脊椎外傷・脊髄損傷

脊椎外傷・脊髄損傷

交通事故やスポーツによる事故、高所からの転落などで大きな外力が背骨に加わり、脊椎の骨折や脱臼、椎間板や靭帯の破綻などを伴いながら脊髄が損傷されるケースや、高齢な方が軽い外傷で首や頭を打った結果、骨折を伴わずに頚髄を損傷する「非骨傷性頚髄損傷」のケースがあります。高齢化が進む近年では後者が増加傾向で、頚髄損傷全体の6〜7割が非骨傷性と言われています。これは加齢に伴う頚椎の変形(変形性脊椎症)や脊柱管周囲の靭帯の骨化(黄色靭帯骨化・後縦靭帯骨化)によって脊髄の通り道が狭い箇所が受傷前から存在し、この部位に外傷が加わることにより発症します。
脊髄損傷部位が頚髄の場合は上肢・体幹・下肢の麻痺を生じ、胸髄以下の場合は体幹部・下肢の麻痺を生じます。また頚髄が損傷されると、上肢・下肢の麻痺に加え、呼吸障害を合併することもあり、重症例では人工呼吸管理や気管切開を要することがあります。そのほか、脊髄損傷では循環管理・消化器管理・尿路管理などさまざまな全身管理が必要となることが多く、救命救急センターと連携しながら治療を行います。脊椎の骨折や脱臼により強い不安定性を生じている場合や、脊髄の損傷があって圧迫が高度である場合には手術(損傷脊椎の整復・固定、脊髄の除圧)が検討されます。

最終更新日:2026年4月20日