診療内容(消化器内科)

診療内容

上部消化管(食道・胃・十二指腸)疾患

  • 画像強調観察(NBI)を用いた上部消化管内視鏡(経口・経鼻)診断 ※希望時鎮静剤使用
  • 食道異型上皮・食道がんの診断と内視鏡的治療(ESD)
  • 胃腺腫・胃がんの診断と内視鏡的治療(ESD)
  • 十二指腸腺腫・十二指腸がんの診断と内視鏡的治療(ESD)
  • GERD(逆流性食道炎等)の診断と治療
  • 胃炎・胃潰瘍・十二指腸炎・十二指腸潰瘍の診断と治療
  • 出血性胃十二指腸潰瘍に対する内視鏡的止血術
  • ヘリコバクター・ピロリ菌感染の診断と除菌治療
  • 食道・胃静脈瘤の内視鏡的治療(硬化療法・結紮術)

下部消化管(大腸)疾患

  • 下部消化管内視鏡診断 ※希望時鎮静剤使用
  • 大腸がんの診断と内視鏡的治療(ESD)
  • 大腸ポリープ(腺腫)の診断と内視鏡的治療(ポリペクトミー・EMR・ESD)
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の診断と治療
  • 大腸憩室出血・憩室炎の診断と治療
  • 虚血性腸炎の診断と治療
  • 感染性腸炎の診断と治療

肝疾患

  • 超音波検査による肝硬度・肝脂肪量の測定
  • 肝がんの診断と集学的治療(ラジオ波焼灼療法・肝動脈塞栓療法・薬物療法)
  • 肝硬変等による門脈圧亢進症の診断と集学的治療(トルバプタン早期導入・食道胃静脈に対する内視鏡的治療およびバルーン下逆行性経静脈的塞栓術/経皮経肝的門脈塞栓術/部分的脾動脈塞栓術・腹腔静脈シャント造設・腹水穿刺濾過濃縮再静注法)
  • 肝膿瘍の診断と治療
  • 肝嚢胞の診断と治療(嚢胞内容穿刺吸引・オレイン酸モノエタノールアミンを用いた硬化療法)

  • 急性肝炎・急性肝不全の診断と治療
  • B型慢性肝炎の診断と核酸アナログ製剤・インターフェロンによる抗ウイルス療法
  • C型慢性肝炎の診断とDAAによる抗ウイルス療法
  • HIV感染患者のウイルス性肝炎治療
  • 肝炎ワクチン接種(A型・B型) ※自費診療
  • 自己免疫性肝炎(AIH)・原発性胆汁性胆管炎(PBC)の診断と治療
  • 薬剤性肝障害の診断と治療
  • 脂肪肝・NASH・NAFLDの診断と治療
  • アルコール性肝障害の診断と治療 ※アルコール依存症患者は除く
  • 肝移植の相談
  • B型肝炎訴訟に関する書類記入

胆・膵疾患

  • 閉塞性黄疸に対する内視鏡的ステント留置術
  • 急性胆嚢胆管炎に対する各種ドレナージ術(PTCD・PTGBD・ENBD)
  • 総胆管結石の診断と内視鏡的治療(EST・結石除去術・ステント留置術)
  • 胆嚢がん・胆管がんの診断
  • 膵がんの診断
  • IPMN(膵管内乳頭粘液腫瘍)の診断
  • 急性膵炎の診断と治療
  • 慢性膵炎の診断と内科的治療

苦痛の少ない内視鏡検査・治療

内視鏡検査は、患者にやさしい操作を心がけ、希望者には静脈麻酔(ミタゾラム)で眠っていただき苦痛の少ない検査を行っております。消化管出血に対する止血、胆管がん・膵がんによる閉塞性黄疸に対するステント留置、総胆管結石に対する採石、早期食道がん、胃がん、十二指腸がんに対するESD、大腸ポリープや早期大腸がんに対するEMRやESDなど様々な処置も行っております。

医師主導の腹部超音波検査

腹部超音波検査は、開院時より力を入れてきた経緯があり、毎日、医師主導のもと、超音波検査士と検査にあたっております。常に依頼医のニーズを考慮し、臨床の場に即フィードバックできる検査を行っております。2016年からLOGIQ E9(GE)による肝硬度測定が可能となり、2017年からはAplio i800(Cannon 旧東芝)を用いて肝硬度に加え、肝脂肪量も測定可能となりました。昨今増加する脂肪肝やNASH・NAFLDの診療にも役立てられると考えております。Aplio i800を用いた腹部超音波検査については、鈴木が映像情報Medical 2020年5月号(産業開発機構発刊)に『肝臓領域におけるSMI・ATI・SWE・SWDの有用性 -診断価値を高める新しい技術-』と題して執筆しておりますので興味のある方はご覧ください。

多様化する肝疾患診療

肝疾患診療は、肝炎医療コーディネーター3名(医療ソーシャルワーカー・薬剤師・検査技師)をはじめとする様々な職種と連携し、脱落者を出さない診療を心がけております。

土地柄、新宿歌舞伎町は多くの外国人が生活し、当院肝臓外来も約15~20%が外国人患者で、中国、韓国、ミャンマー、台湾、ネパール、ベトナムが多く、各国の医療状況を踏まえた治療を行っております。またMSM (男性間性交渉者)のHIV感染者が多いことも特徴で、MSM間に見られるA型、B型、C型のウイルス性肝炎についても、感染症科と協力して適切な治療・指導を行い蔓延予防に取り組んでおります。

B型肝炎ウイルスは1度体内に感染すると現状体内から完全に排除されることはありません。従来はキャリアや既感染と言われ全くフォローされていなかった方々からの肝硬変進展例や肝がん発症例が散見されます。非活動性キャリアや既感染の方々にも定期的検査を推奨し、治療介入を強化しております。

C型慢性肝炎については、常に最新治療を導入し、患者個々に合った経口薬(DAA)治療を行っております。2022年現在100名を超える患者の治療を行い、治療終了した患者については全員ウイルス排除(SVR)に至っております。半数以上が65歳以上の高齢者で、約10%が80歳以上、最高齢は91歳、いずれも大きな副作用なく治療を完遂し、大半が治療後元気に通院しております。

肝硬変については、集学的治療をモットーに、腹水に対するトルバプタンの早期導入、難治性腹水には透析室と連携した腹水濾過濃縮再静注法(CART)、外科と連携した腹腔静脈シャント(デンバーシャント®)造設も行っております。食道胃静脈瘤については、血行動態を解析し破裂予防の観点だけではなく、門脈の血行を改善することで肝機能を回復させることにも主眼を置き、内視鏡的硬化療法・結紮術は勿論、放射線科と連携したバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)等各種IVRも積極的に行っております。

肝がんについては、手術不能例を中心に経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)、経カテーテル的肝動脈化学塞栓療法(TACE)、薬物療法を行っております。特にTACEは放射線科と連携し、患者個々の状態に応じた治療を選択し、術後管理を充実させることで治療困難例にも取り組んでおります。