PML/MS/NMOセンター(神経難病センター)

PML/MS/NMOセンター(神経難病センター)

進行性多巣性白質脳症(PML)はJCポリオ―マウイルスによっておこる中枢神経系の脱髄性疾患です。古くはエイズや重度の免疫不全患者さんに発症することが知られていましたが、近年はがん患者さんや自己免疫疾患の患者さんの抗がん剤、免疫抑制薬や分子標的薬治療中に発症する例が増えてきています。かつては発症すると死に至る不治の病でしたが、近年の検査や治療の進歩によって早期発見、早期治療が可能となり、寛解をめざすことも可能となってきています。

PMLとは(外部リンク)

近年、新規分子標的治療薬が多数上梓される一方、薬剤性PMLの発症が懸念される事態となっている疾患のひとつに多発性硬化症(MS)/視神経脊髄炎(関連疾患)(NMO(SD))があります。MSは中枢神経系を標的とする炎症性脱髄性疾患で若年女性に好発し、無治療でいると40歳代で歩行困難、50歳代で車いすとなり、寿命が10年短縮する、といわれています。最近の研究では、身体機能だけでなく、高頻度に認知機能障害を呈することもわかってきました。NMOは、以前はMSと診断されていた、やはり中枢神経系を標的とする炎症性疾患です。近年の研究により、アストロサイトという細胞に発現しているアクアポリン4が自己抗体によって攻撃されることによって、主に視神経と脊髄に重篤な障害をもたらすことがわかってきています。いずれの疾患も、疾患修飾薬とよばれる病気をコントロールする薬剤が必須ですが、治療にともなってPMLをひきおこすことがあることがわかっています。

多発性硬化症(MS)とは?

視神経脊髄炎関連疾患(NMO(SD))とは?

当センターは、PMLとMS/NMOを専門的かつ系統的に診療することを目的に設立されました。両疾患に精通した専門医が密に連携をとりながら、質の高い医療を提供させて頂きます。

センター長
 三浦義治(脳神経内科責任医長:PMLの初診 応相談)

副センター長
 横手裕明(脳神経内科医長:MS/NMOの初診 月・火曜日、他曜日も応相談)

医師
 松田隼弥(脳神経内科医員) 高木康伸(放射線科診断部部長)
 森紘一朗(放射線科診断部非常勤医師) 川口龍史(眼科部長)
 太田哲人(腎臓内科責任医長) 船田信顕(病理科非常勤医師)
 新井秀雄(病理科医長) 長尾卯乃(リハビリテーション科医長)

神経難病センター