令和6年度 病院指標

令和6年度 東部地域病院 病院指標

1.年齢階級別退院患者数

年齢区分0~10~20~30~40~50~60~70~80~90~
患者数113425213518735458181916821560296
令和6年度のDPCデータに基づき、年齢階級別(10歳刻み)退院患者数を集計しております。地域医療支援病院である当院は、地域医療の中核として年齢を問わず積極的に患者さんの紹介を受け入れ、質の高い医療を提供しています。今日の少子高齢化の流れを受け、全体の約62%が60歳以上の患者で占められており、70歳以上は約51%を占める状況です。


2.診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
060100xx01xxxx小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術2873.132.570.0069.59
060340xx03x00x肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし11116.6416.44.5083.62
040040xx9910xx肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし802.983.031.2575.05
040040xx99040x肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし696.78.161.4576.91
060340xx03x00x胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし6911.148.885.8073.42

内視鏡的大腸ポリープ粘膜切除術の症例を多く行っています。ポリペクトミー目的の2泊3日が典型的な症例となります。
胆道疾患や膵臓疾患に対して内視鏡的胆道ステント留置術の症例数が次いで多くなっています。これは様々な病態で狭窄した胆道にチューブを通して拡張し、胆汁の流れを良くする手術です。この手術は、胆石症に対する内視鏡的胆道結石除去術などの他の手術の前段階として行われることも多く、術後日数が長くなる傾向にあります。

小児科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
0400801199x0xx肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし1534.935.610.006.11
040090xxxxxxxx急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)1405.096.220.001.62
060380xxxxx0xxウイルス性腸炎 手術・処置等2なし1183.955.550.855.25
040100xxxxx00x喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし965.496.380.003.53
040070xxxxx0xxインフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし834.756.980.002.04

小児科は地域の中核となる二次医療、365日24時間体制の救急医療を重点項目として診療を行っています。主な入院疾患は、喘息や気管支炎、肺炎などの呼吸器疾患が多く、ウイルス性腸炎、食物アレルギー、川崎病と続きます。

外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
060160x001xxxx鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等1174.124.540.0072.82
060035xx99x5xx結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等25あり754.054.420.0063.23
060100xx01xxxx小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術573.072.570.0070.11
060335xx0200xx胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし565.667.050.0063.23
060035xx99x6xx結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり514.004.640.0073.20

外科の主な対象疾患はヘルニアなどの一般外科疾患及び食道・胃・大腸などの消化管ならびに肝臓・胆道・膵臓などの消化器疾患です。治療は外科手術が中心で、最近ではロボット支援下での腹腔鏡下手術や内視鏡的粘膜切除術などの低侵襲手技も積極的に行っています。
初診時切除不能の進行癌症例や当院での術後再発症例に対しては、ガイドラインに準じた点滴による化学療法も併せて行っています。
また、呼吸器外科では気胸など救急措置を必要とする患者さんの受け入れを積極的に行っています。手術では胸腔鏡下手術や、肺の温存を考えた区域切除や部分切除など、患者さん一人一人に最適な術式を選択し、患者さんの負担軽減に努めています。

整形外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
160800xx02xxxx股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等6427.2725.2975.0085.38
160760xx01xxxx前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等514.025.950.0058.47
160720xx01xxxx肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等309.4314.046.6773.57
160850xx01xxxx足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等3012.0717.840.0055.17
07040xxx01xxxx股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等2318.9118.7617.3972.39

整形外科では、スポーツ傷害や交通外傷、労働災害などに代表される打撲、捻挫、骨折などの外傷は勿論のこと、変形性変化を伴う加齢疾患、骨粗鬆症、関節リウマチ、痛風など、若年時から老年まで幅広い患者層に対応しております。
脊椎脊髄病(椎間板ヘルニア、化膿性脊椎炎、癌の脊椎転移、成人脊柱変形、脊椎椎体骨折、脊椎脊髄外傷、腰部脊柱管狭窄症など)に対して侵襲の大きい手術ではなく、可能な限り背部の筋肉を傷つけない最小侵襲脊椎手術(MIS)を柱に治療をおこなっております。

