東京都立神経病院

松沢病院の外観
所在地〒183-0042
府中市武蔵台2-6-1
電話番号042-323-5110(代)
予約電話番号042-323-9200
ホームページhttps://www.tmhp.jp/shinkei/

主な医療

神経難病医療/在宅難病医療/一般神経疾患医療/小児神経難病医療

特色

(1)神経難病医療の提供

脳神経内科は日本神経学会認定神経内科専門医および指導医が20名以上常勤医として働いており、高度かつ専門的な脳神経系の総合医療を広く提供しています。

筋萎縮性側索硬化症(ALS※)に対する一貫した医療

ALSや運動ニューロン疾患(MND)といった神経難病患者さんの診断から治療、在宅ケアに至る全ての病期の患者さんとともに考え、支えていく多専門医療職によるチーム体制を整えています。2021年よりALS/MNDセンター外来を開設しています。
また、ALSの病態解明や診断・治療法の開発に向けた臨床研究にも積極的に取り組んでいます。

※ALSとは 運動系を司る神経細胞を中心とした編成が起きることで全身の筋力低下を中心とした種々の症状を呈する疾患で、国の指定する難病の一つです。60−70歳代をピークとしたあらゆる年齢層で発想し、本邦の患者数は約1万人と推定されています。

文字盤を使用したコミュニケーション
自分の声を残して使う

脊柱管狭窄症(後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症)の手術

脊柱管狭窄症とは、手足を動かす神経の通路である脊柱管が、骨の変形、椎間板・靱帯の突出などにより、狭くなる病気です。この結果、神経が圧迫されて体調が悪くなります。脊柱管狭窄症の主原因は背骨の老化です。老化以外の原因として、「後縦靱帯骨化症」や「黄色靱帯骨化症」などの難病が挙げられます。これらの難病に対して、専門性の高い手術を数多く行っていることは、当院の大きな特徴のひとつです。
脊柱管狭窄症の頻度は高く、手術治療が必要な患者さんは、1000人に1人くらいの割合で、日本全国で年間10万件以上の手術が行われています。当院では、脳神経外科が脊柱管狭窄症の治療を行っています。脊柱管狭窄症のみならず、脊髄腫瘍、奇形、血管病変の手術などにも対応可能です。

脳深部刺激療法(DBS治療※)

DBSは2000年にふるえに対する治療法として保険治療が可能になりましたが、現在では、さらにその領域を拡大し、パーキンソン病、全身性ジストニア、てんかんに対しても行われています。当院の最大の特徴は、脳神経内科・脳神経外科・神経小児科の各診療科が科の垣根を越えて、連携して治療に当たっていることです。
各診療科が同じ症例の治療に意見を出し合いながら連携して治療に当たることで、DBSとDBS以外の治療法を患者さんごとに最適に組み合わせていくことが可能になります。またDBS治療が必要な患者さんは、症状の進展という課題に加え、人生の様々な課題と向き合っていく必要があるため、各診療科医師との長い付合いが必要です。DBS治療に従事する場合、単に症状の一部を治すだけではなく、人生の中でその病気が占める問題点の全てを一緒になって解決していく必要があり、チーム医療が非常に重要な領域で、当院はその最適な環境にあると言えます。

DBS:(Deep Brain Stimulation)
パーキンソン病やジストニア、振戦(ふるえ)などの不随意運動症の症状を軽減するため、また、てんかん発作を軽減するため、脳深部に電極を埋め込み、脳を電気刺激する治療法です。これにより、パーキンソン病では薬剤量の減量が可能となり、薬剤の副作用を軽減することができます。

(2)難治性てんかんの外科的治療~

「てんかん」は、発症すると意識を失ったり痙攣を起こしたりする病気であり、神経疾患の中でも患者数の多い病気です。多くは薬を服用することで発作が治まりますが、薬剤でのコントロールが不可能な「難治性てんかん」の場合は外科的治療が必要となります。当院では、てんかんの外科的治療を多数手がけており、年間の治療数は、令和3年(47件)、令和4年(53件)、令和5年(48件)となっております。
特に患者の負担を軽減する低侵襲性の海馬多切術や選択的海馬扁挑体摘出術、迷走神経刺激装置植え込み術に加え、新しい治療法としててんかんに対する脳深部刺激法も行っています。

(3)神経難病患者に対する在宅医療

訪問看護

神経難病等により各種運動(呼吸や嚥下機能等)に障害をもつ在宅患者が安心して療養ができるよう支援しています。
そのため、医師・看護師・保健師・リハビリ担当者等がチームを組み、人工呼吸器装着や経管栄養など、高度かつ専門的な医療を必要とする患者への訪問診療を実施しています。
また、地域の医療機関や保健所、福祉関係機関等と連携することにより、在宅難病患者支援の充実にも取り組んでいます。
患者・地域サポートセンターでは、療養生活の困難に直面しがちな神経難病患者家族のニーズに応え、より早期から多職種のスタッフで関わり、安定した療養生活ができるよう支援して参ります。

概要

令和5年7月時点(総職員数は令和5年4月時点)

許可病床数

入院304床(一般304床)

総職員数

513人

診療科目

脳神経内科、神経精神科、神経小児科、脳神経外科、神経眼科、 耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、神経放射線科、麻酔科、歯科

指定状況

難病医療ネットワーク事業拠点病院 等

主な設備

ICU:8床 等

交通案内

JR中央線・武蔵野線:西国分寺駅下車 徒歩15分
バス:JR西国分寺駅、国分寺駅、西府駅、京王線府中駅から 総合医療センターバス停下車

神経病院ギャラリー

正面入口
診察風景
研究風景
緑あふれるリハビリ施設
3T-MRI
特殊検査室