肺癌

当院では、肺癌と確定診断または疑われた患者さんに対して、呼吸器内科、放射線科(診断、治療)および当科で相談し最も適した治療を提供出来るよう努めています。
検査としては、気管支鏡検査、胸腹部CT、脳MRI 、PET-CT(他施設に依頼、1週間以内の早期に施行可能)などを行い、組織診断(病理学的診断)および、病期(進行度、ステージ)を評価します。
治療方法は、手術、化学療法(抗癌剤)、放射線治療が主体です。単独または組み合わせることもあります。肺癌の組織型や病期、また患者さんの全身状態、併存既往疾患、年齢などに応じて治療方針は異なります。
当科では、主に手術治療を担当しています。
根治性(治癒)を追求するのみでなく、安全性(手術合併症や手術死亡を防ぐこと)を最重要と考えて治療を行っています。それには個々の患者さんの状態を十分に把握することが大事です。近年は高齢化も影響し、特に心臓血管疾患、糖尿病、腎機能障害などを持つ患者さんも多くなっており、様々な診療科との協力が欠かせません。当院では総合病院の利点を生かして手術および周術期管理がスムーズに進むよう細心の注意をしています。
手術リスクが高いと考えられる患者さんに対しては、十分に説明および相談し、非手術療法である高精度の定位放射線治療(治療実績が豊富な大船中央病院などに依頼)も行っています。
肺癌の標準的手術である肺葉切除およびリンパ節郭清術は小開胸での胸腔鏡補助下にて直視下で手術を行っています。手術器具の進歩も必要に応じて取り入れ、さらに安全かつ低侵襲な手術になるよう工夫しています。担当医が赴任して以降12年間以上で周術期死亡は1例もありません。

最終更新日:2018年2月28日