脳神経外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
160100xx97x00x頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし3111.169.830.0081.16
010060xx99x40x脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし2817.2116.8935.7172.39
010060xx99x20x脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし2017.9016.9430.0082.75
160100xx99x00x頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし207.357.995.0066.80
010061xxxxx0xx一過性脳虚血発作 手術・処置等2なし177.296.310.0078.18
診療分野は、脳疾患の外科的治療に対応しています。当院には脳神経内科がないため、内科的疾患についても急性期治療を行ています。外科的治療では、開頭腫瘍摘出術、脳動脈瘤クリッピング術等のみならず、非常勤の脳血管治療専門医とともに脳動脈瘤コイル塞栓術、脳動静脈奇形塞栓術、頸動脈ステント術等を施行しています。外傷については、慢性硬膜下血腫、急性硬膜下血腫、脳挫傷等を積極的に受け入れて、必要に応じて手術を行っています。頭痛、めまい、片側顔面けいれんやてんかんなどの機能的疾患のより高度な原因精査と投薬等の治療も行っています。

眼科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
020110xx97xxx0白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼2071.552.490.0078.44
020110xx97xxx1白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼321.594.290.0076.28
020240xx97xxx0硝子体疾患 手術あり片眼31.334.830.0086.67
020200xx9710xx黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし22.005.470.0075.00
020200xx9700xx黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし12.005.580.0081.00

眼科では、白内障に対する手術である水晶体再建術(眼内レンズ挿入)を数多く行っており、硝子体疾患に対する硝子体切除術や緑内障に対する手術も行っております。

泌尿器科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
110080xx991xxx前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり1392.172.450.0073.41
110070xx03x0xx膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし1157.876.810.0075.42
110310xx99xxxx腎臓又は尿路の感染症 手術なし7410.6913.662.7078.84
11012xxx02xx0x上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし665.355.161.5264.64
110200xx02xxxx前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等538.757.775.6678.85

泌尿器科での主な疾患の内訳は、前立腺の悪性腫瘍が最も多く139例、次に膀胱の腫瘍・悪性腫瘍が115例、尿路感染症、上部尿路疾患、前立腺肥大症が続いています。また、前立腺生検(多箇所生検)は一泊入院のうえ腰椎麻酔あるいは局所麻酔で行っています。

婦人科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
120060xx02xxxx子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等1286.295.880.0046.99
120090xx97xxxx生殖器脱出症 手術あり808.867.740.0074.43
120070xx02xxxx卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等675.825.970.0042.69
12002xxx02xxxx子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等592.002.920.0037.14
12002xxx01x0xx子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし458.499.840.0055.78

診療内容は産科を除く婦人科領域で、良性・悪性腫瘍、性器脱などの疾患が大半を占めています。最近の傾向として、若年者の子宮頚部病変が増加しており、妊孕性温存の立場から、レーザー光線を使用した治療を積極的に行っています。良性疾患に対しては、腹腔鏡下手術が増加傾向にあり、悪性腫瘍に対しては日本婦人科腫瘍学会ガイドラインに基づいた標準治療を行っています。

循環器内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用パス
050050xx9910xx狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし963.193.070.0072.35
050050xx0200xx狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし694.034.180.0074.23
050130xx9900x0心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外5718.5617.3310.5381.61
050050xx9920xx狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし433.863.270.0072.02
050210xx97000x徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし296.939.590.0083.03
循環器内科では、虚血性心疾患、心不全の占める割合が多いというのが例年の傾向です。加えて閉塞性動脈疾患の症例も増加しています。心臓カテーテル検査は基本的に2泊3日の入院、PCIは3泊4日の入院として橈骨動脈穿刺法にて行っており、患者の苦痛を少なくするように考慮しています。
当科ではPCIやEVTの際にIVUS(血管内超音波検査)を行い、至適サイズのカテーテル、ステントを用いることで安全にPCIを行うように努めています。
また、ペースメーカーの植え込みや、電池交換も行っております。

3.初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

初発再発病期分類基準※版数
StageⅠStageⅡStageⅢStageⅣ不明
胃癌244167118
大腸癌92911193101618
乳癌0000001
肺癌278188246318
肝癌002124418
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

