コース紹介
外科医に求められる診療姿勢、診断力、手術手技、術前・術後管理を習得し、外科専門医の取得に必要な症例経験を積みながら、将来のサブスペシャリティ領域の資格取得につながる基礎を身につけます。
研修期間は3年間で、当院で2年6か月、連携施設群で6か月の研修を行います。
消化器・一般外科(上部消化管外科、下部消化管外科、肝胆膵外科)、血管外科、乳腺外科、救命・集中治療科を各3か月ずつ研修します。希望に応じて特定の領域を重点的に学ぶほか、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科で研修することも可能です。
3年間で約500例(術者200例、助手300例)の手術を経験し、外科専門医取得に必要な症例を十分に積むことができます。
各領域の悪性腫瘍に加え、虫垂炎、胆石症、鼠径ヘルニアなどの良性疾患や、急性腹症などの緊急症例も豊富です。
将来、自立した外科医として活躍するための基盤をしっかり築ける研修です。
手術手技の指導
各臓器領域の指導医、内視鏡外科技術認定医、ロボット支援下手術プロクターが多数在籍し、質の高い手術手技を指導します。
年間約4回のハンズオンセミナー(ドライラボ、ウェットラボ)を開催し、手術手技を基礎から指導します。


学会発表・論文執筆の指導
外科専門医や消化器外科専門医などのサブスペシャリティ資格の取得に必要な学会発表や論文執筆について指導します。
症例報告の論文のほとんどは専攻医が執筆したものです。
設備環境
内視鏡手術練習用のドライボックス、ロボット手術用シミュレーター(da Vinci用シミュレーター)、手術記録動画閲覧用モニターは、いずれも24時間利用できます。
契約文献のオンライン閲覧に加え、図書室での文献取り寄せにも円滑に対応できます。
勤務環境
当直は月に約2回、オンコールは月約2回です。
外科医療確保特別加算および処置・手術の時間外・休日・深夜加算1の対象施設です。
研修修了後の進路
研修修了後の進路は、当院での研修を継続、大学医局への入局、がん専門病院での研修など多様です。
個々の希望に応じて進路相談やサポートを行います。
修了生は消化器外科に限らず、血管外科、救命外科、乳腺外科、小児外科など、幅広い専門分野で活躍しています。
手術件数(2025年)
- 上部消化管外科:156件
- 下部消化管外科:354件
- 肝胆膵外科:141件
- 消化器外科ロボット支援下手術:249件
- 血管外科:203件
- 乳腺外科:382件
- 良性疾患:447件
(胆石234件、虫垂90件、ヘルニア123件)
学会認定
- 日本外科学会専門医制度修練施設
- 日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設
- 大腸肛門病学会認定施設
- 日本食道学会食道外科準認定施設
- 日本肝胆膵外科学会高度技能医修練施設 A
- 乳腺外科専門医研修カリキュラム実施施設(連携施設)
- 日本胆道学会認定指導医制度指導施設
- 日本膵臓学会認定指導施設
- 日本静脈経腸栄養学会・NST稼働認定施設
- 心臓血管外科専門医認定修練施設(基幹)
- 日本脈管学会研修指定施設
- 胸部・腹部ステントグラフト実施施設
- 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術実施施設
- 日本肥満治療学会肥満症外科手術認定施設
- 日本消化器内視鏡学会指導施設
連携施設
東京都立小児総合医療センター、東京都立駒込病院、東京都立多摩南部地域病院 など
各臓器チームの紹介
上部消化管外科
食道・胃の悪性腫瘍(食道がん・胃がん)や、良性疾患(粘膜下腫瘍、食道裂孔ヘルニア、食道破裂など)、病的肥満症に対する外科治療を研修します。
年間約130例の上部消化管手術を実施しており、開腹手術、腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術まで、幅広く経験できます。特にロボット支援下手術は累計500例以上の実績があり、執刀を含む質の高い手術経験を積むことができます。

下部消化管外科
大腸の悪性腫瘍(大腸がん、NET、GISTなど)を中心に、良性疾患(虫垂炎、憩室炎、腸閉塞など)、専門領域から救急疾患まで、幅広く外科診療を研修します。
原発性大腸がん手術は年間250例以上行っており、開腹手術、腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術のすべてを経験することができます。
専門領域として下部消化管外科を目指す際には、大腸の内視鏡外科学会技術認定医、ロボット支援下手術プロクター3名による技術指導を行います。

