
自覚症状

診断方法
悪性腫瘍は、早期に発見されるほど治癒が期待できます。便潜血検査は、目に見えないわずかな出血を調べる検査で、大腸がんを早い段階で見つけるために広く行われています。大腸がんは早期から出血することがあるため、便中の血液を調べることで早期発見につながります。

病期(ステージ)
大腸がんには早期のものから進行したものまであり、これを病期(ステージ)といいます。病期は、がんが大腸の壁にどの程度深く入り込んでいるか、リンパ節転移の有無、さらに肝臓や肺など他の臓器への転移の有無を総合して決定されます。
病期の診断には、腹部CT検査、腹部超音波検査、レントゲン検査などを行います。大腸がんの病期は0期からⅣ期までに分類されており、大腸がん治療ガイドラインに基づいて病期ごとに適切な治療法が選択されます。
治療方法
1.大腸内視鏡による切除
早期の大腸がんの中には、内視鏡による切除のみで治癒が期待できるものがあります。ただし、リンパ節転移の可能性がある場合には、一般的に外科手術が勧められます。全身状態や年齢などを考慮し、内視鏡治療のみで経過をみることもあります。手術が必要な場合でも、病変の部位によっては低侵襲手術を行うことで、身体への負担を軽減することが可能です。
2.手術
(1)低侵襲手術
低侵襲手術とは、できるだけ体への負担を少なくすることを目的とした手術方法の総称です。開腹手術に比べて切開創が小さく、術後の痛みが軽減され、回復が早いといった利点があります。大腸がんに対して、当院ではロボット支援手術を低侵襲手術として積極的に行っています。
ロボット支援大腸切除術手術
ロボット支援大腸切除術は、腹腔鏡手術をさらに発展させた、体への負担が少ない手術方法です。手術支援ロボットを用い、医師がロボットアームを操作して手術を行います。手ぶれが少なく、細かく動かせる器具を使うことで、より丁寧で安定した手術が可能となります。当院では、ロボット手術に関する専門的な研修を受けた医師が安全に十分配慮して手術を行っています。特に、骨盤内などの狭い場所で細かな操作が必要となる直腸がんの手術において役立つとされています。
ただし、すべての患者様に適しているわけではありません。がんの場所や進み具合、患者様の体の状態などを総合的に考え、腹腔鏡手術や開腹手術も含めて、一人ひとりに最も適した手術方法を選択しています。
腹腔鏡下大腸切除術
腹腔鏡下大腸切除術は、ロボット支援手術の適応とならない症例に対して行う低侵襲手術です。腹部に小さな孔をあけて手術を行い、身体への負担を抑えながら安全に大腸がんおよびリンパ節を切除します。
(2)開腹大腸切除術
開腹大腸切除術は、低侵襲手術が適さない場合や、緊急の対応が必要な場合に選択される手術方法です。腹部を大きく切開するため、低侵襲手術に比べると傷は大きくなり、体への負担もやや大きくなる傾向があります。
(3)人工肛門造設術
腫瘍が肛門に近い場合や、腸管吻合の安全性が確保できない場合などには、人工肛門造設が必要となることがあります。人工肛門には永久的なものと一時的なものがあり、一時的な人工肛門は後に閉鎖して元の肛門から排便できるようになります。患者様の生活の質を重視し、十分にご相談したうえで術式を決定します。
入院期間と外来通院
術後の入院期間は患者様の状態や術式によって異なりますが、経過に問題がなければ、一般に1~2週間程度で退院となります。術式や術後経過によっては、1か月程度の入院を要する場合もあります。退院後は、腹部症状や再発の有無を確認するため、原則として5年間の外来通院が必要となります。
手術所見および病理診断の結果により、病期Ⅱの一部および病期Ⅲと診断された患者様のうち、主要臓器の機能が良好に保たれている場合には、抗がん剤による術後補助化学療法を行うことが標準治療とされています。
再発した場合の治療
吻合部や肝臓、肺などに再発や転移がみられた場合でも、手術によって治癒が期待できることがあります。一方で、手術が難しい場合は、抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などを用いた化学療法を中心に、病状に応じて放射線治療などを組み合わせた治療が行われることもあります。再発時の治療方針は、がんの広がりや患者様の体の状態を総合的に判断し、一人ひとりに合った方法を話し合いながら決定していきます。
お問い合せ先
当院では、平日の日中は常に、外科医、消化器内科医が外来で診療しておりますので、迅速に対応いたします。また、急病の場合には365日24時間救急外来までご連絡ください。
他院からのご紹介の場合には診療情報提供書(紹介状)をご持参いただきますようお願いいたします。(当院を初めて受診される方は初診の方をご覧ください。)
最終更新日:2026年3月13日

