令和6年度 東京都立多摩総合医療センター 病院情報の公表

令和6年度の退院患者数を10歳刻みの年齢階級別に集計しています。当院では、60歳以上の患者さんが全体の約70％、80歳以上が約26％を占めており、比較的高齢の患者さんが多くを占めています。

リウマチ性基礎疾患がある患者さんに対するものです。当院のリウマチ膠原病内科と連携しながら進めております。

関節手術、脊椎手術、手の外科、スポーツ整形などの待機的手術から、外傷に対する緊急手術まで、幅広い分野に対応しています。

脳梗塞や脳出血などの脳卒中の救急症例を多く受け入れています。急性期の病状が安定した患者さんは、周辺の連携病院に転院していただき、治療やリハビリを継続しています。当院と連携病院との間で役割分担が明確になっており、平均在院日数が短いのが特徴です。

肺癌の手術症例を中心に、自然気胸など幅広く対応しております。また肺癌の再発に対しても、抗癌剤治療や放射線治療を当科で一貫して行っております。

成人の心臓および大動脈のほぼすべての疾患に対応しています。大動脈疾患については、部位によっては当科ではなく血管外科が対応する場合があります。手術や治療に関するご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

当院は、日本婦人科腫瘍学会および日本周産期・新生児医学会の専門医研修施設に指定されており、婦人科・産科の高度医療を提供しています。
婦人科では、婦人科癌を専門領域とし婦人科良性腫瘍についても治療を行っています。子宮良性腫瘍、卵巣良性腫瘍については開腹術に加え、腹腔鏡下手術を積極的に施行しています。
産科では、多摩地区の総合周産期母子医療センターとして、合併症妊娠や超低出生体重児の分娩など、多くのハイリスク症例に対応しています。

眼科では、白内障や水晶体疾患、斜視、緑内障などに対する手術を行っています。手術件数は入院で施行されたものを対象としており、外来で行う白内障手術、斜視手術、眼瞼下垂手術は含まれていません。

多摩地域の基幹病院として、耳鼻科頭頸部領域を幅広く網羅する手術（鼻科手術・咽頭手術・耳科手術・甲状腺手術・炎症性疾患・頭頸部悪性腫瘍など）を行っております。

膿皮症や水疱症、皮膚悪性腫瘍、無汗症など、幅広い皮膚疾患に対応しています。診断から保存的治療、必要に応じた手術・処置まで行い、専門的な医療を提供しています。

膀胱癌や前立腺癌に対する全摘術、腎癌に対する部分切除術にロボット手術を導入しています。
また、副腎摘除術、腎全摘術、腎尿管全摘術などについては腹腔鏡下手術を行い、患者さんの負担軽減に努めています。

肺癌をはじめとする悪性腫瘍に対し呼吸器内視鏡による検査入院や、化学療法中心に集学的治療も含めた治療入院を行っています。
呼吸器感染症は細菌性肺炎から胸膜炎・膿胸、抗酸菌感染症まで対応しています。外科的処置が必要と判断した場合には呼吸器外科とも連携して対応しています。

狭心症に対する心臓カテーテル治療の件数が多く、平均在院日数は全国平均より短くなっています。
不整脈に対しても、カテーテルアブレーションやペースメーカー治療を多数行い、同様に在院日数を短縮しています。
また、高齢者の割合が多い心不全治療についても、効率的な治療や他医療機関との連携により、全国平均より短い在院日数で退院できるよう努めています。

たんぱく尿や血尿の精査から腎不全まで、あらゆる腎臓病の診療を行っています。特に、慢性腎臓病の進行抑制や透析治療に関連する手術、透析導入に力を入れています。

2型糖尿病をはじめ、甲状腺疾患、副甲状腺疾患、下垂体疾患、副腎疾患、低血糖症など幅広い内分泌代謝疾患に対応しています。
糖尿病ケトアシドーシスを含む高血糖状態には、迅速に緊急入院で対応し、血糖コントロールが安定した後は、循環型糖尿病医療連携により紹介元医療機関に返送しています。

血液内科では、悪性リンパ腫や白血病に対する化学療法を中心に血液疾患全般に対して診療を行っています。
短期入院や外来での化学療法を積極的に取り入れ、患者さんの負担軽減と入院日数の短縮に努めています。

救急症例や他病院からの紹介症例が多く、幅広い消化器疾患に対応しています。
胆道内視鏡（ERCP）は多数施行しており、他院で胆管挿管不可や採石不能、ハイリスクとされた症例にも対応しています。
胃の内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）は2003年から導入し、その後食道・大腸ESDも実施しています。外科手術を勧められたり、治療困難とされた症例の紹介も多く、安全に配慮しながら質の高い治療を提供しています。

救急総合診療科は、救急診療と総合診療の両面を担っています。
具体的には、
１.救急外来（ER）での救急診療指導
２.外来での総合診療指導
３.病棟における病院総合診療
を行っています。

