手術支援ロボット da Vinci(ダヴィンチ)による手術について

手術支援ロボット ダヴィンチの概要

<ロボット支援下手術―ダヴィンチ手術―とは>

「ロボット支援下手術」は医師が手術用ロボットを操作し、行う手術のことです。当院における「ロボット支援下手術」で使用されるのは、「ダヴィンチ(da Vinci)」と呼ばれる医療用ロボットです。医師は、ダヴィンチのコントローラーを操作して、ロボットアームの先に装着された器具を思い通りに動かしながら手術を進めます。当院では2018年1月からダヴィンチによるロボット支援下手術を実施しています。2021年10月からはダヴィンチ2台体制となり、4診療科においてロボット支援下手術を実施しております。

写真:da Vinci 1
写真:da Vinci 2

<ダヴィンチ手術のメリット>

  1. 身体への負担が少ない
    鉗子を挿入するための小さな穴を数か所切開するのみであり、傷が小さく、出血量が抑えられるため、手術後の回復が早く、身体への負担を軽減することができます。
  2. 精度の高い手術が可能となる
    従来の腹腔鏡手術では、術者は2次元の画像を見ていましたがダヴィンチ手術では3次元立体画像を見ながら手術ができます。奥行きを感じて操作できるため、より正確かつ安全な手術が可能となります。
  3. 鉗子の操作精度、自由度が高い
    従来の腹腔鏡手術では直線の鉗子を用い手術を行いっておりました。ダヴィンチ手術では、関節を使用し術者の思うままに、まさに熟練した医師の手のような操作が可能で、かつ、手ぶれ補正がかかっているため正確な手術が可能となります。

当院におけるロボット支援下手術実績

グラフ:ロボット支援下手術件数

対象疾患

<外科(消化器・一般)―上部消化管外科>

担当医からのメッセージ
外科医長 石橋 雄次
胃癌に対するロボット支援下手術は、関節のあるロボットアームを使用することで従来の腹腔鏡下手術よりも精密な手術が可能です。また胃に隣接している膵臓への負担が少ないため手術後の合併症が減少するとされています。当院ではロボット支援下胃切除術を癌の根治性と手術の安全性に十分注意しながら2018年4月から開始し、現在まで140例以上の手術経験があります。
対象疾患
胃癌(早期癌~進行癌)
その他
癌の進行度や広がりの程度によってはロボット支援手術よりも開腹手術や従来の腹腔鏡下手術のほうが適していることもあります。患者さん、ご家族と相談しながら手術方法を決めさせていただきます。

<外科(消化器・一般)―下部消化管外科>

担当医からのメッセージ
外科医長 小坂 至、外科医長 大塚 英男
下部消化管外科では、年間250-300例の初発大腸癌患者さんの手術を行っています。
手術治療は、大腸癌の進行度、患者さんの基礎疾患・意向を総合的に判断し、開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット手術のいずれかを選択し、安全で質の高い診療を心掛けています。
大腸癌に対する腹腔鏡手術施行率は約8割です。
対象疾患
直腸癌
その他
直腸癌については、保険診療で行っており、手術費用は従来の腹腔鏡手術と同様です。
今後、結腸癌に対しても保険適応となれば当院でも導入予定です。

<外科(消化器・一般)―肝胆膵外科>

担当医からのメッセージ
外科部長 森田 泰弘
当院では系統的肝切除や膵頭十二指腸切除など、高難度手術も腹腔鏡手術の実績がありますが、2021年4月よりロボット支援下膵切除を開始いたしました。2022年よりは保険診療の施設基準を満たし、本格的に導入が開始されます。膵頭十二指腸切除などは複雑な再建手術が必要であり、ロボット支援下手術のメリットが存分に生かせると考えております。
対象疾患
膵管内乳頭粘液性腫瘍、膵粘液性嚢胞腫瘍、膵神経内分泌腫瘍などの低悪性度膵腫瘍
その他
手術費用はこれまでの腹腔鏡手術と同程度です。病状によっては上記以外の疾患でも適応となりますので、外来にてご相談頂ければ幸いです。

