東京都立多摩北部医療センター総合診療科は、「地域の医療を守り、貢献する」という理念を大切にしながら診療と教育を行っています。私たちが日々向き合うのは病気だけではなく、患者さんの生活、家族の思い、そして地域社会全体です。幅広い視点から医療を実践できることこそが総合診療の魅力であり、同時に大きな挑戦でもあります。

当院のある多摩地域では高齢化が進み、複数の疾患や社会的課題を抱える患者さんが少なくありません。救急外来に運ばれてくる若年患者から、慢性疾患と共に生活する高齢者、在宅療養を希望される方まで、そのニーズは多岐にわたります。こうした多様な症例に日常的に出会える当院は、総合診療医を志すうえで理想的な環境と言えます。

また、臓器別専門科や多職種チームとの連携も当科の特徴です。総合診療医は診断と治療の入口を担い、必要に応じて各科と協働しながら最適な医療を組み立てます。その過程を通じて、幅広い臨床力とチームをまとめる力を養うことができます。さらにT-GAP(Tokyo Generalist Advanced Program)との連携により、都立病院群ならではの教育資源を活用し、地域を超えた広い視野で学ぶことが可能です。

私たちは将来的に総合診療科医を20名体制へ発展させることを目標としています。これは単なる人数の拡大ではなく、理念と使命を共有し、地域医療を支える仲間を増やすための挑戦です。都立病院としての社会的使命を果たしながら、若手医師が安心して成長できる環境を整えています。

地域医療の最前線で多様な患者さんに向き合う経験は、必ず大きな成長につながります。ここで培う力は、将来どのような道を歩んでも確かな基盤となるはずです。ぜひ私たちとともに学び、成長し、総合診療の未来を築いていきましょう。