頚椎症性脊髄症・神経根症

頚椎症性脊髄症・神経根症

脊柱には脊柱管と呼ばれる管があり、頚椎では脊柱管の中を中枢神経である脊髄(頚髄)が通っています。その脊髄から枝分かれし、椎間孔と呼ばれるトンネルを通って頚椎の外へ出ていく末梢神経を神経根と呼びます。加齢や頚椎に対する長年の機械的ストレスに伴い、頚椎の関節にある軟骨が削れて骨の棘ができたり(頚椎症)、椎間板が変性したり、脊柱管周囲の靭帯が分厚くなったりすると脊柱管や椎間孔が狭くなります。その結果、脊髄が圧迫されて発症する病態を頚椎症性脊髄症、神経根が圧迫され発症する病態を頚椎症性神経根症と呼びます。頚椎症性脊髄症では手足のしびれ、手指を使った細かい作業ができなくなる障害(巧緻性障害)、歩行障害、尿閉・失禁(膀胱直腸障害)などがみられ、頚椎症性神経根症では頚部や肩甲骨周囲の痛み、上肢の痛みやしびれなどがみられます。頚椎症性脊髄症の進行例は手術が必要となり、主に首の後ろ側から神経の通り道をひろげる手術(脊柱管拡大術)が適応となります。頚椎症性神経根症はほとんどの例が保存治療(内服、頚椎カラー、神経ブロック、牽引など)で改善していきますが、いっこうに症状が良くならなかったり、筋力低下が進行する場合には脊椎内視鏡による椎間孔拡大術や前方除圧固定術などを検討することがあります。

<頚椎症性脊髄症のMRI画像例>

頚椎を横から見た画像で、頚椎(Cervical spine)をCで表記しています。脊柱管の中の白い部分が脳脊髄液、黒い部分が脊髄ですが、C3/4、C4/5、C5/6では前方と後方からの圧迫により脳脊髄液の通りが悪くなり、脊髄が圧迫されています。

<脊柱管拡大術のCT画像>
手術により脊柱管の前後の径は9mmから15mmに拡大されています。

最終更新日:2026年4月20日