皮膚・皮下腫瘍

皮膚の腫瘍はそのもととなる細胞により分類されますが、大きくわけると悪性のもの(皮膚癌)と良性の腫瘍に分類されます。われわれ形成外科ではそのいずれも治療対象です。

  1. 皮膚・皮下良性腫瘍
  2. 皮膚悪性腫瘍

皮膚・皮下良性腫瘍

黒子(ほくろ)

褐色から黒褐色をしていて、形はたいらなものから、膨隆したものまであります。治療は切り取ってしまうのがベストです。

粉瘤(アテローム)

皮膚の一部が陥凹して袋状になったものです。皮下の袋が皮膚とつながっているため(腫瘍の中央付近に小さな黒い陥凹を認めることが多いです)、動かそうとすると皮膚と一緒に動きます。軽く押すと、黒い陥凹部分より油粕の様な内容物が出てくるものがあり、悪臭を伴うことが多いです。治療は皮下の袋ごと切り取ってしまう方法が原則です。

脂漏性角化症

老人性のイボとも言われるものです。やや年配の顔、頭体幹に主に出来るもので、疣になっている事が多いです。時にかゆみを伴います。必要に応じて切除します。

黄色腫

上まぶたの内側に黄白色の腫瘍が生ずる事があります。コレステロールがたまったものと言われています。原則は切除ですが、高確率で再発します。

脂肪腫

皮膚の下に良く動く(動きにくいこともあります)軟らかい腫瘍として触れます。小さいものであればそのまま様子も見ても差し支えない事が多いですが、時間の経過とともに成長するため、原則手術が必要です。中には筋肉の中にできることもあり、術前に画像検査もしくは超音波検査で精査します。

ガングリオン

主に関節周囲に生ずる、表面が平滑なで、比較的硬い腫瘍です。皮膚とのつながりはありません。中には粘液(関節液様)が入っており、無症状の場合は様子を見る事も多いです。手術を行っても再発する可能性があります。

その他数多くの皮膚および皮下の腫瘍は存在します。当科では比較的小さな切開で切除を行うように工夫をしております。特に顔面腫瘍に対しては傷跡のフォローを含め総合的に治療を行っております。

皮膚悪性腫瘍

悪性皮膚腫瘍の中で比較的多いものとして基底細胞腫、有棘細胞腫、悪性黒色腫などがあります。性状は各々異なりますが、悪性を疑う場合として、出血する、ジクジクする、周囲との境界が不鮮明である、等の特徴があります(もちろんこれらの特徴がなくても悪性の場合はあります)。 皮膚の悪性腫瘍の治療は手術により切除する事が原則です。腫瘍の種類によっては術後に化学療法等が必要なものもあり、その場合専門の施設に紹介することもあります。

最終更新日:2018年2月28日