5大癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)の初発(stage1、2、3、4、不明)再発、病期分類、版数について示しています。UICCとは、がん進行度を判定する基準として国際的に活用されている国際対がん連合(UICC)採用のがん分類方法となっています。
当院では、特色ある医療として「がん医療」を掲げており、地域の医療機関から患者さんの紹介を積極的に受け入れております。特に、消化器系(胃・大腸)のがんについて東京都から「がん診療連携協力病院」の指定を受けており、内視鏡医療は従来の外科手術と比べ患者さんへの負担が少ないことからニーズも高くなっています。また、抗癌剤によるがん化学療法は、外来で治療を受ける患者さんが年々増加傾向にあり、大学病院や近隣の病院とも連携し、術前・術後の化学療法、がんの進行抑制などの目的で化学療法の依頼を受けています。

4.成人市中肺炎の重症度別患者数等

患者数平均在院日数平均年齢
軽症359.5747.17
中等症10317.5579.37
重症1317.2379.62
超重症134.0094.00
不明00.000.00

成人の肺炎患者数について、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計しています。重症度別の患者数では、「中等症」が最も多く、ついで「軽症」が多くなっています。一般的に重症度が上がるほど患者の平均年齢は上がり、平均在院日数は長くなる傾向があります。

5.脳梗塞の患者数等

発症日から患者数平均在院日数平均年齢転院率
3日以内5016.7678.9224.59
その他1123.1877.458.20
令和6年度において、「脳梗塞」と診断された患者さんの82%が発症3日以内でした。ほとんどの患者さんは発症当日に救急搬送されるか、地域の医療機関からの紹介で当院を受診されます。

6.診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K7211内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満2521.071.110.0069.53
K688内視鏡的胆道ステント留置術483.6911.2312.5076.23
K7212内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上421.051.020.0069.88
K6532内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術261.004.150.0077.65
K6852内視鏡的胆道結石除去術 その他のもの202.206.900.0072.25
内視鏡的大腸ポリープ粘膜切除術の症例を多く行っています。ポリペクトミー目的の2泊3日が典型的な症例となります。
胆道疾患や膵臓疾患に対して内視鏡的胆道ステント留置術の症例数が次いで多くなっています。これは様々な病態で狭窄した胆道にチューブを通して拡張し、胆汁の流れを良くする手術です。この手術は、胆石症に対する内視鏡的胆道結石除去術などの他の手術の前段階として行われることも多く、術後日数が長くなる傾向にあります。

小児科

Kコード名称患者数平均術前日数平均術後日数転院率平均年齢患者用パス
K7151腸重積症整復術 非観血的なもの20.003.500.000.00
-------
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-------
-------

小児科では、腸重積症に対して非観血的整復術を行っています。
整復後は入院で患者さんの様子を観察し、症状がなければ退院となります。

外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K6335ヘルニア手術 鼠径ヘルニア1171.042.080.0072.82
K672-2腹腔鏡下胆嚢摘出術921.083.420.0061.65
K5131胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)491.595.966.1247.55
K7211内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満491.201.080.0069.61
K6113抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合361.721.860.0071.75

手術件数は、ヘルニア手術、腹腔鏡下胆嚢摘出術の順となっています。ヘルニア手術は鼠径ヘルニアに対して行われるもので、当院においては3泊4日での入院・手術が通例となります。胆嚢炎や胆石症などの胆嚢疾患に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術も数多くの症例を行っています。急性胆嚢炎を発症された患者さんは、まず内科的な治療で炎症を改善させて一旦退院し、改めて外科に手術目的で再入院するケースが典型的です。この手術では腹腔鏡視下で行われ、患者さんの負担をできるだけ小さくするよう努めています。
また、自然気胸に対して胸腔鏡下肺切除術も行っており、腹腔鏡下手術同様患者さんの負担軽減に務めています。

整形外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K0462骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨891.694.000.0055.70
K0461骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿712.9713.4238.0375.93
K0463骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他411.783.174.8846.02
K0821人工関節置換術 肩、股、膝412.2715.6617.0773.24
K0483

骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿

260.961.380.0044.85

骨折手術の件数が多く、中でも前腕・下腿骨の症例数が多いのが特徴的です。この症例の患者さんは高齢者が多く、手術後のリハビリ目的で転院するケースも多いです。
また、骨折手術で使用した固定用材料を取り除くための抜釘手術も行っております。

脳神経外科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K164-2慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術221.7710.824.5578.45
K1642頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 硬膜下のもの10.0029.000.0067.00
K1643頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの114.0028.00100.0073.00
K178-4経皮的脳血栓回収術10.0018.00100.0076.00
K386気管切開術115.0026.00100.0076.00

