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da Vinci Xi SURGICAL SYSTEM 2017年3月より導入開始

ダ・ヴィンチとは?

ダ・ヴィンチは、アメリカで開発された最新鋭の内視鏡手術支援ロボットです。
高度なロボット、コンピュータ、光学の各技術を応用して、外科医が行う手術を支援するシステムです。
患者さんの体に開けた小さな創から、専用の内視鏡カメラとアームを挿入して手術を行います。
術者は、3Dモニターを見ながら、自らの手を動かしているような感覚で、
コンソールを通してロボットアームを操作します。
高拡大三次元高解像度画像技術、専用インストゥルメント(鉗子)、コンピュータソフトウェアを搭載しており、
外科医は鮮明な視野で、繊細なインストゥルメントを操作して精緻な手術を行うことができます。
駒込病院が導入した「ダ・ヴィンチXi」は、2016年に登場した第4世代と呼ばれている最新機種です。

ダ・ヴィンチイメージ

3つの特徴

  • 特徴1

    体への負担が少ない

    数カ所の小さな切開部から手術を行うため、傷が小さく、出血も抑えられ、手術後の回復が早く、患者さんの負担が軽減されます。

  • 特徴2

    鮮明な3D(3次元)画像

    コンソールモニターには高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像が映し出されます。

  • 特徴3

    精密な動きを再現

    医師がロボットアームに装着されている鉗子やメスを操作します。
    ダ・ヴィンチの鉗子は関節構造を持ち、人間の手より大きな可動域と手ぶれ補正機能を備えています。

患者さんのメリット

患者さんに優しい
「ダ・ヴィンチ」手術
体への負担が少なく、入院期間の短縮が可能

ダ・ヴィンチ手術の特長としては、手ぶれがなく、精密な操作が可能で、その動きの自由度は人間の手以上のものがあります。
腹腔鏡手術と同様に切開部が小さく、傷跡や出血量も最小限に抑えられ、術後の早期回復、入院期間の短縮にも繋がるなど患者さんの体への負担も少ない低侵襲手術が可能となり、開腹手術と比べ、さまざまなメリットがあります。

「ダ・ヴィンチ」
手術のメリット

  • 01

    手術創(傷)が小さく
    傷跡が目立たない

  • 02

    出血量が少ない

  • 03

    入院期間が短い

  • 04

    合併症が少ない

  • 05

    回復が早い

当院のダ・ヴィンチ手術

2017年3月 都立駒込病院では最新「ダ・ヴィンチXi」を導入

駒込病院は、感染症専門病院として140年、がんの専門病院として40年を超える歴史を持つ、伝統ある病院です。
中でも外科領域では、早くから腹腔鏡手術をはじめとする低侵襲手術(患者さんの体への負担を少なくする手術)や、術後の身体機能を温存する手術を積極的に取り入れてきました。
今回、「ダ・ヴィンチXi」の導入により、この低侵襲・機能温存の伝統に新たな武器が一つ加わることになりました。

担当医からのメッセージ

  • 腎泌尿器外科 部長古賀 文隆

    ダ・ヴィンチシステムの導入により、さらに精緻な手術操作が可能

    私たちはロボサージャン手術というアプローチで、安全性(合併症が稀)・根治性(癌の完全切除)・尿漏れの早期回復を高い水準で達成する、低侵襲(体に優しい)な前立腺全摘除を行ってきました(詳細はこちらをご参照下さい)。
    ダ・ヴィンチシステムの導入により、さらに精緻な手術操作が可能となりました。
    とくに勃起神経温存操作にダ・ヴィンチシステムの利点を実感しており、治療成績に反映されることを期待しています。
    2017/3月~ダヴィンチ手術を導入し、2020年までに150症例以上のロボット支援下前立腺全摘手術を実施。

  • 大腸外科 医長中野 大輔

    これまでの腹腔鏡下手術よりさらに、精度の高い手術が可能に

    駒込病院大腸外科では、日本内視鏡外科学会技術認定医(大腸領域)が在籍しており、大腸がん手術の約95%を腹腔鏡下手術で行っています。なかでも直腸がんに対して、ダ・ヴィンチという最先端の手術支援ロボットを用いることで、これまでの腹腔鏡下手術よりさらに精度の高い手術が可能になると言われており、肛門温存、排尿・性機能温存、さらにはがん治療の根治性向上が期待されます。
    2018/2月~ダヴィンチ手術を導入し、2020年までに200症例以上のロボット支援下直腸切除手術を実施。
    東京都の施設別ロボット支援下直腸手術件数で、駒込病院大腸外科は東京都1番の手術実績で、内視鏡外科学会の認定するロボット手術指導医(プロクター)が執刀しております。