5大がん（胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がん）の患者さんの数を、初発の病期分類別および再発別に集計しています。2024年度に退院した患者さんを延べ数で集計しており、同一患者さんが複数回入院した場合もそれぞれ集計しています。

「初発」とは、当院でがんの診断または初回治療を行った場合を指し、「再発」とは初回治療後に当院で診療を行った場合、あるいはがん緩解後に局所再発・再燃、または新たな遠隔転移が認められた場合を指します。
UICC病期分類は、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3つのカテゴリに基づき、各がんをI期（早期）からIV期（進行期）の4病期に分類するものです。

当院は「地域がん診療連携拠点病院」として、専門的ながん医療を提供するとともに、地域がん診療の連携体制の整備や、がんに関する相談・情報提供を行っています。

当院では、成人市中肺炎に対し、軽症から超重症まで幅広く対応しています。患者さんの平均在院日数は9～19日、平均年齢は55～85歳と多様です。
治療には内科系各科に加え、重症度等に応じて呼吸器・腫瘍内科、救命・集中治療科、救急・総合診療科、感染症内科など複数の診療科が連携して取り組んでおり、人工呼吸管理を必要とする重症例にも対応可能です。呼吸状態が安定した患者さんについては、当院を含めた各病院の果たすべき機能を考慮し近隣病院への転院体制も整えています。

当院では、発症3日以内の急性期脳梗塞の患者さんを多く受け入れております。緊急性の高い症例に対しては、迅速に対応しており、適応される患者さんには組織プラスミノゲンアクチベーター（t-PA）静注療法や血管内血栓回収療法を実施しています。

また当院は一次脳卒中センターとしての機能を担っており、急性期を過ぎて病状が安定した患者さんの継続治療について、周辺の連携病院で行えるよう体制を構築しています。

リウマチ性基礎疾患がある患者さんに対するものです。当院のリウマチ膠原病内科と連携しながら進めております。

胆石症に加えて肝胆膵悪性腫瘍に対しても腹腔鏡下手術を導入しています。
また、胃癌・大腸癌の内視鏡治療は東京都がん検診センターからの紹介症例を対象としています。
なお、胆石症やヘルニア手術では入院サポートセンターで術前準備を行うことにより、手術当日入院が可能となっています。

人工股関節をはじめとする関節手術、脊椎手術、手の外科、スポーツ整形などの待機的手術から、外傷に対する緊急手術まで、幅広い分野に対応しています。

乳房再建は乳腺外科と共同で治療をするとともに自家組織を用いる皮弁による再建やインプラントを用いる再建を行っています。
皮膚悪性腫瘍では積極的に皮弁術を用いた再建術を行うことで機能面のみならず整容面に考慮した手術を行っております。
頭頚部癌切除後の再建は歯科口腔外科、頭頸部科、耳鼻科と連携し、遊離皮弁を用いた再建術を行っております。

脳神経外科では慢性硬膜下血腫に対する手術件数は多いですが、術後経過が良ければ早期退院、外来フォローの方針としております。

肺癌に対する胸腔鏡下手術が最も多く、機能温存のため区域切除術が比較的多くなっています。また自然気胸や縦隔腫瘍に対する胸腔鏡下手術も行っています。

大動脈瘤切除術を含めた心臓外科手術治療により多摩地区の地域医療に貢献しております。

婦人科については婦人科癌を専門領域とし婦人科良性腫瘍についても治療を行っています。
子宮良性腫瘍、卵巣良性腫瘍については開腹術に加え腹腔鏡下手術を積極的に施行し、ロボット手術も施行しています。
子宮頸癌、体癌の場合病変部が明らかな場合は最初から根治手術を行いますが、確定診断として円錐切除/子宮内膜掻爬術を施行してから根治的手術を行うことも多いです。
また子宮体癌・卵巣癌については骨盤リンパ節郭清及び傍大動脈リンパ節郭清を積極的に行っています。
子宮頸癌においては病期や病理組織型を考慮して、手術療法、放射線療法、術前化学療法を行っています。

白内障手術は、1泊2日もしくは2泊3日の入院か、外来手術（この表には含まれません）で行っております。

多摩地域の基幹病院として、耳鼻科頭頸部領域を幅広く網羅する手術（鼻科手術・咽頭手術・耳科手術・甲状腺手術・炎症性疾患・頭頸部悪性腫瘍など）を行っています。

膀胱癌、前立腺癌に対する全摘術、腎癌に対する腎部分切除術に対しては、ロボット手術を施行しています。
腎全摘術には腹腔鏡下手術を施行するなど患者さんへの負担軽減に努めています。

