お子さんの頭の形が気になったことはありますか?
赤ちゃんの頭の形外来では、
向きぐせによる赤ちゃんの頭の形のゆがみに対するヘルメット治療を行います。
赤ちゃんの頭の形のゆがみは、多くの場合、向きぐせによるものです。赤ちゃんの頭は生後ぐんぐん大きくなりますが、常に床面に接地している部分は成長が妨げられ平らになります。平らな面を下に寝ると安定するため、さらにその方向を向いて寝やすくなります。この間、頭は平らになった面と平行の方向に成長するため、徐々に頭の形がゆがんでいきます。このように、一定の向きに長時間寝ることで頭の形がゆがむことを、「位置的頭蓋変形症」と呼びます。
代表的な頭のゆがみは「斜頭症」で、頭頂部から見ると頭の形が平行四辺形に見えます。「短頭症」(“絶壁”と表現されることが多い)は、真上を向いて寝る時間が長い赤ちゃんに見られます。

位置的頭蓋変形症は、日本では、「寝返りするようになれば自然に治る」「髪が生えれば気にならなくなる」と言われ、治療の対象になってきませんでした。一方、米国では1980年代から頭蓋変形に対するヘルメット治療が行われてきました。
日本でも、位置的頭蓋変形症に対して2010年代からヘルメット治療が徐々に取り入れられるようになり、軽量で、湿度の高い日本の気候にあった日本製のヘルメットも開発されるようになりました。街中でもカラフルなヘルメットをかぶっているお子さんを見かけたことがあるかもしれません。
<ヘルメット治療の原理>
ヘルメット治療は、赤ちゃんの頭を圧迫して、理想の形に「押し込める」ものではありません。赤ちゃんの頭が成長することを活かして、床面に接地する時間が長く、平らになってしまっている部分(=成長が妨げられている部分)を除圧して成長を促し、先に成長が進んでいる部分については、その間成長を待機させるものです。

<赤ちゃんの頭の形外来の流れ>
注目情報診断
まず、頭蓋骨早期癒合症などの疾患でないかを診察や画像検査で確認します(疾患の可能性がある場合は、さらに詳しい検査を行ったり、適切な診療科・医療機関にご紹介します)。また、赤ちゃんの頭の形は親御さんからすると大変気になるものですが、ヘルメット治療をした方がよい程度のゆがみかどうかを判断します。ここまでは、保険診療で行います。
注目情報発注
ヘルメット治療の適応があり、保護者が治療を希望する場合は、ヘルメットの作成を行います。ヘルメットの注文以後は、自費診療となります。
ヘルメットは赤ちゃんお一人お一人にオーダーメイドで作成されます。
当院では、Berry社製のbaby band(医療機器承認番号30500BZX00071000)を使用します。
ヘルメット詳細(外部リンク)
注目情報装着・外来通院
発注から10日から2週間程度でヘルメットが出来上がります。外来でフィッティング(装着)をして、以後、1ヶ月に1回程度の外来通院をしていただきます。治療開始は生後4ヶ月から生後6ヶ月までには開始することが望ましく、治療期間はおおよそ2ヶ月~6ヶ月です。より遅い月齢で治療を始めることはできますが、治療期間は長くなり、また、生後9ヶ月をすぎると効果は限定的となります。
赤ちゃんの頭の形外来は毎週火曜日の午後に完全予約制で行っています。
かかりつけの先生から、「赤ちゃんの頭の形外来」あての紹介状を書いてもらってください。
(紹介状なしでも予約・受診は可能です。受診までに紹介状がない場合は、選定療養費7,000円が別途かかりますのでご了承ください。)
ヘルメット治療について話を聞いてみたい、まだやるかどうか決めていない、という方もどうぞご遠慮なくご相談ください。
最終更新:2025年6月3日