基幹災害拠点病院として、大規模災害時における重症患者の受入体制の確保及び東京DMAT、医療救護班の派遣体制を常時整えています。
東京DMAT
DMAT(Disaster Medical Assistance Team)とは、災害急性期に活動できる医師、看護師、業務調整員から成る医療チームのことで、東京都の災害派遣医療チームである東京DMATは、大震災等の自然災害をはじめ、大規模交通事故等の都市型災害の現場に東京消防庁とともに出動し、適切な応急治療、トリアージ、同乗搬送などの救命処置を行います。被災地での長時間の活動などにも対応できるようにDMATカーも配備されています。
広尾病院は、東京DMAT発足当初からの東京DMAT指定医療機関です。これまで、東日本大震災や伊豆大島土石流災害などに出動し、平成28年の熊本地震においても、当院からDMAT隊を派遣し、熊本赤十字病院において支援活動を行いました。
災害現場への出動以外にも、東京消防庁や自衛隊などとの合同訓練を毎年実施し、技能の維持・向上を図っています。
東京DMAT・NBC特殊災害チーム
東京DMAT隊員の中でも、「NBC災害に対する専門的な知見を有している」「東京消防庁とNBC災害に対する連携訓練を行っている」という要件を満たす医師は、NBC特殊災害チームとしての指定を受けることがあります。
広尾病院は、平成26年の制度発足当初からNBC特殊災害チームとしての指定を受けた医師1名を擁しています(平成30年度末現在、都内5病院で5チーム(医師5名)指定済)。
NBC災害のような特殊なケースにおいても、東京消防庁と連携し、現場での速やかな医療救護活動に関わっていくことが期待されているのです。このため、例年積極的にNBC災害に係る訓練にも参加し、消防等の連携強化や技能の向上に努めています。
当院の主な災害対応・活動実績
年月 | 災害名 | 対応・活動実績 |
---|---|---|
平成7年1月 | 阪神・淡路大震災 | 医療救護班5名 |
平成7年3月 | 地下鉄サリン事件 | 延べ患者 265名 |
平成12年3月 | 日比谷線脱線衝突事故 | 医療救護班 5名 収容患者11名 |
平成12年6月 | 三宅島火山活動 | 医療救護班 5名 |
平成16年11月 | 新潟県中越地震 | 医療救護班4名 |
平成19年6月 | 渋谷温泉施設爆発事故 | 東京DMAT 1隊3名 |
平成19年7月 | 新潟県中越沖地震 | 医療救護班6名 |
平成20年5月 | 四川大地震 | 国際緊急援助隊 医師1名派遣 |
平成20年6月 | 秋葉原無差別殺傷事件 | 東京DMAT 1隊2名 |
平成23年2月 | ニュージーランド地震 | 国際緊急援助隊 医師1名派遣 |
平成23年3月~7月 | 東日本大震災 | 東京DMAT 1隊4名 羽田空港SCU派遣 23名 医療救護班 10班38名 こころのケアチーム 1班2名 東日本大震災における当院の対応 |
平成25年10月~11月 | 伊豆大島土石流災害 | 東京DMAT 1隊4名 医療救護班 1班4名 避難患者受入 15名 |
平成28年 4月~5月 | 熊本地震 | DMAT 1隊4名 医療救救護班 1班7名 |
平成29年9月 | メキシコ地震 | 国際緊急援助隊 医師1名派遣 |
令和元年9月 | 台風15号 | DMAT 1隊3名 |
令和2年2月 | COVID-19 (クルーズ船対応) | DMAT 1隊3名 |
最終更新日:2020年4月1日