子供を育てながら、医師として働く秘訣。

やりたいことが変わっても、許される。
それが、研修医。

本村医師写真

実家のすぐ後ろに、内科の医院がありました。
みんながそこに集まってくる、町のサロンのような場所でした。
「地域医療っていいな、楽しそうだな」。
そう思って医師を目指したから、最初は一般内科希望だったんです。
入った医局は卒業した群馬大学の第三内科で
腎臓、血液、膠原病を扱っていました。
でも血液内科が楽しくって。
当時は新薬が出てきたころで、劇的に治療が変わっていった時代。
1つの薬で前なら亡くなるような人が、2週間で良くなっちゃう。
その楽しさに魅せられて、私は血液内科の専門医に方向転換。
研修医時代の体験って、その後の人生を左右するんですね。

女性の医師には、
子育ての楽しさを知ってほしい。

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東京女子医大血液内科で研究と臨床をし、
2度の出産を経験して、
下の子が3歳の時、私は多摩北部医療センターに来ました。
医師と母の両立は大変ですけど、楽しいことも多いです。
女性の医師には、みんなそうしてほしいと思うくらい。
私がこの病院に来て3年後ころ、
多摩北部医療センターは都立系で初の女性院長が誕生したんです。
各部門のトップも女性が多い時期で、
「女性の働きやすい病院プロジェクト」が推進され
育児時短制度など、女性の働きやすい環境が急速に整備され、
その制度の利用も増えていきました。
保育園もあるし、小児科が病児保育もしてくれる。
うちの子には間に合いませんでしたが、
女性医師が働き続けるには、
非常にいい病院になってると思いますね。

休んでいる時間が、
医師としての幅を広げてくれた。

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今、2人の子供たちは15歳と12歳。
これだけ仕事と育児を両立させられたのは、
ある程度割り切って考えていたからだと思います。
家の事は、全部完璧じゃなくていい。
合格ラインならいいって。
祖父母にもいっぱい頼ったし、
家事も、いざとなればサポートしてくれる人を入れたっていいですし。
それに育児や子どものこととかいろいろあるのも、
捉え方次第ではプラスなんです。
保育園や学校、地域などいろいろなところで、
様々な人に出会ってきました。

より多方面から患者さんを診れるようになったとしたら、そのおかげだと思います。