院内がん登録とは
院内がん登録とは、各病院で「がん」と診断または治療されたすべての患者さんについての情報(年齢、性別、がんの種類、ステージ、治療方法等)を一定のルールに基づいて収集・登録する仕組みであり、その病院のがん診療がどのように行われているかを明らかにする調査です。
この調査は「がん登録等の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十一号)」及び「院内がん登録の実施に係る指針(平成二十七年厚生労働省告示第四百七十号)」に基づいて実施され、各病院の登録データは、毎年国立がん研究センターに提出・集積され「院内がん登録全国集計データ」として報告書が公表されています。
また、同データは国が集計・分析・管理する「全国がん登録」として国や東京都のがん対策にも役立てられています。
当院は、平成27年に東京都がん診療連携協力病院の指定を受け、院内がん登録を実施しています。
患者さんの個人情報については、「個人情報保護法」や「東京都個人情報保護条例」等に基づき適切に保護・管理しています。なお、院内がん登録データは、毎年、個人識別情報を削除した上で国立がん研究センターに提出しており、個人が特定されるような形で公表されることはありません。
院内がん登録数
院内がん登録数の推移(2018年~2024年症例)
当院では2015年症例より院内がん登録を開始しており、過去7年間の登録数の推移を示しています。

年齢別男女別登録数(2024年症例)

部位別登録数比較(2024年症例)
2024年1月1日から12月31日までの1年間で登録対象となる腫瘍のうち、入院・外来を問わず、自施設において初回の診断または治療が行なわれた症例の登録数を示しています。

胃がん総合ステージ別割合(2024年症例)
当院で初回治療を行った胃がんの症例を総合ステージ別に分類した割合を示しています。
総合ステージ:観血的治療後のがんの状態を正確に示す術後病理学的ステージを第1優先として用い、観血的治療を行っていない、又は観血的治療前に治療が行われた症例については、治療前ステージを採用して「総合ステージ」を算出(UICC TNM分類 第8版)

胃がん総合ステージ別治療方法(2024年症例)
胃がんに対する初回治療方法別の割合を示しています。
手術のみ :外科的治療と鏡視下治療のいずれか、又は両方が実施された症例を合算して集計

大腸がん総合ステージ別割合(2024年症例)
当院で初回治療を行った大腸がんの症例を総合ステージ別に分類した割合を示しています。
総合ステージ:観血的治療後のがんの状態を正確に示す術後病理学的ステージを第1優先として用い、観血的治療を行っていない、又は観血的治療前に治療が行われた症例については治療前ステージを採用して「総合ステージ」を算出(UICC TNM分類 第8版)

大腸がん総合ステージ別治療方法(2024年症例)
大腸がんに対する初回治療方法別の割合を示しています。
手術のみ :外科的治療と鏡視下治療のいずれか、又は両方が実施された症例を合算して集計

院内がん登録全国取集データの二次利用について
収集された院内がん登録データは、各病院におけるがん医療の実態把握、医療の質向上や研究のために使用されます。なお、データの二次的な利用については拒否(オプトアウト)の機会が提供されています。

以下の内容をお読みいただき、その上で拒否の申請を希望する場合は、医事課までお申し出ください。
がん対策・医療の充実のための診療関連データベースの構築と活用に関する研究
当院では、国立がん研究センターがん対策研究所と東京大学医学系研究科が協同で実施している「がん対策・医療の充実のための診療関連データベースの構築と活用に関する研究」に参加・協力しています。本研究では、院内がん登録と厚生労働省「DPC(Diagnosis-Procedure Combination)導入の影響評価に係る調査」のデータを連携させたデータを収集することにより、がん医療の実態を把握するデータベースを構築するとともに、その活用によってがん対策の推進とがん医療の質の向上に資することを目的としています。
研究の概要及び詳細は、以下の内容ご覧ください。

