肺がん

肺がん

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肺がんとは

肺がんは、気管支や肺胞の細胞内の遺伝子が何らかの原因で傷つくことでがん細胞に変化し、増殖することにより生じる病気です。そのため、定期的な検診を受けたり、これらの症状が続く場合は、早期に医療機関を受診することが大切です。肺がんの死亡数は2020年75,532人(男性53,210人、女性22,322人)であり、死亡率は高いことが知られています。

 

肺がんの最も大きな原因はタバコです

タバコパッケージの警告表示

「タバコ」が原因の肺がんは、男性で70%。女性で20%と言われています。また受動喫煙による肺がんの発生リスクは1.3倍と報告されています。肺がん検診では1日の喫煙本数と喫煙年数をかけあわせたもの(喫煙指数)が600以上の方を「高危険群」としています。現在喫煙していても、禁煙することによって自分自身や周囲の人の肺がんリスクをさげることは十分に可能です。

症状がないのですが、検診は必要ですか?

早期の肺がんでは、自覚症状はありません。進行していても症状が現れにくく、長引く咳・血痰の症状で発見された場合、かなり進行した例が多く見られます。症状に関わらず、年1回の検診を毎年継続して受けることが早期発見につながります。

検査内容

肺

1.胸部X線検査
市町村や職場での肺がん検診(対策型検診)において一般的に行われる検査です。肺の奥の方に発生する肺がん(肺野型肺がん)を異常な陰影(カゲ)として検出します。

肺

2.喀痰細胞診
「たん」の中に含まれる細胞を顕微鏡で調べ、がん細胞の有無をチェックします。太い気管支に発生する肺がんの発見に有効です。高危険群に該当する人におすすめする検査です。

肺がん

3.胸部CT
肺を輪切りにした(横断面)画像を作成し、肺全体を詳しく調べます。胸部X線で異常とみなされた影陰の性状や、胸部X線で見つけにくい場所や小さな淡い影陰の検出に優れています。主に精密検査として行われています。一部の施設では検診に導入されています。

肺がん

4.低線量CTによる肺がん検診(CT検診)
診療や精密検査で行うCT検査よりも被ばく線量を軽減させて、肺がんの候補となる肺結節を拾いあげることを目的としています。ドックなどでの検診で行われています。胸部X線検査と較べ小さく早期の肺がんが発見されており、米国・欧州の喫煙者を対象とした研究で死亡率減少効果があると報告されています。

治療方法は?

がんの種類・進行度、患者さんの状態などにより決定されていきます。
1 手術療法
がんの広がりが限局している場合に、肺の一部、又は片方の肺の全部、その周辺のリンパ節を切除します。
2 薬物療法
進行したがんでは、主に薬物療法が行われます。「抗がん剤」「分子標的治療薬」「免疫チェックポイント阻害薬」が主な治療薬になります。がんの種類、患者さんの状態に合わせて、使用する薬剤は決められます。
3 放射線治療
がんに放射線を照射し、がん細胞を消滅・縮小させます。手術が行えない、高齢の患者さんでも治療が可能です。薬物療法と組み合わせることもあります。がんが周囲の臓器広がっていることで起こる症状を緩和する目的でも用いられます。

異常が認められた場合、医師の指示に従い精密検査や治療を受けることが重要です。
検診結果が異常なしの場合でも、検診は翌年も必ず受けましょう。