  • 胃外科 部長長 晴彦
        医員前澤 幸男

    より高精度に、より安全に

    当科には現在日本内視鏡外科学会の技術認定医(胃領域)が2名在籍し、より多くの患者さんにロボット支援下胃切除術を提供できるよう努めています。ロボット支援下手術は、鉗子が直線的な動きをする腹腔鏡手術の進化版で、鉗子が曲がる機能により自由な動きができます。この特徴は、複雑な血管処理が必要な胃癌の手術で特に力を発揮します。
    また、食道と小腸、あるいは食道と胃をつなぐ胃全摘術や噴門側胃切除術では手縫いでの縫い合わせを一部で用いますが、そのような高難度手術でもロボット手術のなめらかな鉗子の動きが有用です。胃癌ではロボット支援手術の保険適用範囲が広く、当科では幽門側胃切除、噴門側胃切除、胃全摘の3術式に対してロボット支援下手術を行っています。

  •     
  • 婦人科 部長喜納 奈緒
        医長谷川 道洋

    精密で低侵襲な手術

    早期子宮体がんにおける鏡視下手術は当院では2014年から治療を開始し、良好な治療成績を得ています。2022年からロボット支援腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術を導入しています。ロボット手術は子宮周囲や骨盤リンパ節周囲のような深く狭い部位で腹腔鏡手術より操作性がすぐれ、血管周囲で繊細かつ正確に操作が可能です。早期子宮体がんに対して根治性を落とすことなく、早期の回復が期待できます。

  •     
  • 肝胆膵外科 医長脊山泰治

    安全により質の高い肝胆膵外科治療を提供

    2020年より保険適応となったロボット支援下膵体尾部切除を当院でも十分な準備の上、安全に導入しました。2022年4月よりロボット支援下肝切除も保険適応となり、当院でも開始しました。
    当科では従来、尾側膵切除の約90%、肝切除の約60%を腹腔鏡で行っており内視鏡手術の経験は豊富です。手術支援ロボットという新しい機器を活用し、安全により精密で質の高い肝胆膵外科治療を提供していきます。

    対応術式:
    ・ロボット支援下膵体尾部切除
    ・ロボット支援下肝部分切除及び肝外側区域切除

ダ・ヴィンチチームのご紹介

ダ・ヴィンチチーム

駒込病院におけるダ・ヴィンチの運用では、担当の診療科医師だけでなく、麻酔科医や看護師、臨床工学技士など、様々な専門性を持つ職種で構成されたチームにより、より安全かつ高度なチーム医療に取り組んでいます。
当院ではこれまでも、患者さんにとって負担が少なく、効果の高い治療を目指してきましたが、ダ・ヴィンチの導入によって更なる発展が期待されます。

対象疾患

前立腺がん

ロボット支援手術に期待できるメリット

通常の開腹手術(当院では行っていません)と比較すると、出血量の減少と入院期間の短縮が最大のメリットと報告されています。
同じく低侵襲手術であるロボサージャン手術と比較すると、精緻な手術操作が要求される勃起神経温存において優位性を期待しています。

  開腹手術(一般的な成績) ロボサージャン手術 ロボット支援(ダ・ヴィンチ)手術
癌の完全切除
進行癌への適応(拡大切除)
尿失禁の回復
勃起機能温存 ○~◎
出血量(輸血の可能性) △(10%) 〇(稀)
合併症の頻度 〇(稀) ○(稀)
傷のサイズと痛み 10cm程度 △ 4cm台+ドレーン1−2カ所 ○ 3cm台+ポート5カ所○
入院期間 ○(平均8日) ○(平均8日)

大腸がん

ロボット支援手術に期待できるメリット

大腸がんに対する手術治療のアプローチとしては、腹腔鏡下手術と開腹手術があります。腹腔鏡下手術と開腹手術の治療成績は同等であることから、現在では腹腔鏡下手術は標準治療の一つと考えられています。腹腔鏡下手術の特徴は、腹部の小さい創からカメラおよび鉗子を挿入して治療を行うため、開腹手術と比較すると術創が小さいのが特徴です。
通常の腹腔鏡下手術と同様に、創が少なく痛みが軽度で、手術後の回復が早いなどの利点があります。また、この手術法では、輸血の確立は1%未満とされているほか、直腸に密接する骨盤神経叢を繊細な操作で丁寧、確実に温存することにより、術後の排尿、性機能の保持や早期の回復が期待され、社会復帰も早期に可能になると考えられます。