肝胆膵外科
肝・胆道・膵の悪性腫瘍を中心に、良性疾患や救急疾患を含む幅広い肝胆膵外科診療を研修します。
年間140例以上の肝胆膵手術を実施しており、そのうち80例以上が肝胆膵高難度手術、30例以上がロボット支援下肝胆膵手術です。
シニアレジデントは3か月のローテーション期間中に、腹腔鏡下胆嚢摘出術を約20例執刀し、3年目には習熟度に応じて肝胆膵高難度手術の執刀も経験します。
当院は日本肝胆膵外科学会高度技能医修練施設Aに認定されており、基本手技から高難度手術まで段階的に学ぶことができます。

血管外科
動脈瘤、末梢動脈疾患、急性動脈閉塞症などの動脈疾患、下肢静脈瘤、深部静脈血栓症などの静脈疾患および透析バスキュラーアクセス関連の診療・手術を研修します。
大動脈瘤については人工血管置換術とステントグラフト内挿術を、末梢動脈疾患については外科的血行再建と血管内治療を偏りなく経験できます。年間200例の手術を施行しています。

乳腺外科
乳がんの手術を中心に、乳腺良性疾患を含む乳腺疾患の診断・治療を研修します。
画像診断、針生検による病理診断から、手術、薬物療法の一連の乳がん診療を経験できます。
手術では、乳房部分切除術、乳房全切除術、RFA(ラジオ波焼灼療法)、センチネルリンパ節生検、腋窩リンパ節郭清などを経験し、形成外科と連携した乳房再建についても学びます。
年間約350例の乳がん手術を施行しており、術前・術後薬物療法を通じて、乳がんのサブタイプや病期に応じた治療選択、多職種によるチーム医療についても幅広く研修します。