地域の基幹病院として、循環器内科では多くの虚血性心疾患の患者さんに経皮的冠動脈ステント留置術や石灰化の強い冠動脈に対して行う高速回転式経皮的アテレクトミーカテーテルによる経皮的冠動脈形成術を行っています。
3次救急医療施設として重症の救急患者さんにも対応しており、急性心筋梗塞の冠動脈治療においても多数の実績があります。
また不整脈の治療についても多くの患者さんに経皮的カテーテル心筋焼灼術（カテーテルアブレーション治療）やペースメーカー移植術を行っています。
データが示すように、高齢の患者さんに対しても短い在院日数でこれらの治療を行っており、地域の皆様に安心して治療を受けられる環境を提供しています。

たんぱく尿や血尿の精査から腎不全まで、あらゆる腎臓病の診療を行っています。特に、慢性腎臓病の進行抑制や透析治療に関連する手術、透析導入に力を入れています。

救急症例や他病院からの紹介症例が多く、幅広い消化器疾患に対応しています。
胆道内視鏡（ERCP）は多数施行しており、他院で胆管挿管不可や採石不能、ハイリスクとされた症例にも対応しています。
胃の内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）は2003年から導入し、その後食道・大腸ESDも実施しています。外科手術を勧められたり、治療困難とされた症例の紹介も多く、安全に配慮しながら質の高い治療を提供しています。

乳房再建についても形成外科と共同で治療を行い、自家組織を用いる皮弁による再建やインプラントを用いる再建を行っています。

当院では、手術や処置後に生じ得る播種性血管内凝固症候群（DIC）、敗血症、真菌感染症などの合併症についても適切に管理・対応しています。これらのリスクについては事前に十分な説明を行い、ご同意をいただいたうえで手術や処置を実施しています。

当院では、肺血栓塞栓症に対して、積極的に予防対策を実施しています。具体的には、弾性ストッキングやフットポンプ（間欠的空気圧迫装置）の装着に加え、術後の早期リハビリを取り入れています。
高リスク患者には、十分なモニタリング下で抗凝固剤（ヘパリンなど）の投与も併用しています。また、肺血栓塞栓症予防に関するインフォームド・コンセントを取得し、患者さんへの十分な説明も行っています。

血液は通常無菌状態ですが、感染が起こると病原菌が血液中に入り、菌血症や敗血症などの重篤な感染症を引き起こすことがあります。これを防ぐためには、速やかに病原菌を特定し、治療に効果的な抗菌薬を投与することが重要です。

血液中の病原菌は常に存在しているわけではないため、1セットの血液培養だけでは原因菌を検出できない場合があります。そのため、当院では確実に病原菌を検出するため、2セットの血液培養を実施しています。

感染症にかかった場合、原因となる微生物を特定することは非常に重要です。
特に、広範囲の細菌に効果を持つ広域スペクトラム抗菌薬を使用する場合は、使用前に各種培養検査を行い、原因菌が判明した際には狭域の抗菌薬へ変更することで、より確実な治療効果を得られるようにしています。
また、広域スペクトラム抗菌薬を適正に使用することにより、耐性菌の出現を抑える効果も期待できます。
このように、広域抗菌薬使用前の細菌培養検査や、投与開始時の血液培養検査の実施は、望ましいプラクティスとされています。

当院では入院患者さんの安全確保を重要な課題としています。
退院患者さんの在院日数合計に対する転倒・転落の発生率は0.18‰と、非常に低い水準を維持しています。
今後も看護・介護スタッフによる日常的なリスク評価や環境整備、転倒予防プログラムの徹底を通じて、患者さんが安全に入院生活を送れる体制を継続的に整備してまいります。

「‐(ハイフン)」は、10件未満(小さい値)であり、良好な結果である。

当院では、手術部位感染予防の観点から、全身麻酔下手術において予防的抗菌薬を投与しています。
手術開始前1時間以内に抗菌薬投与を開始することは、感染予防の効果を最大化するために重要です。
2024年度の実績では、全体の94.87％の手術でこのタイミングでの投与が実施されており、安全な手術環境の維持に努めています。

「‐(ハイフン)」は、10件未満(小さい値)であり、良好な結果である。

当院では、65歳以上の高齢入院患者さんに対して、入院早期の段階で栄養状態の評価（栄養アセスメント）を実施しています。
これは、低栄養や栄養不良のリスクを早期に把握し、適切な栄養管理や治療につなげるために重要です。
2024年度の実績では、65歳以上の患者さんの98.06％に栄養アセスメントを行っており、入院時から安全で質の高い医療を提供できる体制を整えています。

当院では、患者さんの安全確保や医療上必要な場合に限り、身体的拘束を実施しています。
2024年度の実績では、退院患者さんの在院日数合計に対する身体的拘束日数の割合は3.98％でした。
可能な限り身体的拘束を避け、代替策の検討や環境調整、スタッフの巡回などにより、安全かつ尊厳のあるケアの提供に努めています。