子宮頸がん

子宮頸がん

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子宮頸がんとは?

子宮頸がんは、子宮の入口(=頸部)にできるがんです。

(対策型検診として実施されているのは、子宮頸がん検診です)

          

子宮頸がんの原因は主に性交渉によるHPV(ヒトパピローマウイルス)感染です。HPVウイルスはごくありふれたウイルスで多くの女性が一生に一度は感染するといわれます。感染しても必ずしもがんになるわけではありません。リスクの高い型のHPVウイルスに感染すると、一部の方が前がん病変(異形成)に移行し、さらにその一部の方が浸潤がんになります。

子宮頸がんは初期に症状がないことが多いので定期的な検診が重要です。子宮頸がん検診は死亡率を低下させることがWHOにおいても認められています。
定期的に検診を受けていれば、がんの一歩手前(前がん病変)で見つけられることが多く、経過観察や負担の少ない治療で済むことが多いです。高度異形成や、 上皮内がんと呼ばれる段階で発見されれば、子宮頸部の一部を切除するだけで子宮を残すことが可能で、妊娠・出産もできます。

検査方法

検診や一次的な検査としては子宮頸部細胞診が行われます。子宮頸部の細胞を綿棒やブラシなどの器具で採取し、顕微鏡検査にて異常細胞の有無を調べます。通常痛みはありません。細胞診で異常が認められた場合は、結果により、HPV(ヒトパピローマウイルス)検査、コルポスコピー検査、子宮頸部組織検査等が行われます。検査の結果、軽度~中等度異形成までであれば、経過観察、高度異形成以上(がんを含む)の場合は、治療が必要になります。

治療方法

がんの進行度や転移の有無、患者さんの状態などにより決定されていきます。主な方法は以下の3つとなります。

1 手術療法

高度異形成や上皮内がんまでであれば、子宮頸部の切除(円錐切除)のみで治療が終われることが多いです。病状により、子宮の全部や卵巣と卵管についても、切除を行います。

2 放射線治療

がん細胞を消滅・縮小させるため、外部から放射線を照射する方法や、器具を膣から挿入し患部近くから照射する方法があります。

3 薬物療法

手術で対応できない場合や、転移・再発が生じた場合などに、抗がん剤等の薬剤を投与します。放射線治療と併用される場合もあります。
どのような薬剤を使うかは、患者さんの状態や副作用の状況を見て決定されます。

【参考】子宮体がん

*子宮体がんは症状があったら医療機関を受診することが重要です。


 子宮体がんは、子宮内膜にできるがんです。子宮体がんに対する検査方法としては、内膜(体部)細胞診が一般的です。子宮体がんは、初期から不正出血の症状があることが多く、症状が出てからの検査でも早期で見つかることがほとんどなので、症状がない方にこの検査を定期的に行うことで死亡率が減少することは確立しておらず、対策型検診の対象にはなっていません。症状があったら(特に閉経後の不正出血)、早めに医療機関を受診しましょう。
 また、子宮体がんは、乳がん術後のホルモン剤の内服、ホルモン剤の長期内服、未産、肥満、糖尿病、閉経の遅れなどがリスク因子と考えられています。リスク因子のある方で、検査を希望される場合は、がんドック等の検診(原則として自費診療)の利用をおすすめします。
(リスク因子:因子のない人と比べ発症率が高い可能性があるということであり、因子自体ががんの原因というわけではありません)