診療内容(眼科)

診療内容

白内障手術(乱視矯正・多焦点対応)

当院では丁寧な説明のもと、安心・安全な手術を行っております。裸眼視力向上のため、乱視の強い患者様には乱視矯正用眼内レンズの差額料金をいただくことなく積極的に使用しており、大変ご満足いただいております。ほかにも選定療養費として差額レンズ代の負担が必要になりますが、多焦点眼内レンズも取り扱っておりますのでお気軽にご相談ください。手術日程は通常1泊入院ですが、日帰り手術も可能です。

顕微鏡はZEISS社のLumera700です。最先端の光源システムであるLEDで、視認性がよく手術の安全性に貢献しています。

顕微鏡 ZEISS社Lumera700

● 白内障とは

眼の中のレンズ(水晶体)が濁ってしまう病気です。その濁りのため光が通りにくくなったり、乱反射したりするため見にくさや眩しさを生じさせます。一般的には加齢に伴うものが多いですが、外傷性や薬剤性、全身疾患に伴って生じる場合もあります。

白内障の眼


● 白内障手術の流れ
当院の一般的な白内障手術は小切開超音波乳化吸引術で行います。2.4mmとごく小さな切開創から手術することが可能です。

白内障の手術


● レンズの種類
レンズの種類には単焦点と多焦点レンズがあります。
単焦点レンズはピントが一か所にしか合いませんが、多焦点レンズは複数個所にピントが合うレンズです。
多焦点レンズに関しては選定療養費として差額のレンズ代のご負担が必要になります。

単焦点レンズ
多焦点レンズ

多焦点レンズ

必ず眼鏡が不要になるレンズではありません眼鏡が不要になる可能があるレンズですが適応やデメリットもありますので担当医とよくご相談ください。

金額の一例
2焦点
 AMO社製  テクニスシンフォニーオプティブルー 片眼132,000円(税込)
3焦点
 AMO社製  テクニスシナジー オプティブルー   片眼220,000円(税込)
 Alcon社製 アクリソフIQ パンオプティクス   片眼220,000円(税込)

乱視用レンズの場合には別途追加費用が必要です。

● 多焦点レンズのデメリット
夜間のハローとグレアがあります。
ハローは光のまわりに輪がかかってみえる、グレアは光がギラつきまぶしく感じるというものです。時間の経過とともに気にならなく方が多いですが、夜間の運転を行う方には適さない場合もあります。

通常の見え方
ハロー、グレアの見え方

糖尿病網膜症

糖尿病によって目の中の細い血管が傷つき、目の中の血流が悪くなることで、眼底出血や難治性の網膜剥離、緑内障を引き起こす怖い病気です。ひどくなるまで自覚症状がありませんので、気付かず放置しているとうっかり失明してしまう怖い疾患です。糖尿病におかかりの方は、自覚症状がなくてもチェックのためにぜひ当科を受診してください。日本における中途失明の第2位が糖尿病網膜症です、以前より順位が上がっており定期的な通院が推奨されています。


当院では眼底検査のほか、3次元眼底解析装置(OCT)及び光干渉断層血管撮影(OCT-A)で網膜を細かく観察し、造影剤を用いなくても網膜血管が観察可能となります。それらの結果で重症な網膜症が疑われる場合には蛍光眼底造影検査にて網膜症の進行度を評価いたします。血管造影検査においても広角カメラを用いることで、患者さんの注視に左右されることなく広範囲の網膜を同時に撮影することが出来る最先端のカメラを用いております。

Topcon社製OCT Triton
正常眼のOCT-A 網膜の血管が観察できます
黒く抜けているところが血流が悪くなっているところです。
NIDEK社製広角カメラ Mirante
眼底写真
通常の眼底カメラでは約50度の範囲の撮影しかできませんでした。広範囲を撮影するためには、患者さんに左右上下を向いてもらい繋ぎ合わせることが必要でした。それが最新の広角カメラであれば一度に約160度の範囲を撮影することが可能になりました。

治療は網膜のレーザー治療や局所薬物注射、必要な方には硝子体手術を行います。
当院には最新のパターンスキャンレーザーが導入されており、従来より短時間でより痛みの少ない治療を行うことが可能です。

NIDEK社製 MC-500

緑内障

目の中の神経が障害されることで視野が狭くなり、高度に進行すれば失明にいたる疾患です。日本人では70歳以上の10人に1人が緑内障と言われています。初期には自覚症状がほとんどありませんので、早期発見、早期治療開始が大変重要です。当院では視野検査のほか、3次元眼底解析装置による極早期の発見や進行度の判定も可能です。緑内障では点眼治療の継続と定期的な視野検査が大切です。必要に応じて、レーザー治療や手術も当院で行うことができます。

網膜前膜(黄斑上膜)、黄斑円孔

「物がゆがんで見える」という症状は目の奥にある網膜の病気のサインである場合があります。網膜前膜、黄斑上膜という疾患は網膜の物を見る中心部(=黄斑)に不要な膜ができて、視界がゆがんだり、視力が落ちたりする疾患です。手術により膜を取り除くと、ゆがみがなくなり、視力の回復が期待できます。黄斑円孔は黄斑に穴があく疾患で、視野の中心が暗くぬけて見えます。硝子体手術以外に治療法はありません。当院では、熟練した医師による手術を受けることができます。

加齢黄斑変性(ルセンティス・アイリーア・ベオビュ)

加齢黄斑変性は近年日本人の発症率が上昇している疾患です。網膜の物を見る中心部(=黄斑)に異常な血管が生じることでゆがみや視力低下を引き起こす疾患です。視野のど真ん中、ちょうど見たいところが見えくいというつらい症状が出ます。2009年に抗VEGF抗体が承認され眼球内に注射できるようになり、症状の改善が望めるようになってきました。当院では蛍光眼底造影検査を行い治療の適応を見極めた上で安全を考慮して手術室で注射を行っております。

網膜(中心・分枝)静脈閉塞症

網膜の静脈が詰まることによって、眼底出血や網膜のむくみをきたす疾患です。動脈硬化が原因のことが多く、急に視力が落ちたり、物が歪んで見えたりします。治療には抗VEGF抗体の硝子体内注射や網膜のレーザー治療を行います。それでも視力回復がおもわしくない場合は、硝子体手術を選択する場合もあります。多くの選択肢からその方に合った治療法を選んでいきます。

眼瞼内反症、睫毛乱生症、眼瞼下垂

眼瞼内反症とは、まぶたが内側に向いて、睫毛(まつげ)が角膜に触る病気です。睫毛乱生症とは、睫毛の方向が悪く、眼に触る病気です。どちらも角膜に傷ができるので手術で治すことをお勧めします。眼瞼下垂は重症筋無力症など全身疾患からくるものもありますが、加齢からくるものが多く、視界が狭くなりうっとうしいものです。まぶたを上げる手術を行っておりますので、ぜひご相談ください。