膵臓がん診療

膵臓がん 3Dイメージ

膵臓がんとは膵臓から発生した悪性の腫瘍のことを指しますが、一般には膵管がんのことをいいます。膵管がんは膵管上皮(膵導管細胞)から発生し、膵臓にできる腫瘍性病変の80~90%を占めています。日本では膵癌の死亡者数はこの40年で5倍以上に増加し、2023年には年間の死亡者数が40,000人を超えて、がんの種類別死亡者数では胃がんを抜いて3位になりました。60歳代の方に多く、やや男性に多く発症します。喫煙、膵がんの家族歴、糖尿病、慢性膵炎などとの関連が指摘されています。

症状

膵がんの初発症状としては、腹痛、横断、腰背部痛、食欲不振、体重減少が代表的です。しかし、こうした症状をきたすのは、病状が進行してからであり、早期診断に結びつきにくいです。また黄疸以外は特異的な症状ではないため、発見時には根治的治療ができないケースも少なくありません。最近では糖尿病の悪化をきっかけに行った、画像検査で比較的早い段階で膵がんと診断されるケースも見られています。

検査

初期のスクリーニング検査として超音波検査やCTを行い、腫瘤の有無を調べます。CTでは同時に肺や肝臓などの他の臓器に膵がんが転移していないか調べることができます。MRIはCTと似たような画像を得ることが出来ますが、MRCPという撮影方法では胆管や膵管の描出に優れており、以前は内視鏡的逆行性膵管造影(ERCP)を行わなければ得られなかった膵がんによる胆管や膵管の圧迫の有無を、より低侵襲に診断することが出来ます。超音波内視鏡検査(EUS)は、内視鏡の先端に高解像度の超音波を搭載した装置で、胃や十二指腸の壁に近接して膵臓を観察することができるため、CTやMRIでは発見が難しい小さな膵腫瘍を検出することが可能となります。ERCPやEUSによって組織を採取し、顕微鏡で癌細胞の有無を確認し、確定診断を行います。がんがあると血液中の腫瘍マーカーという物質が上昇することがあります。膵がんが疑われた場合には、CEA, CA19-9, DUPAN-II, エラスターゼIなどの腫瘍マーカーを測定しますが、特異的ではないため、他の疾患でも上昇することがあります。

治療

治療は、膵がんの進行度や状態により異なります。手術は最も根治的であり唯一長期予後が期待できる治療方法です。術式は膵臓がんの占拠部位によって決まります。膵頭部がんに対しては、膵頭十二指腸切除術を、膵体尾部がんに対しては膵体尾部切除術を、膵全体に広がっているがんの場合は膵全摘術を行います。
膵臓がんは手強い病気です。手術でがんが根治出来た場合でも、再発をきたし長期生存が得られないケースも少なくありません。手術に加えて術後化学療法(再発予防の抗がん剤治療)も組み合わせることで、術後生存期間の延長が報告されています。
手術で取りきれる範囲を越えて膵がんが広がっている場合は、手術よりも放射線療法や化学療法の方が第一選択になります。
切除不能な局所進行膵がん(隣接する重要血管へのがん浸潤があるケースなど)では放射線療法を行います。肝臓、肺など遠隔臓器への転移や腹膜播種を認める場合には全身化学療法を行います。従来行われてきた、ゲムシタビンやS-1に加えて、新規の薬剤も増え、治療の選択肢に含まれるようになってきています。

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最終更新日:2026年3月13日