高精度放射線治療装置

駒込病院では2012年のリニューアルオープンとともにトモセラピー、サイバーナイフ、Vero 4DRTの3台の高精度放射線治療装置を導入しました。これによりIMRT(強度変調放射線治療)、定位放射線治療など高精度放射線治療を多くの方に提供してきました。これからも最新の知見の臨床現場への適応と、治療開発に取り組んでまいります。

画像をクリックすると各装置を使用した治療例にジャンプします。

TrueBeam(トゥルービーム)

TomoTherapy(トゥルービーム)
TrueBeamはあらゆる部位のがんに対応するとともに、標準的な治療から高精度なSRT(定位放射線治療)やIMRTまで精度高く短時間に行うことができる治療装置です。
2021年から導入され、主に転移性脳腫瘍に対するSRTを短時間で効率的に行うことができる「HyperArc」、骨転移に対するSBRTなど様々な患者さんの治療を行っております。

TrueBeamの治療の実際と線量分布

脳腫瘍(HyperArc)

複数の転移性脳腫瘍に対しても1回の照射で治療を行うことができます。

骨転移(SBRT)症例

TomoTherapy(トモセラピー)

TomoTherapy(トモセラピー)
トモセラピーは、無限の回転軌道照射を実現させたIMRTの専用機です。今まで実現困難とされてきた複雑な形状のターゲットにも、その形に沿った治療ができるようになりました。
TomoTherapy(トモセラピー)
実際の治療の前には毎回CTを撮影し、治療を計画したときの画像と比較して位置の誤差を補正しますので、計画した場所に正確に治療を行うことができます。
TomoTherapy(トモセラピー)
図にあるようなバイナリーコリメータというコリメータ(ビームの絞り)で避けたい部分を外せますので下の図にあるようにターゲットに沿った線量分布が得られます。
トモセラピーを使用するのはその機能が患者さんの状態に合うと考えられる場面です、適応については「トモセラピーFAQ」も合わせてごらんください。

トモセラピーによる線量分布の例

前立腺がん
頭頚部
頭蓋皮膚血管肉腫
肛門管がん

CyberKnife(サイバーナイフ)

CyberKnife(サイバーナイフ)
第4世代のサイバーナイフはその最先端のロボット技術により多方向から一点に集中して治療を行うことで高精度の定位放射線治療を実現した治療装置です。
ロボットは照射中に生じる患者さんのわずかな動きを感知して、正しい位置に補正して照射するため、1mm程度の誤差の高精度な治療(定位照射)を提供致します。

サイバーナイフの治療の実際と線量分布の例

転移性脳腫瘍

当初は主に脳の病変に治療を行っていましたが、2013年より肺の病変の治療も開始しています。

VERO-4DRT(ヴェロ)

VERO-4DRT(ヴェロ)
VERO-4DRTは、呼吸による体内の臓器の動きに合わせて放射線が出るヘッド部分が動く機能を持っており、動体追尾放射線治療を提供する事が出来ます。
赤外線認識センサー及びX線透視複合システムを用いることで、体内のターゲットの位置を捉え、リアルタイムに照射ビームを最適な方向へ誘導します。

VERO-4DRTの線量分布

3次元的な照射やIMRTを用いることで、腫瘍に集中した治療を行うことができます。

原発性肺癌症例

2013年3月より呼吸によって上下に動く肺癌に対して、放射線のビームを動かして照射を行う動体追尾照射を開始しました。国内では比較的早い段階で同技術を導入し、肺や肝臓の腫瘍の患者さんの治療で活用されています。

2021年12月更新