大腸がん

大腸がん

(ダウンロードはこちら(PDF 584.1KB)

大腸がんとは・・・

大腸がんは、大腸(結腸・直腸・肛門)の内側を覆う粘膜に発生するがんです。大腸にできるポリープ(いぼのようなもの)から変化するものと、粘膜が直接がん細胞に変化する場合があります。主な症状は、血便(便に血が混じったもの)、下血(血の色や赤黒い便が出る)、肛門の痛み、繰り返される下痢や便秘、便が細い、便が残っている感じ、飽満感、腹痛、貧血、体重減少などですが、早期の段階では自覚症状はほとんどありません。また、大腸がんは、2020年の女性のがんによる死亡数の第1位で、男性のがんによる死亡数においても第3位となっております。(※)しかし、早期にがんを発見できれば、他のがんに比べて治しやすい病気です。そのため、定期的ながん検診に努めることが重要です。※出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(人口動態統計)

日本では、食生活の欧米化などにより、大腸がんになる人も、大腸がんで命を落とす人も、ともに増加しており、定期検診(便潜血検査)を受けることが重要です。

「ポリープ」=「がん」ですか?

ポリープとは、隆起したものの総称であり、がんだけでなく、良性で切除の必要性がないものも含まれます。

早期発見のメリット

Ⅹ線機器・内視鏡機器など、内視鏡治療方法の多くは、日本で開発されたものです。わが国の画像診断は世界のトップレベルです。診断技術だけでなく、治療方法も進歩し、早期発見によって身体的ストレスの少ない内視鏡治療や腹腔鏡下手術で完全に治すことができます。

大腸がんの治癒率

早期大腸がんは、ほぼ100%治ります。進行がんであっても、遠隔転移がなければ80%以上治ります。
したがって、症状が出る前に検査を受けることが大切で、便潜血検査を受けて陽性ならば精密検査を受けることが重要です。

検査内容

便潜血検査

便潜血検査は、検診方法の中でも最も簡単な検査ですが、死亡率の減少効果を示す証拠が十分とされています。便潜血が陽性となった場合は、必ず精密検査を受けることが大切です。

精密検査(大腸内視鏡検査/注腸X線検査)

大腸内視鏡検査と注腸Ⅹ線検査があります。主に内視鏡検査を行いますが、検査前に洗腸液を飲み、便を洗い流して腸管内をきれいにしておく必要があります。

最近では、洗腸液の服用や内視鏡検査が困難と思われる患者さんには、CTを用いたCTコロノグラフィーという身体的負担を軽減して検査を行う場合もあります。

治療が必要な病変を認めた場合、治療方針を決定する目的でより詳細な検査を行います。

拡大内視鏡検査や注腸X線検査などにより治療方針を決定します。

 

大腸がんの主な治療方法

がんの進行度や患者さんの状態や年齢などにより決定されていきます。主な方法は以下の3つとなります。

1 内視鏡的治療

大腸内視鏡(下部内視鏡)を使ってがんを取る治療となります。がんが粘膜下1mm程度で、取り切れる大きさである状態などの場合に行われます。手術の場合よりも体にかかる負担は少なく、日帰りで出来る場合もあります。

2 手術療法

病状により、大腸のがんのある場所とその周辺を手術により切除します。転移を防ぐため、切除した場所の周辺のリンパ節も切除します。また、周辺の臓器にがんが転移している時は、これらの臓器の一部を切除することもあります。残った大腸を繋げることができない場合は、人工肛門(ストーマ)が必要になる場合があります。

3 薬物療法

手術による治療が難しい場合や、手術後の再発防止などにより、抗がん剤等の薬剤を投与します。どのような薬剤を使うかは、患者さんの状態や副作用の状況を見て決定されます。