早期がんマーカーとしてのジアセチルスペルミンに関する特許実施許諾契約を締結(2017年06月12日)

2017年06月12日

公益財団法人東京都医学総合研究所(理事長:田中啓二)、東京都(知事:小池百合子)、株式会社トランスジェニック(代表取締役社長:福永健司、福岡市)及び株式会社シー・アール・シー(代表取締役:江川 洋、福岡市)(以下「4者」)は、株式会社テクノメディカ(代表取締役社長:實吉政知、横浜市)(以下、「テクノメディカ」)との間で、4者間で共有する早期がんマーカーとしてのジアセチルスペルミンに関する特許実施許諾契約を締結しましたので、お知らせいたします。
本契約に伴い、テクノメディカは、日本国内において早期がんマーカーとしてのジアセチルスペルミンを用いたがん診断システムの開発及び実用化に関する権利を取得します。

ジアセチルスペルミンは、ヒトの体内に存在するポリアミンと総称される物質の一種で、その尿中排泄量とがんとの関連性が特に高く、既存腫瘍マーカーに比べて早期がんのマーカーとして有用とされており、4者は国内特許を共有しています。
また、平成27年度からは東京都の特別研究の一環として、公益財団法人東京都医学総合研究所と東京都(東京都立駒込病院)にテクノメディカを加えた3者は、イムノクロマト法(※1)によりジアセチルスペルミンを測定するデバイスの開発とその臨床性能評価の共同研究を行いました。
このたび、テクノメディカが開発するがん診断システムにより、簡便かつ低侵襲な検査が可能となり、検査率の更なる向上が期待されるため、本契約の締結に至りました。

がん罹患者数は1985年以降増加し2016年がん罹患数予測では年間100万例、死亡数予測は年間37万人に達し、死亡原因においても第1位を占めています(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター)。がんを早期に発見し、適切な治療を行うことでがんによる死亡を減少させることから、簡便迅速ながん診断システムが待ち望まれています。
4者とテクノメディカは、本契約を通じて、がんの早期発見によるがん死亡者数の減少を目指し、人々の健康により一層貢献してまいります。

  • イムノクロマト法
    抗原抗体反応を利用した免疫法で、検体中の抗原が標識された抗体と免疫複合体を形成し、その呈色の有無を目視で確認する測定方法です。妊娠診断薬やインフルエンザ等で応用されています。

2017年度