がんゲノム医療外来

都立駒込病院 遺伝子診療科 部長 山口 達郎

1.がんゲノム医療とは

「ゲノム」とは、遺伝子(gene)と染色体(chromosome)を組み合わせた造語で、遺伝情報全体を表します。

当院のがんゲノム医療外来では、標準治療に効果を示さなくなった患者さんや標準治療がない患者さんを対象に、「がん遺伝子パネル検査」で、がんのゲノム(遺伝子)異常を調べ、候補となる治療薬を探します。検査申込から結果説明までは、おおよそ4~6週間です。

がん遺伝子パネル検査の概要(患者さん向け案内パンフレット)(PDF 2.1MB)

2.対象患者

対象となる患者さんは以下のとおりです。

  • 標準治療がないがんの方(希少がんなど)
  • 現在がんの治療を行っているが標準治療の効果が乏しい方
  • 本検査施行後の化学療法に耐え得る体力が十分にある方

  注目情報現在PSが0-2である。

  注目情報 生命予後が3ヶ月以上あると推定される。

  注目情報 経口摂取が可能である。

※検査が可能かどうかは、当院の医師が最終的に判断いたします。ご了承願います。

3.がん遺伝子パネル検査の種類

当院では、保険診療で認められた2種類のがん遺伝子パネル検査を実施しています。

OncoGuideTM NCCオンコパネル(PDF 4.2MB)
  • がんに関連した114遺伝子を、がん組織と血液の両方で調べます。
  • 血液検査で遺伝性腫瘍に関連した遺伝子の異常が分かることがあります。
FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル(PDF 1.6MB)
  • がんに関連した324遺伝子を調べます。がん組織の検査のみで血液検査は必要ありません。
FoundationOne® Liguid CDx がんゲノムプロファイル
  • がん組織で検査できなかった場合、血液中を循環している腫瘍由来のDNAを調べます。

4.受診の流れ

他の医療機関を受診中の患者さんにおける、がんゲノム医療外来受診の流れは次のとおりです。

(当院を受診中の患者さんの場合は、担当診療科の主治医とご相談ください。主治医からがん遺伝子パネル検査についてご説明します。)

受診の流れ1

 患者さん又は主治医から予約センターにお電話いただき、
「がんゲノム医療外来」の初診予約をお取りください。
 ★予約センター★
 予約専用電話 03(3823)4890
 予約受付時間 月~金9:00~17:00  土9:00~12:00

受診の流れ2

必要な書類と試料

診療情報提供書
  • 診断名(原発巣・転移巣・PS)
  • 手術内容
  • 治療経過(レジメン毎の治療期間と最良効果判定)
  • 予後の見通し
  • 画像検査結果最近のCTやMRIなど
    血液検査結果できるだけ1ヶ月以内のもの
    病理検体※3年以内のものが検査に適しています

     

    受診の流れ3

    ★検査費用★

    • 初回受診時: 440,000円(3割負担 132,000円)
    • 検査結果説明時:120,000円(3割負担 36,000円)

    その他、診察料などが必要になります。
    検査費用については、高額療養費制度による給付の対象です。

    受診の流れ4

     遺伝医学等の当院の専門家が委員会(エキスパートパネル)で検査結果を分析し、見つかった遺伝子変異に対して有効な治療法や治療薬を検討します。

    当院エキスパートパネルの様子を以下でご覧いただけます。

    受診の流れ5

    がんゲノム医療外来の担当医が患者さんに結果説明を行い、
    パネル検査後の治療については、治療効果が期待できる国内の治験情報などを提供いたします。

    ご不明な点は、遺伝子診療科までお問合せください。

    メール:km_gan-genome@tmhp.jp

    電 話:03-3823-2101(代表) (PHS:65901)

    ※電話交換手にPHS番号へ取り次ぐようお伝えください。