骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折
骨粗鬆症が進むと、尻もちや転倒、あるいはちょっとした日常動作や衝撃で背骨が骨折してしまうことがあります。折れた背骨が不安定となるため、寝返りをうつときや起き上がるときに耐えがたい背中の痛みを生じるのが特徴です。コルセットを装着し、骨粗鬆症に対する適切な治療を行えば、通常は2カ月程度で治癒していきますが、約10人に1人は骨が癒合せず2ケ月以上経過してもさらに骨が潰れることがあり、この病態を偽関節(ぎかんせつ)、あるいは遅発性椎体圧潰と呼びます。骨の潰れ方がひどい場合は背骨の変形や姿勢異常、消化器系・呼吸器系の障害を起こすことがあるので、痛みが長期間続いたり背骨の変形が進む場合は注意が必要です。また、骨折の骨片が脊柱管内部や椎間孔と呼ばれる神経の通り道に突出して坐骨神経痛や神経麻痺を起こすこともあります。当科では病状に応じて、セメントを椎体の中に入れて安定化させる経皮的椎体形成術(BKP)、神経除圧術、セメントスクリューを用いた後方除圧固定術などを行っています。

背中の2箇所に5mmの皮膚切開をおき専用の風船で椎体内部を拡げた後、セメントを充填(じゅうてん)します。

左側の術前レントゲン画像:L3の骨が新しく圧迫骨折をおこし、下肢の神経症状が出現していました。なお、L1も潰れていますが古い骨折で治癒後の骨折でした。
右側の術後レントゲン画像:後方から椎弓という骨を削って神経の圧迫を解除し、スクリューで上下の椎体を固定しました。L3椎体の内部に人工骨を詰めて補強する「椎体形成術」も同時に行っています。
最終更新日:2026年4月20日