胃がん

ロボット支援手術に期待できるメリット

胃はほかの消化管に比べて解剖学的に複雑なため、正確に胃とリンパ節を取り除き再建するには高度な機能を備えた道具が必要です。ロボット支援下手術は自由度の高い鉗子により「可動域制限」を克服し、さらに手ぶれ補正機能により、ブレない精密な手術操作を可能としました。
また、高精度な3D立体視野により、従来の開腹手術や腹腔鏡下手術ではわからなかった微細な構造を認識できます。私たち胃外科ではこうしたロボット手術のメリットを最大限に生かし、より根治性が高く、かつ体への負担も少ない手術を目指しています。

子宮体がん

ロボット支援手術に期待できるメリット

早期子宮体がんにおける鏡視下手術は開腹手術と治療効果が劣らないことが報告され、低侵襲手術として近年行われるようになってきています。鏡視下手術の中でも、ロボット支援下手術は、子宮周囲や骨盤リンパ節周囲のような深く狭い部位で操作性がすぐれ、血管周囲で繊細かつ正確に操作が可能です。早期子宮体がんに対するロボット支援下手術は根治性を落とすことなく、早期の回復が期待できる術式です。

膵腫瘍(膵癌、膵内分泌腫瘍、膵のう胞性腫瘍など)

ロボット支援手術に期待できるメリット

ロボット支援下手術では、1.3D画像による近接視野、2.多関節機能による自由な鉗子操作、3.カメラの安定、などのメリットがあり、繊細さが要求される膵周囲の操作が容易になりました。導入後の成績は良好で出血量が少なく、術後合併症も少ない傾向にあります。その分、術後の早期回復、在院日数の短縮、早期の社会復帰が期待できます。


肝腫瘍(原発性肝癌、転移性肝癌など)

ロボット支援手術に期待できるメリット

ロボット支援下手術では、多関節機能による自由な鉗子操作が可能になり、今までの直線的な鉗子操作による肝実質の不要な圧迫を避ける、切除マージンを確保しやすくなるなどのメリットが期待されています。また、ロボット手術特有の安定した術野展開、3Dの拡大視野によってより精密な肝切除を目的としています。

手術上のリスク

ロボット支援手術を含め、すべての手術には、一般的に組織や臓器の損傷、出血、感染症及び体内の傷跡などリスクを伴います。
また、低侵襲手術特有のリスクとして以下のものが挙げられます。
①手術時の体位に関連する一時的な痛みや神経損傷。
②手術時に注入する空気やガスによる一時的な痛みや不快感。
③ロボット支援手術固有のリスクとして機械の不具合による開腹手術への移行があります。ダ・ヴィンチXiでは未だ術中の動作停止の報告は無いようです。
ご不明な点は担当医にお尋ねください。

よくあるご質問

  • Question 01

    ダ・ヴィンチ手術の適応は、
    どんな疾患がありますか?

    Answer

    手術を必要とするすべての疾患がダ・ヴィンチ手術の対象ではありません。
    当院では、
    泌尿器外科:前立腺全摘術
     大腸外科:直腸切除・切断術
      胃外科:幽門側胃切除
          噴門側胃切除
          胃全摘
    肝胆膵外科:膵体尾部切除
          肝部分切除及び
          肝外側区域切除

    の手術を実施しております。
    他の疾患については、順次対応する予定です。

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  • Question 02

    高齢でもダ・ヴィンチの手術を
    受けることができますか?

    Answer

    高齢の方であっても、一般的には開腹手術、腹腔鏡手術に耐えられる状況にある患者さんであれば、ダ・ヴィンチ手術を受けることは可能です。
    前立腺全摘除の場合、脳動脈瘤や緑内障のある方、腹部手術の既往のある方、心不全のある方などで適応とならない場合があります。
    術式は、担当医との相談の上で決めていくことになります。

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  • Question 03

    ダ・ヴィンチ手術と
    ロボサージャン手術の適応は?

    Answer

    私たちは術前に、患者さん一人一人について臨床情報を基に病気の進行リスクを算出し、手術内容の詳細(勃起神経温存の適応、リンパ節郭清の範囲など)を決めています。
    進行リスクから、勃起神経温存を含む機能温存を重視した手術を予定する場合は、ダ・ヴィンチ手術が有利と考えています。
    一方で、進行リスクが高く、拡大切除が望ましい患者さんにはロボサージャン手術を薦めています。

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  • Question 04

    手術費用は
    どれくらいかかりますか?

    Answer

    ダ・ヴィンチ手術による前立腺全摘除の場合、8日間の入院でかかる医療費は、健康保険3割負担の場合で約50万円となります。
    ただし、高額療養費制度が適用されますので、自己負担額が通常の手術と比べて高額となることはありません。
    なお、大腸がん手術については、主治医にご相談ください。

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