骨髄異形成症候群

骨髄異形成症候群とは

高齢化とともに増えている病気の1つです。骨髄で赤血球、白血球、血小板などの血液細胞のもとになる造血幹細胞に異常が起き、正常な血液細胞がつくられなくなる病気です。

症状としては貧血の症状である息切れや動悸、白血球の減少により感染症を起こしやすくなり発熱など、血小板の減少により鼻血や歯ぐきからの出血など症状があらわれることもあります。検診や採血で異常値があり、検査で見つかることもあります。

無治療経過観察するタイプから白血病に近いタイプまで様々なタイプがあり、リスク分類により治療法が異なります。

診断

骨髄検査、採血検査を行い、検鏡、表面マーカー検査、染色体検査、遺伝子検査、病理検査を総合して診断します。検鏡での形態(形)の異常が重要で、多数の医師、臨床検査技師で検討し診断しています。

骨髄検鏡カンファレンス

治療

骨髄異形成症候群は、リスク分類によって治療が異なります。

リスク分類(IPSS-R)は、染色体異常、骨髄での芽球の率、貧血、白血球の中の好中球の減少、血小板の減少で、低リスク、高リスクに分類します。

(造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版より)

低リスクの場合、貧血が主でエリスロポイエチンの値が低い場合はエリスロポイエチン製剤の注射、貧血が進行すれば赤血球輸血、血小板減少に対して血小板輸血を行います。当院では輸血は外来でも多く行いますし、地域やご希望によっては在宅で輸血をしてくださる先生にお願いできることもあります。

高リスクの場合、造血幹細胞移植ができる方(概ね65歳以下)は造血幹細胞移植が、それ以外の方はアザシチジン療法が勧められます。

アザシチジンは7日間連続して投与し21日間休む治療で、初回は入院で、2回目以降は基本的に外来で行います。

当科では下図のような多職種で共通して使用する治療の説明用紙を使用してご説明しています。

アザシチジン療法 治療スケジュール
アザシチジン療法 主な副作用とその発現時期