救命救急科 医療関係者の方へ

医療機関の先生方へ

当院ERへの紹介について(医療者向け)

当院ERは、いわゆる北米型ERを実践する日本では珍しい小児専門ERです。24時間365日、あらゆる急性期疾患に対応します。しかし、当直帯(平日17時以降や土日祝日)はマンパワーを含めた院内の医療資源に限りがあります。そのため、詳しい精査を必要とするがある程度待つことができる病態の場合には、こどもや保護者の負担軽減を考慮して平日9時以降の受診をお勧めします。専門各科が在院している時間帯の方が、よりスムーズな連携が可能となります。当然ながら、緊急時には一切の遠慮はいりません。初期診療をしながら、小児救急を専門とする医師の判断で必要時にはオンコール医師を緊急招集して対応致します。

なお、御紹介の電話連絡をいただいた際には、安全な転院のためにバイタルサインを確認させていただいています。移動中の状態悪化は高いリスクを伴います(実際に当院ERを受診したときには緊急介入が必要な状態になっていた事例もあります。病院に到着してからも駐車や事務手続きなどの時間を考慮すると、実際に医療者が患者さんに接触する時間は想定される所要時間の1.5~2倍くらいかかる可能性があります)。そのため、家族だけの移動でいいのか、救急車利用がいいのか、ドクターカー搬送がいいのか、共に考えたいと思います。忙しいとは思いますが、電話口で見えない患者さんの安全を共有するための手段として御理解をお願い致します。

すでに診断が確定して今後の中長期的視点での御紹介の場合には、該当する専門科と直接相談していただき、専門科外来受診(またはER受診)の手続きとなります。
判断に迷う場合には、電話連絡をいただければ対応致します。

ドクターカー施設間搬送の要請について(医療者向け)

重症小児患者、または重症化しうる小児患者を地域全体で治療し、救命したいと考えています。必要時には遠慮せずに御連絡ください。

(参考)小児用ドクターカー出動基準:

緊急迎え搬送

<原則>
[1] 気道(A)、呼吸(B)、循環(C)、意識状態(D)のいずれかに異常がある
[2] 搬送の依頼がある
を満たし、かつ以下の場合。

  1. 搬送中に高度な医療行為を行う必要性のある場合
  2. 当センターの医師が早期に介入した方がよいと考えられる場合
  3. 搬送元医療機関で搬送の人員が確保できない場合
  4. 既に他施設で高度な治療が開始されており、当センターで入院加療を継続する必要がある場合
  5. 患者を他施設から他施設に搬送する場合(この場合、当センターとしては純粋に患者搬送のみに関わる)
  6. 現場から当センターあるいは他施設への搬送が必要である場合

送り搬送

当センターにおける治療が終了し、適切な時期に搬送元あるいは別の施設に患者を搬送する際、搬送中に治療行為の継続あるいは頻回な処置を必要とする場合。

当院のような専門病院でなければ治療困難な特殊な疾患の場合の遠距離搬送については、関係各所と情報共有して搬送プランを検討する必要があります。まずは主科となりうる専門科に御一報していただければ、搬送に関して当科や集中治療科が中心となって具体的なプランを検討致します。