2022年度第14回緩和ケアチーム主催症例検討会アンケート結果
「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の理想と現実~今、私たちにできること~」
参加者合計 68名 (4階会議室17名、ZOOM参加51名)
日時:2月10日(金)18時~19時
有効回答数 19名
注目情報研修満足度
- 注目情報ACPに関する地域連携についてご意見
・病院スタッフと話合いの機会をもって連携していけたらいいと思う。
・入院中などの方の場合はこうして病院のスタッフのかかわりがあるが、在宅で認知症の方などの場合、その上家族のかかわりが薄い場合など、ACPをどのように進めていけばいいのか、非常に悩ましいところです。
・介護職の方がACPにどう関わるかは大事であると同時に課題であると感じた。
・研修内でも話されていた共通ツールがあるとよい
・利用者家族が何を大事にして最期過ごしていきたいか、病院サイドがそこまで深掘りしているケースばかりでは無いのが残念です。関係性を引き継ぐ在宅としては、そこまでして頂いていると患者さん側も安心でしょう
・どのような取り組みが必要か自部署内や、病院全体で共有できたら良いと思いました。また今日の研修を地域の方がどのように聞かれたかも気になりました。
・訪問看護をしています。独居で身寄りがない方のACPを訪問診療やケアマネと共有することが難しい。何があっても自宅で死にたいという本人の意思はあるが状態が悪化して本人が話せなくなってしまった時搬送を指示する医師もいます。訪問看護師として呼吸状態の悪化を見ていることはとても辛く葛藤することもあります。少しずつですが訪問診療の医師とACPについて連携をとるようにしていますが、精神や認知症の独居で身寄りがない方はとても難しいと感じています。
・ケアマネの立場からすると、ACPは漠然とした概念だと捉えてしまいます。もう少しACPについて事例検討が進み、浸透すれば違うとは思います。看取りや元気な時から自身のエンディング環境をどこにするかについての話し合いと直前での変更の可能もあることを前提としての関係者間での取り 決め・結論ではないかと理解しています。
・地域の医療機関とACPについて共有することがありませんでした。自宅で過ごしたいと希望があるので、退院調整をお願いしたいと依頼がきます。
・先日初めてACPについて研修を受けました。自分が病気になった時のことなど事前に家族と話し合っておくことは必要だと思いますが、やはり家族に迷惑を掛けたくないと思う為に最後は病院でと考えるのかと思います。私はケアマネですが、医療と介護の連携はまだまだ難しいことがあると思います。医療側から考えてケアマネに対してどのようなことをしてほしいと考えいらっしゃいますか? 事例検討は大変勉強になりました。ありがとうございました。
・私達ケアマネージャーも、ACPについては学びを深めているところです。 ご自宅に帰りたい、という思いは、是非叶えて差し上げたいと思います。 急な対応でも、一緒に考えていきますので、是非、お声がけください。
・退院時に病院で行われたACPの様子や情報を教えてほしいと思う。本人や家族の思いに添えるような支援を連携してしたいですね。
・入院時に、記載可能な患者にACPに関する内容(アンケート)をとるのはどうでしょうか?入院時、退院以外、治療途中などタイミングで取るといいかもと思いました
・病院で在宅調整し退院した患者さんが、その後どのように自宅で過ごしていたのか、入院中にもっとこんなことをしておくとよかったなどのフィードバックが出来る機会があるといいなと思います。
・葛飾区のケアマネです。透析拒否で心肺蘇生拒否してきた利用者が亡くなりました。医療関係者のジレンマのケアやまた介護者との意識の乖離を埋めるのはどうしたら良いでしょうか。
・先を見据えた意思決定支援ができるよう、医療機関と地域の多職種が情報共有できる関係つくりやシステムが必要と感じました。
・患者を人として尊重し、日常の関わりの大切さを共有できる医師と一緒に働けることを嬉しく思いました