慢性硬膜下血腫は、外傷などにより数週間から数か月後に硬膜下にできた血腫により脳が圧迫されて、頭痛や運動麻痺、認知機能の低下が認められて発見されることが多く、脳の萎縮が見られる高齢者に多い疾患です。この疾患に対し穿頭して血腫を洗浄・除去する手術例が当院では多いです。

眼科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K2821ロ水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合
その他のもの
2370.000.560.0078.12
K2802硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの30.001.000.0077.00
K279硝子体切除術20.000.500.0086.50
K250角膜切開術10.000.000.0075.00
K2682ロ緑内障手術 流出路再建術 その他のもの10.000.000.0086.00

眼科では、白内障に対する手術である水晶体再建術(眼内レンズ挿入)を数多く行っており、硝子体疾患に対する硝子体切除術や緑内障に対する手術も行っております。

泌尿器科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K8036イ膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの1141.115.700.0075.76
K7811経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの630.843.251.5964.67
K841-21経尿道的レーザー前立腺切除術・蒸散術 ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの552.156.827.2779.31
K783-2経尿道的尿管ステント留置術530.434.043.7770.06
K843-4腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)361.009.440.0071.39
泌尿器科の主な手術の内訳は、内視鏡による経尿道的膀胱悪性腫瘍手術が114件と多く、次いで経尿道的尿路結石除去術が63件、経尿道的前立腺手術が55件、経尿道的尿管ステント留置術が53件、ロボットを使用した腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術36件となっています。
開腹手術もなるべく小さな創で手術を施行し、患者の侵襲を小さくするよう心がけています。

婦人科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K877-2腹腔鏡下膣式子宮全摘出術1561.094.790.0049.98
K8882子宮附属器腫瘍摘出術(両側)腹腔鏡によるもの770.974.290.0043.01
K861子宮内膜掻爬術590.410.560.0054.12
K867子宮頸部(腟部)切除術360.500.500.0040.14
K872-31子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術 電解質溶液利用のもの340.530.470.0039.79
婦人科の主な手術の内訳は、腹腔鏡下腟式子宮全摘術が156件、次いで子宮附属器腫瘍摘出術が77件、子宮内膜掻爬術59件、子宮頸部(腟部)切除術36件、子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術電解質溶液利用のものが34件となっております。良性腫瘍は子宮鏡下手術や腹腔鏡下手術(子宮筋腫や付属器腫瘍など)を積極的に行っております。子宮脱に関しては従来から行われている膣式根治術を行っております。

循環器内科

Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用パス
K5493経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの551.202.040.0073.15
K616四肢の血管拡張術・血栓除去術261.502.460.0076.73
K597-2ペースメーカー交換術201.002.850.0082.60
K5972ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合114.278.640.0081.64
K5463経皮的冠動脈形成術 その他のもの91.002.000.0077.78

冠動脈疾患の検査、治療(PCI、ステント)を積極的 に行っており、その他心不全、不整脈、ペースメーカー 手術など循環器疾患全般の患者さんを受け入れており ます。下肢閉塞性動脈硬化症のカテーテルによる治療も積極的に行っております。

7.その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC傷病名入院契機症例数発生率
130100播種性血管内凝固症候群同一00.00
異なる90.13
180010敗血症同一20.03
異なる40.06
180035その他の真菌感染症同一20.03
異なる40.06
180040手術・処置等の合併症同一60.09
異なる10.01

手術・処置などの合併症にあたるものとして、感染症および合併症の発生率を示したものです。播種性血管内凝固症候群(DIC)・敗血症・真菌感染症はいずれも感染症、悪性腫瘍等に合併することが多い疾患です。
手術や処置を実施するにあたり、合併症を起こさないように細心の注意を払って施行しています。しかし、患者さんの要因等も含めてゼロにはできず、出血、感染、縫合不全、膿瘍形成等の合併症はどうしても一定の確率で起こり得ます。臨床上ゼロにはなりえないものですが、少しでも改善できるよう努めてまいります。

医療の質指標

1.リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母)分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子)リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
99097097.98%

肺塞栓血栓症はエコノミークラス症候群とも言われ、血の塊が肺の血管(肺動脈)に詰まり、呼吸困難や胸痛を引き起こし、死に至ることもある疾患です。当院では、リスクレベル「中」以上の患者に対して、適切な予防のための指示内容を医師が選択し、予防策を実施しています。

