Interview & Report インタビュー & レポート
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指導医インタビュー vol.4 <広尾病院 腎臓内科(臨床研修管理委員長) 田島 真人>

自己紹介をお願いいたします。

普段は、広尾病院の腎臓内科および透析室の責任者として仕事をしております。私自身は、いつまでも動いていたい質なので、救急外来対応や新型コロナウイルス感染症対応なども好んで行っています。フレッシュな研修医の先生方の、入職してからの大事な2年間に関われるのは大変光栄なことだと思っていますし、未来ある皆さんに常に刺激を受けています。
 私自身は、20年以上前に研修を受けた身です。私の受けた当時の研修は、現在では考えられませんが、あまり経験もないうちから実戦で鍛え上げるような研修であった気がします。最近の研修体制には、非常に洗練されていて良いなと思う反面、実際に自らが矢面に立ち、あれこれ悩みながら研修をするような面が減ってきている気がします。そういう両方の良い面を経験できるような研修体制が組めたら理想的だなと考えています。

広尾病院はどんな病院ですか?

広尾病院は、東京都の公的医療機関として救急医療、災害医療、島嶼医療を担っています。この三本柱に対応をするため、様々な重症度の高い疾患を扱えるよう病院自体は中規模病院(420床程度)ですが、救命救急センターを持つように比較的重装備な体制があります。『コンパクトだが、重装備』と言ったところかと思います。災害医療に関しては、東京都内にある2つの基幹災害拠点病院のうちの一つです。災害医療に関しての基本的な素養を得るには適した病院といえます。報道されるような災害には、何かしらの形で関わりを持っていることに時々気づかされます。他の病院にはない特色としては島嶼医療があります。島嶼部(伊豆諸島の島々)の医療機関で対応困難な患者さんを、主としてお引き受けする病院です。緊急の場合は、ヘリコプターで患者さんが搬送されますので、他ではあまり経験することができないことを経験できます。希望の方には、一か月の島(小笠原諸島父島、八丈島)の医療機関での研修が可能です。

広尾病院での臨床研修の特徴や魅力について教えてください。

例年の卒業生に評価されているのは、東京ERでの初期対応を身につけることができる点かと思います。上級医と共にER診療に従事し、初期対応を学んで頂きます。ほぼ全ての疾患に対応できるよう当直体制も組まれているため、経験の少ない症例と出会っても手厚いサポートを受けることが可能です。また、診療科同士の垣根が低く、コンサルテーションがしやすいのも当院の魅力の一つです。そのため重症疾患と出会った場合でも、診断から治療に至る過程が非常に迅速に進められます。そのダイナミズムを余すところなく体験して頂けるかと思います。またコンパクトさを生かし、研修プログラムにも柔軟性があります。各科の医師と、顔の見える人間関係を築くことができ、覚えたい手技がある時には、ローテーションでなくとも呼んで貰い指導を受けることができます。

研修医への指導の際、心掛けていることを教えてください。

研修管理委員長として、2年間の当院の研修で、いかに後期研修につなげられる力を身につけられるかを考えています。それぞれの希望がより生かされるよう、皆さんが意見を述べやすいような雰囲気づくりを心がけています。実際の研修においても、まず自分で調べ、考えることが基本ですが、困った時に声をかけやすいような姿勢を心がけています。

新型コロナウイルス感染症対応では、病院として重点的に取り組まれていますが、臨床研修への影響やサポート体制はいかがでしょうか?

当院が新型コロナウイルス対応重点医療機関となったことで、症例数はやはり減っていることは否めません。しかし、今や新型コロナウイルス感染症対応は、どんな病院でも切っても切り離せません。前向きにいかに現環境でよい研修を積めるのかを考えております。
 しかし、実際問題、経験症例数の確保が絶対的に困難な場合は、当院以外での研修を可能にしております。院内で研修を行う場合は、少ない症例経験を、別の形でいかに補うかを考えています。手技経験を補う新たな試みとして、手技当番を設置し、経験する機会を確保することを開始しようと思っています。また、臨床講義という各科医師による定期的なレクチャーがあるのですが、内容を患者初期対応により特化し、研修医の皆さんのニーズにあった内容にしていこうと考えます。また、外部のオンラインレクチャーに積極的に参加するよう促し、それを研修医全体で共有できるような環境づくりをしていこうと考えています。

どのような人に広尾病院へ来てほしいですか?

新型コロナウイルス感染症の件でも分かりますが、今まで予想もしていなかったことが突然降りかかることがあります。今回のように、それが研修環境に影響を及ぼすこともあります。そんな状況下でも、明るさと前向きさを失わないタフな心を持った皆さんと、一緒に仕事が出来ると良いなと思っています。また、他者へのリスペクトが出来る広い心を持った方々も素敵だと思います。

これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

医師として、社会人としての、とても大事な最初の2年間を実り多いものとなるよう、一緒に頑張っていきたいと思っています。是非、当院で一緒に働きましょう!


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