脳出血について

脳出血とは?

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脳の中の細い血管が破れて出血し、神経細胞を壊します。日中、活動しているときに生じることが多く、頭痛、半身マヒ、意識障害などを来たします。

脳出血の原因

脳出血は原因の大部分は動脈硬化による脳血管の破綻です。高血圧や加齢により脳の血管が弱くなり、血管が破れて起こります。好発部位は被殻、視床、小脳、脳幹部などです。ほかの原因として脳動静脈奇形、海綿状血管腫などの脳血管異常や脳腫瘍などのため脳出血を来たすことがあります。

脳出血の症状

脳出血の部位や範囲によって症状は様々ですが、半身の麻痺(力が入ならい)や感覚障害(しびれなど)、言語障害(言葉が出にくい、呂律が回らないなど)、嚥下障害(食べ物が飲み込めない)などが主体です。重症の場合には意識障害が見られ、死に至ることもあります。

脳出血の検査

脳出血の診断には、頭部のCTもしくはMRIを行います。MRIでは脳血管の状態も大まかに検査することができます。脳血管の異常が疑われた場合には、さらに脳血管撮影という検査が必要になることがあります。これはカテーテル(細い管)を動脈に挿入して脳血管を直接写し出す検査です。その他、入院時には血液検査や心電図などを行います。

脳出血の急性期治療:(およそ1~2週間)

脳内の出血は通常、数分で止まります。しかし、血圧が高いと再出血を来たすこともあります。そのため、高血圧を厳重に管理して脳出血の拡大を防ぎます。また、出血周囲の脳には浮腫(むくみ)が起こるため、浮腫を減らす点滴などの治療を行います。ただし治療を行っていても残念ながら脳出血が進行し、症状が悪化することもあります。また、脳出血による圧迫のため脳機能障害が著しい場合には開頭血腫除去術、脳脊髄液循環障害による水頭症に対して脳室ドレナージ術などの外科的治療が必要になる場合があります。
脳出血では喉の筋肉が麻痺して食物をうまく飲み込めない嚥下障害を生じることがあります。嚥下障害がある場合には胃に管を挿入し流動食を用いることや中心静脈にカテーテルを挿入し栄養補給することがあります。脳卒中を生じると肺炎・尿路感染・静脈血栓塞栓症・肺血栓塞栓症・消化管出血などの合併症を生じることもあります。患者さんの治療と平行して、今後の治療計画を策定のため医療相談員との面談も行ないます。

脳出血の慢性期治療(およそ2~3週間以降)とリハビリテーション

脳出血で壊された脳組織は、様々な治療を行ってももとに戻すことはできません。このため脳出血によって生じた麻痺や言語障害などの症状は、後遺症として残存する可能性があります。しかしこれらの症状はリハビリテーションによってある程度回復することが可能です。当院では病初期より積極的に理学療法(歩行訓練)、作業療法(手先の訓練)、言語療法(言葉・嚥下の訓練)などを行い、障害部位の機能回復と残存機能の活用により社会復帰をめざしています。