電機による発電や貯水槽からの給水によって、大規模災害時においても病院機能が継続できるように備えています。

当院の免震構造。ゴムと鉄板と鉛で出来ていて、ゴムは50年に1度交換します。東日本大震災では約200個稼働しており、27mm動いて揺れを軽減しました。

当院の免振構造。
当院の免振構造。

当院には複数の自家発電施設を有しており、定期的に試運転を行い点検しています。

自家発電施設
自家発電施設。

当院の貯水槽と送水管

貯水槽
送水管