広尾病院は「島しょ医療」を病院の重点事業の一つとして掲げており、東京都へき地医療支援体制における島しょ医療基幹病院として、伊豆諸島及び小笠原諸島の医療充実のため、救急患者受入、画像伝送システムによる遠隔診療支援、医師派遣等を行っています。
当院と島しょ地域の繋がりは、1950年代の巡回診療への参加に遡るとされています。
これまでに築いた深い関係性のもと、東京都の島しょ医療において中心的な役割を果たしています。
島しょ患者の受け入れ
島しょ救急
広尾病院は昭和44年に行政ヘリコプター受入病院に指定され、昭和55年10月の全面改築からは屋上ヘリポートを併設し、島しょ地域におけるヘリコプターによる救急搬送を受入れしています。
島しょ医療の中核として、島しょ地域の救急患者の約8割を受け入れています。屋上ヘリポートは24時間運用しており、常時島しょからの重篤患者の搬送受入体制をとっています。
遠隔診療支援
広尾病院では、島しょ地域の診療所及び病院における診療活動を支援するため、「島しょ医療画像伝送システム」を活用して読影診断やコンサルテーションなどの診療支援を行っています。
また、令和5年3月からは5G回線を利用し、高精細の動画のやり取りのもとリアルタイムで助言等の診療支援を行う取り組みを開始しました。また、WEB会議システムを活用し、島しょ医療機関と症例検討や情報交換等を積極的に行っています。
遠隔読影システム
島しょ地域の診療所及び病院で撮影されたX線写真、CT、MRI画像等は、「画像伝送システム」を経由して広尾病院と共有することができます。共有された画像は当院の専門医が確認し、緊急搬送要否の助言や読影診断をはじめ、専門的なコンサルテーションを行っています。

5G回線を活用したリアルタイム診療支援
令和5年3月より、5G回線を活用した診療支援の取組みを開始しました。
従来は「画像伝送システム」によるX線やCT等の静止画像による診療支援が中心でしたが、5G回線の活用によりリアルタイムでエコー等の高精細の動画の送受信と確認、助言等の診療支援が可能となりました。

Webカンファレンス、オンライン研修等の実施
ウェブ会議機能を活用し、島しょ地域の診療所および病院との症例検討や情報交換をを行っています。近年では、医師や看護師のみならず島しょ地域の行政担当者やケアマネジャーなどの介護スタッフを交えた多職種での退院時カンファレンスや、オンライン研修・勉強会や講演会等、広範に活用しています。

島しょ医療研究会
島しょ医療研究会は、第1回を平成20年10月3日に開催して以降、年1回、島しょに関する、医療に囚われないあらゆる課題を検討し、その成果を発表する場として年1回開催しています。医療職のみならず東京消防庁の職員、行政職、住民の方々、研究者など、島しょ医療に興味、関心をお持ちの方であれば、どなたでも参加できます。
島しょで発生する救急患者の約8割は当院に搬送され、医師がヘリに搭乗し島しょに向かう必要のある患者さんは、年間100件近くにのぼります。そのため、島しょの医療機関に勤務する医師との緊密な医療連携が必要になります。連携は個人ベースになってしまいがちですが、島しょ医療を円滑に進めるためには、お互いに顔の見える連携が必要と思います。
今後も当院が中心となって「島しょ医療研究会」を運営し、島しょ医療の発展に貢献していきたいと思います。
島しょ医療研究会誌
第20回島しょ医療研究会誌(令和6年11月29日開催)(PDF 3.7MB)
第19回島医療研究会誌(令和5年11月24日開催)(PDF 2.7MB)

島しょ医療に関わる職員からのメッセージ

東京都には島しょ地域があることをご存じでしょうか?
伊豆諸島や小笠原諸島があり、広くは南鳥島や沖ノ鳥島も小笠原村の所管となっています。
そこには現在、約2万人が生活をしています。人が生活するには、医療の存在が不可欠です。それぞれの有人離島には医療機関があり、普段の生活に密着した医療を提供いただいています。
しかし、時に専門的な判断や治療を要することもあります。
広尾病院は島しょ地域の基幹病院として、島しょ地域の医療機関と住人の皆様を支え、これからも安心して生活できるよう努めてまいります。
島の医療を支える思いのある方、ぜひ我々とともに活動しませんか?

自治医科大学を卒業し、島しょ地域で4年ほど勤務をしていました。
プライマリ・ケアの経験にとどまらず、その後は専門性を高めて整形外科医、脊椎外科医として島しょ地域の皆様の入院の受入れを行っているほか、整形外科の専門診療を行うために年に数回、島しょ地域を訪問しています。
遠隔診療など専門性を活かして島しょ医療の最前線の現場を支えつつ、地域医療の仕組みづくりにまで深く関与できる、そんな確かな手ごたえと成長があります。
新しい島しょ医療の形を作り上げていきませんか。



最終更新日:2026年8月26日