<呼吸器外科>

担当医からのメッセージ
呼吸器外科医長 吉川 拓磨
当院では、手術の9割以上を胸腔鏡手術(3-4センチメートルの創1か所と1センチメートルの創2か所)で行っておりますが、肋骨と肋骨の間(肋間)を切るため、肋間神経を痛めることがあり、術後の痛みの原因になることがあります。ロボット手術は、肋間を痛めることが少ないため、痛みのより少ない手術が可能です。
対象疾患
当院では、肺癌に対する肺葉切除術、縦隔腫瘍に対する腫瘍摘出術、重症筋無力症に対する胸腺摘出術に対してロボット手術を行っております。
その他
縦隔腫瘍に対しては、基本ロボット手術で行っております。肺癌に対しては、症例により最適な手術方法を提案させていただきます。手術の費用は、保険適用となっているため、通常の胸腔鏡手術や開胸手術と同負担となります。ご自分が、ロボット手術の対象となるか詳しい説明が聞きたい方は、ぜひ担当医(吉川)にご相談ください。

<泌尿器科>

担当医からのメッセージ
泌尿器科部長 東 剛司
1.ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除術
ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除術は、根治的前立腺摘除術をロボット支援下に行うものですが、従来の手術に比べてより繊細で、正確な手術を行うことができ、傷が小さく痛みが軽度で、手術後の回復が早い、手術中の出血量が少ない、尿禁制(尿失禁がない状態)を含む機能温存などにおいてより優れていると考えられています。手技的には、腹腔鏡手術と類似の操作をロボット支援下に行います。
2.ロボット支援膀胱全摘除術
ロボット支援膀胱全摘除術(RALC)は、膀胱全摘除をロボット支援下に行うものですが、従来の手術に比べてより繊細で、正確な手術を行うことができ、術中出血量減少、傷が小さく痛みが軽度で、術後早期回復が期待できます。
3.ロボット支援腎部分切除術
ロボット支援腎部分切除術(RAPN)は、腎部分切除をロボット支援下に行うものですが、従来の手術に比べてより繊細で、正確な手術を行うことができ、傷が小さく痛みが軽度で、正確で迅速な腫瘍切除が可能で、切除面の縫合も極めて容易となることから、腫瘍部分を切除する際に行う腎血流遮断時間の短縮につながると考えられています。
対象疾患
前立腺癌 腎細胞癌 膀胱癌

<婦人科>

担当医からのメッセージ
産婦人科部長 谷口 義実、産婦人科医長 中村 浩敬
患者さんによっては手術以外の方法や、手術であっても開腹手術の方が適切な場合もあります。個々の患者さんの病状やご希望を丁寧に伺い、最適な治療法を提供してまいります。その中で手術を選択される場合には、ロボット支援下手術は身体的負担が少なく安全性の高い手術法であると考えております。是非ご相談ください。
対象疾患
子宮体癌、その他子宮腫瘍(子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮頚部異形成 など)
その他
腹腔鏡下手術とロボット支援下手術の両者を行っております。手術方法については担当医とよく相談して決めていきましょう。

よくある質問

<Q1 ダヴィンチ手術は誰でも受けられるのですか。>

手術が必要となる全ての疾患で、ダヴィンチ手術を受けられる訳ではありません。当院では4診療科でダヴィンチ手術を行っていますので、対象疾患については各診療科の取組を御参照ください。なお、患者様の病状や既往歴などにより、適用できない場合があるため、最終的には担当医師と相談して決めることになります。

<Q2 費用は通常の手術より高いのでしょうか。>

基本的には腹腔鏡手術と同額となります。(前立腺癌については、若干高額となります。)
なお、高額療養費制度が適用されるため、自己負担額(食事の費用・自費分は除く)が高額になる場合には、負担をさらに軽減することが可能となります。
(注)疾患の種類や入院期間によって費用は異なりますので、詳細は総合患者支援センターまでご相談ください。

患者・地域サポートセンター・医療福祉相談

<Q3 安全性は確保されているのでしょうか。>

手術はロボット手術に関する十分な教育を受け、手技等に関する知識・経験を有する医師が行います。また、専門教育を受けた看護師や臨床工学技士などから構成されるチームによって患者様をサポートする体制を作り、安全な手術が行われる環境を整備しています。

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写真:手術室