プログラム責任者から一言
メスを通して社会貢献できる外科医の基礎を修得できるよう、スタッフ一同あたたかく見守ります。
是非一度見学にいらしてください。
外科系プログラム責任者 保坂 晃弘
外科専攻医採用についてのお知らせ
多摩総合医療センター外科専門研修プログラムでは、2027年4月研修開始の外科コース所属の専攻医採用希望者を募集しております。
シニアレジデント募集要項内の東京医師アカデミー応募用紙に必要事項を記載のうえ、電子メールまたは郵送で担当窓口宛に、締切日までにご応募ください。
選考応募締切
2026年10月31日(土)
問合せ及び応募先
東京都立多摩総合医療センター 総務課総務グループ 臨床研修担当
電話 042-323-5111(代表)
e-mailtm_kenshui@tamaso.jp
専攻医メッセージ
研修中の専攻医より
堀江 亮(専攻医3年目)
多摩総合医療センターの外科専攻医プログラムは、幅広く経験したい人にとっても、各分野を専門的に学びたい人にとっても最高の環境です。
当院は東京都多摩地区の中核病院のため、非常に多くの患者さんが紹介されます。そのため各臓器のがんを始め、胆嚢炎や腸閉塞などの救急疾患に至るまで、あらゆる外科疾患を経験することができます。
当院の外科は臓器別のチーム制で診療しており、シニアレジデントは各チームをローテーションします。各チームにはその臓器のスペシャリストがおり、日々その先生方から手厚い指導を受けることができます。
数か月に1度開催される手術手技トレーニング(wet labなど)もあり、シニアレジデント同士で切磋琢磨しています。
また、日々の業務や手術だけでなく、学会発表や論文作成などの学術活動も盛んです。私自身も指導医の熱心な指導のおかげで英文論文を発表することができました。
ここでは当院プログラムの魅力を語り切れませんが、少しでも興味があればぜひ見学にお越しください。
酒井 莉奈(専攻医2年目)
外科医として成長できる環境で働きたいと考え、当院の外科専門研修プログラムを選びました。
当院の外科専門研修の魅力は、豊富な症例を経験しながら、外科診療を系統的に学べる点です。臓器別のチーム制で診療を行っているため、日々の診療の中で一つひとつの症例とじっくり向き合いながら経験を積むことができます。予定手術はもちろん、緊急度の高い症例への対応を学ぶ機会が多いことも大きな特徴です。
実際に働いてみて特に実感しているのは、指導医の先生方に疑問や困ったことを気軽に相談できる温かい雰囲気があることです。日々安心して診療に臨めています。
また同世代の外科専攻医はもちろん、他科の専攻医も多いため、領域を超えて意見交換ができる環境は大きな刺激になっています。
実践的な手術指導も充実しており、経験豊富な上級医のもとで術式選択やアプローチをじっくり学べます。日々、自分の中の引き出しが増えていく実感があります。
私自身、まだまだ学ぶことは多いですが、一つひとつの経験を積み重ね、手術だけでなく患者さんの診療全体を任せてもらえる外科医になることを目標としています。
外科診療を幅広く学びたい方、豊富な症例を通して実践的な外科診療の力を身につけたい方には、ぜひ一度、当院の雰囲気を感じに来ていただきたいと思います。
修了生より
辻 大興(国立がん研究センター中央病院 肝胆膵外科フェロー)
(2021年4月~2026年3月在籍)
私はシニアレジデントとして一般外科研修(3年間)を修了し、その後、肝胆膵チームと上部消化管チームで専門修練(2年間)を行いました。
現在は国立がん研究センター中央病院の肝胆膵外科フェローとして修練をしています。
多摩総での研修の強みは「バランスの良さ」です。
緊急手術とがん手術、開腹手術と低侵襲手術がほどよいバランスで経験できます。さらに指導医のバックグラウンドが多様なため、同じ術式でも複数のアプローチ方法が学べます。電気メスやケリーの使い方でさえも色々あり、自分に合ったやり方を習得できます。この環境は単一の医局関連病院ではなかなか得られません。
「自分の道を自分で選べる」ということも大切です。
多くの手術経験を積む中で、自分がどういう外科医になりたいのかを考えることができます。シニアレジデント修了後の進路も、医局、がんセンターなどのハイボリュームセンター、多摩総でスタッフとして後進の指導をするなど、選択肢はさまざまです。
多摩総の外科は、今後さらにname valueが高まり、素晴らしい教育施設へと成長していくと確信しています。
私自身、異動後も論文作成や臨床・私生活の悩みなど、多摩総の先生とのコミュニケーションを続けています。心の拠り所となる指導医に巡り会える環境というのは、本当に貴重です。
まず一度見学に来て、この雰囲気を味わい、3年間の研修を想像してみてください。
一瀬 諒紀(東京大学医学部附属病院 小児外科)
(2019年4月~2022年3月在籍)
後期研修についてご検討されている皆さまへ
私は、志望科の小児外科へ進む前に一般外科を十分に学びたく、後期研修先として当センターを選びました。理由は3つあります。
まず1つ目は、豊富な症例です。当センターは多摩地域医療圏の中核施設であり、十分な数の症例を経験することができます。
2つ目は研修システムです。各臓器別チームを3か月ごとにローテートすることで、各領域の手術を集中して学び理解が深まるとともに、同じ手技を違う視点から学び直すこともできます。一方で、救急疾患は通年でレジデントが執刀し、緊急手術の研鑽を持続して行うことができます。また外部研修もあり、私は都立小児総合医療センターに出向し、将来像を具体化することもできました。
3つ目は指導体制です。各臓器のスペシャリストの先生から、開腹・腹腔鏡・ロボット手術それぞれの考え方、さらには外科医としての診療姿勢を教わることができます。志望科による差異は無く、熱量をもって診療に臨めば上級医の先生方は必ずそれ以上の熱量で返してくださいます。また、日々の臨床だけでなく、論文執筆も手厚く指導していただけます。
現在、小児外科医として小児専門ハイボリュームセンターで研鑽を積んでいます。
小児外科では成人に比べ手術の機会は少ないからこそ、多摩総で学んだ技術・精神に救われています。自分の芯には常に、多摩総で学び、憧れた外科医像があります。
外科医としてのはじめの一歩を多摩総で踏み出してみませんか。ぜひ一度見学にお越しください。
市川 由佳(当院 乳腺外科)
(2020年4月~専攻医修了後、乳腺外科に所属)
外科医を目指す皆さんへ
私は多摩総合医療センターに外科専攻医として入職し、外科医としての基礎を身につけながら、幅広い症例を経験しました。
その中で自分の進みたい道を考え、現在は乳腺外科を専門としています。
専攻医時代を経て、妊娠・出産も経験しました。仕事と家庭の両立に悩むこともありましたが、周囲の先生方やスタッフに支えていただき、一歩ずつキャリアを積み重ねてきました。
現在は乳腺外科医として、手術や外来診療に日々取り組んでいます。
当院には、さまざまな症例を通して外科医として成長できる環境と、互いに支え合える仲間がいます。
ライフイベントを迎えても、それぞれの状況に合わせてキャリアを続けられることも大きな魅力です。
「外科医になりたい」という気持ちがあれば、ぜひその一歩を踏み出してください。
性別やライフステージに関わらず、自分らしい外科医の道を一緒に築いていきましょう。