婦人科

婦人科

 婦人科では、外来診療に加えてレディースドック(子宮頸がん)を行っています。外来診療では、必要に応じて、コルポスコピー(拡大鏡)検査、子宮頸部組織検査、超音波検査、子宮内膜細胞診等を実施しています。なお、治療および産科(妊婦の診察)は、行っておりません。

外来診療について

 外来診療の検査内容

子宮頸部細胞診

子宮頸部の細胞をブラシなどの器具で採取し、顕微鏡検査にて異常細胞の有無を調べます。

超音波検査

膣(または腹壁)から超音波を当て子宮や卵巣の様子を観察します。

子宮内膜(体部)細胞診

子宮の出口から細い棒状の採取器具を子宮の中に入れて細胞を採取し顕微鏡検査にて異常細胞の有無を調べます。痛みや出血を伴う場合や、稀ですが感染などのリスクがある場合があります。

コルポスコピー検査

子宮頸部に酢酸を塗布し、それによる変化を拡大鏡で観察する検査です。子宮頸部組織検査では必ず行われますが、当科では、初診時や経過観察時の子宮頸部細胞診の際にも併用する場合が多いです。

子宮頸部組織検査

子宮頸部細胞診で異常を認めた場合に、病変と考えられる部位から直接組織片を採取し検査することで、精度を高めた診断をするために行われます。病変があることが疑われる部位をコルポスコピー検査で確認した上で、子宮頸部から米粒の半分ほどの組織を、2~4か所程度採取する検査です。

ヒト・パピローマ・ウィルス検査

子宮頸がんの原因となるヒト・パピローマ・ウィルスに感染しているかどうかを調べる検査です。ヒト・パピローマ・ウィルスは日本人女性の約80%が感染すると言われているありふれたウィルスですが、150種類以上あると考えられており、そのうち子宮頸がんの原因となりうるものは約15種類(ハイリスクグループ)とされています。このハイリスクグループのいずれかに現在感染している状態にあるかを見るグルーピング(一括)検査と、感染している種類(型)を特定するタイピング(DNA型)検査があります。グルーピング検査は、子宮頸部細胞診でASCUSの場合のみ保険適用があり、タイピング検査は組織検査で、軽度ないし中等度異形成がある場合のみ保険適用があります。いずれの検査も過去の感染の既往や潜伏している場合の検出はできません。

 外来診療の対象

 がん検診(一次検診)で「要精密検査」となった方や経過観察の方、医療機関から紹介された方、自覚症状がある方に対して、診療・検査等を行っています。治療が必要となった際には、がん診療連携拠点病院などの専門の医療機関にご紹介します。

がんドックについて

 レディースドック(子宮頸がん)

 自覚症状がなく、自身の健康管理のために自主的に検査を希望される方に、レディースドック(子宮頸がん)を行っています。詳細はこちらをご覧ください。

診療科の特色

 当科の特色は、ドック等の他、子宮頸部細胞診異常に対して組織検査(精密検査)を行っていることと、組織検査で軽度ないし中等度の前がん病変(子宮頸部異形成)が指摘されたものの治療までは不要な方に対して、必要に応じて組織検査を実施しながら経過観察することが可能なことです。一次医療機関では、組織検査が難しいことが多く、一方大きな病院では、組織検査そのものは可能ですが、治療までは不要な方に対して経過観察をすることができない場合があり、当科は、その間を橋渡しする役目を果たしています。  

診療実績

  令和4年度診療実績

一般外来数

2,200件

子宮頸部細胞診検査数

 895件

コルポスコピー検査数

 629件

子宮頸部組織診検査数

  73件

スタッフ

医師名

資格・経歴

婦人科医長

髙江 健太郎
(たかえ けんたろう)

医学博士、法務博士
日本産科婦人科学会専門医

婦人科医員

伊藤 良彌
(いとう りょうや)

医学博士
日本産科婦人科学会専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医

婦人科医員

松田 努
(まつだ つとむ)

医学博士
日本産科婦人科学会専門医