胃がん

胃の3Dイメージ
胃がんは日本人に多いがんで、年間約12万人が新たに胃がんと診断されています。一方で診断・治療の発展にともない5年生存率も60~70%まで上がってきました。

自覚症状

初期の段階では自覚症状はほぼなく、かなり進行しても症状がない場合があります。主な症状は、胃の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などです。また、がんから出血することによって、貧血や、黒い便(タール便)が出ることもあります。食事がつかえる、体重が減る、といった症状が出ると進行している可能性が出てきます。

診断方法

最初の検査としては、胃カメラ(内視鏡検査)やバリウム検査が一般的です。最終的には内視鏡で組織を生検する(一部削り取って顕微鏡で検査する)ことによって確定診断します。

病期(ステージ)と治療方針

胃がんの治療は、進行度(ステージ)によって決まります。進行度は、進達度(腫瘍の深さ)、リンパ節転移の有無、遠隔転移(肝臓、肺、腹膜など胃からはなれたところへの転移)の有無をから総合的に判断します。内視鏡やCT腹部エコー検査にてリンパ節転移、遠隔転移を評価して進行度(ステージI~Ⅳ)を診断し、胃癌治療ガイドラインに基づき、治療方針を決定します。ステージI~Ⅲであれば、切除手術を行いますが、ステージⅣであった場合は、基本的には抗がん剤治療(化学療法)の適応となります。化学療法によってがんがすべて取り切れる状態になった場合には、手術を検討します。

切除方法

1.内視鏡的切除

早期の胃がんであれば、消化器内科と協力して内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD)を行っております。内視鏡治療では胃の大きさはほとんど変わらないため、食事量が減ることもなく、術後のQOL(生活の質)が保たれます。また入院期間も短く、1週間程度で退院できます。

2.外科的切除(手術)

胃切除の方法には、幽門側胃切除(下2/3の切除)、噴門側胃切除(上1/2の切除)、胃全摘(胃を全て切除)があります(図1)。病変の部位、深達度などにより切除範囲を決定します。当院では低侵襲手術として、腹腔鏡下胃切除術を積極的に行っておりますが、周辺の臓器にがんが浸潤して同時に切除する必要がある場合には、開腹にて行います。

図1 胃切除の方法

胃を切除した後は、食物や消化液の通り道を確保するために、食道や残った胃、小腸をつなぎ合わせる必要があります。(図2 再建)。切除後の状態を考慮して最も適切と考えられる再建方法を選択しています。

図2 再建方法

入院期間と外来通院

通常、術後1~2週で退院可能となります。退院後は外来で切除した胃がんの病理結果(顕微鏡検査)をふまえた再発の予防ための抗がん剤による補助化学療法を6ヵ月~1年程度行うこともあります。それとは別に転移再発の出現をチェックするため、5年間外来通で検査をしていくことになります。

再発した場合の治療

再発や転移がみられた場合、手術によって治癒が期待できる場合には手術を検討します。一方、手術が難しい場合は、抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などを用いた化学療法が治療の中心となります。

お問い合せ先

速やかに検査(胃カメラ)を受けることが大切です。胃がんやまだ診断のついていない胃の腫瘍、あるいは吐下血症状のある/なしにかかわらず、検診や検査の結果の精査など目的は問いません。消化器内科、外科を問わず外来までお気軽にお問い合わせください。

他院からのご紹介の場合には診療情報提供書(紹介状)をご持参いただきますようお願いいたします。(当院を初めて受診される方は初診の方をご覧ください。)

最終更新日:2026年4月7日