2.血液培養2セット実施率

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血液培養オーダー日数(分母)血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1855107457.90%

血液培養は菌血症を診断するための重要な検査であり、血液培養2セット実施が基本となります。血液培養2セット採取は1セット採取よりも細菌の検出率を向上させ、また皮膚常在菌の混入かどうかの鑑別に必要です。適切に血液を採取することで感染症を起こしている菌が検出され、抗菌薬の適正使用に繋がります。

3.広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(分母)分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子)広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
21619188.43%

薬剤耐性菌の脅威は世界的な問題となっています。抗菌薬の不適切な使用は薬剤耐性菌の発生・蔓延の要因であり、当院ではAST(Antimicrobial Stewardship Team : 抗菌薬適正使用支援チーム)を組織し抗菌薬の適正使用に取り組んでいます。広域スペクトルを有する抗菌薬は乱用され不適切な使用を招きやすく、一方で起炎菌が不明のまま適切な抗菌薬を選択することは困難であり、起炎菌の同定には培養検査が必要不可欠です。当院ASTは投与前の適切な培養検査の実施を徹底し、得られた結果からより適切な抗菌薬への変更について積極的に助言を行っています。
当院では、2024年度の広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率が約88%でした。

4.転倒・転落発生率

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退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
586081081.84%

入院患者の転倒転落の中で65歳以上の患者は85.3%を占めています。転倒した患者は緊急入院等で数日ベッド上安静後、安静度フリーとなり歩行開始当日~2日で転倒が発生しやすくなっています。患者自身が思っている以 上に筋力低下が著しいことが要因であると考え、課題として取り組み、転倒予防や有害事象を防ぐことで、 患者の医療費削減や入院期間を短縮実現に努めています。

5.転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

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退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率00.00%

入院患者の転倒転落の中で65歳以上の患者は85.3%を占めていますが、当院では3b以上の転倒転落によるインシデントは0%となっております。患者の状態を適切に把握し、転倒・転落につながりそうな有害事象を事前に予測し予防策を検討することで、 患者の安全な入院生活の確保や医療費の削減、入院期間短縮の実現に努めています。

6.手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

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全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
1922192199.95%

術前の適切な予防的抗菌薬投与により術後感染症(Surgical Site Infection:SSI)の発生を低減することができます。手術部位における抗菌薬の血中・組織中濃度を高めるため皮膚切開前1時間以内の投与開始が推奨されています。SSIを抑制することは入院期間の延長を防ぎ、医療費の増大を抑えるだけでなく、安全で質の高い医療を提供することにも繋がります。

7.d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

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退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
57342550.10%

令和6年度d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率は 0.10 % であり,「2024年度医療の質可視化プロジェクト集計結果報告書(病床数200床以上400床未満)」の L期間(全体)の75%値 0.11 % と比較してほぼ相同です。予防対策として入院時に”褥瘡発生リスク評価”を全入院患者に対して施行し,定期的なリスク評価を実践し褥瘡予防ケアを実施しており、褥瘡発生時には多職種で構成されたチームが治療に介入し、褥瘡の早期改善とQOLの向上に努めています。

8.65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

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65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
392000.00%

当院では、現在GLIM基準による低栄養の評価をおこなえるように院内の体制を整えています。
GLIM基準とは、世界の主要な臨床栄養学会が協力し、「Global Leadership Initiative on Malnutrition (GLIM)」として、新しい成人の低栄養診断基準で
従来の食物摂取不足による低栄養に加え、医療施設における疾患関連性低栄養も考慮されています。
この基準により多職種で協力して入院早期に栄養アセスメントの実施もあわせて行っていく予定です。

9.身体的拘束の実施率

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退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
5860840706.94%

身体的拘束は制限が強く、二次的な身体的障害が生じる可能性もあるため、代替方法が見出されるまでのや むを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努める必要があります。 患者を「治療の妨げになる行動がある」、「事故の危険性がある」という理由で身体拘束、 身体抑制は慎むべきであり、看護部主導で身体拘束数が減少するよう取り組んでいます。

更新履歴

・2025.9.30 令和6年度版に更新
・2024.9.30 令和5年度版に更新
・2023.9.25 令和4年度版に更新
・2022.10.1 令和3年度版に更新