・末期のがん患者さんが治療を終えて在宅に戻る際の、病院側の医師と在宅で看取りケアを行う医師や看護師、事業所間での「退院時点での」患者へのICや緩和に関する説明と本人・家族の受けとめを事前に共有しておきたいと思います。
注目情報今後の東部地域病院緩和ケアチームで主催する研修希望や自由意見
・続ACPをお願いいたします。
・先ほど認知症の対応をされている看護師さんのお話がありましたが、上記についてもぜひお話を伺いたいです。
・柴田さんのお話にあったような、込み入ったケースをどのようにほぐしていったかのコツ、最後に松崎さんから投げかけがあったような、あの部分をもっと掘り下げて聞きたいです。
・ACPについてまた計画していただきたいです
・独居の方の自宅での看取りACP
・東部地域病院に限らず、大規模病院でのカンファレンスに招集されケアプランと会議録の提出を求められますが、その後の病院からのフィードバックはなされません。相互の意思の交換が欠如しているように感じられます。特に在宅に戻された患者(ご利用者)を全面的に受け止める立場からすると如何なものかと感じたりします。
・普段は病院さんの意見や想いを、在宅で利用者さまと話す機会には、「病院で○○みたいなことを言われてしまったのよ」などと聞くことが多いので、これからは、病院のスタッフさんたちは、こんなに考えています。などと伝えることができそうです。
・今日の症例のような本人、家族の意向にずれがある時に、退院前にこれだけのI.Cを行い、代弁を繰り返し意思決定支援を行っているということを知りとても感動しました。在宅でケアマネとして関わる際に、是非、地域連携をしていただきたいと思いました。
・ACPについての研修があったらもう少し詳しく学びたいです。
・医療と介護で、顔の見える関係性を築いていきたいと思います。
・ACPのテンプレートがあるとそれに則って新人でも聴取できるのではないかと思います。ICの前中後の家族患者の心境の変化の記載はやっていきたいと思いました
東部地域病院としての回答
先日の症例検討会では、医師、看護師、介護士、ケアマネージャーなどたくさんの医療職・介護職の方々に参加していただきありがとうございました。
いただいたアンケートから、参加された皆様のACPに対する関心の高さや、認知症ある高齢者や、独居の方の自宅での看取りなど実際現場で困っていることが沢山あると改めて知ることが出来ました。
アンケート結果を踏まえ検討会を振り返り、医療関係者のジレンマに対するケア、医療者と介護者との意識の乖離、ケアマネに対しての要望、病院スタッフと地域との連携、医療機関と地域の多職種が情報共有できるシステムつくりなど、たくさんの課題が挙がりました。地域とのACP共通ツールについては、病院で実践したACPの情報共有を図るための「わたしの思い手帳」活用などを検討し、システム構築に向けて検討していきたいと思います。
ACPは地域の皆様との連携があってこそ実践できるものです。システム構築がされなくても入院中に知った患者さんの価値観や大切にしていることを退院前カンファレンスなどで地域の皆様に伝えていくことはできると思います。日常的な関わりやひとりの人として関心を寄せ続けることの重要性を認識できるような取り組みも同時に行いながら、ACP実践の足がかりをつかんでいきたいと思います。
その他に頂いたご意見に対しては、要望にも多くあったACPの研修として、今後も続編を企画し実際の困難事例などの検討や意思決定支援など、地域のみなさまと一緒に考えていきたいと思います。意思決定支援についてなど認定看護師への具体的ご質問は専用メール(tobu_nintei.ns(at)tokyo-hmt.jp)もぜひご活用下さい。
療養の場によって、その人の思いを支える多職種が、その人らしい生き方を継続的に支えることができるよう、私たち、東部地域病院は、地域医療支援病院として地域のみなさまと積極的な連携を図りながら、「地域とつなぐACP」を推進してまいりたいと思います。
沢山のご意見だけでなく、みなさまからの温かいご支援のお言葉をいただきありがとうございました。
東部地域病院 緩和ケアチーム
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