小児・周産期の看護

小児・周産期の看護

乳幼児の看護

PPEの工夫

子どもは、慣れない入院生活や家族との分離により啼泣が多くみられます。そのため、病室内は飛沫により常にウイルス汚染されている状況であり、成人患者以上にPPEの確実な装着が求められます。 
小児総合医療センターでは、子どもへの接触度合いにより、2種類のPPEを使い分けており、通常の対応では【写真A】のように、検体採取や入浴介助などで、子どもを抱きかかえる必要がある場合は、全身を覆う【写真B】のようにPPEを着用しています。

【写真A】
【写真B】

面会制限

子どもの入院中は、家族もCOVID-19陽性で入院していることも多いため、スマートフォンを活用して家族と話ができるようにしています。 
主に成人を対象とした一般病院では面会禁止の場合が多いのですが、子どもの成長・発達のためにも面会時間を制限しながらも感染管理を徹底しつつ、できる限り面会を継続しました。

保育士との連携

保育士は、感染管理上、隔離病室内への入室はできませんが、子どもの心の支えとなります。

窓越し保育
イベント開催

<退院おめでとうカード>

長期入院の子どもやコロナ対応で両親との面会がなかなかできない子どもたちに、入院生活を頑張った証として退院時に渡しています。面会時間が制限されていた両親に対しても、入院中の子どもの様子を知ることができるカードです。

退院おめでとうカード

学童の看護(学習支援)

入院した子どもたち(小学校から中学校の学童期の子ども)は、短期間で退院するため特別支援学校への転校は行わず、在籍している担任教師からの宿題や課題を入院中も行っていました。また、年長児に対しては、病室内と外をオンラインでつなぎ、心理士、精神科医師による面接も実施していました。

母乳育児支援

COVID-19陽性の産婦(分娩期)を受け入れ、母乳育児支援を行いました。産後の母乳育児支援はセルフケアができるまで助産師が乳頭刺激を定期的に行い、出産翌日の歩行開始後はCOVID-19専門病棟に転棟するため、転棟後は助産師の訪問によるケアを実施しました。母子の面会はオンライン。母が退院後は自宅で搾乳を冷凍保存してもらい、2週間の母子分離期間終了後、搾乳を与えられるようにしました。

<搾乳を安全に届ける取組> 
コロナで入院中の母親が出産後の搾乳時に、咳による飛沫や取り扱いによって母乳がコロナに汚染されないよう、安全な搾乳・運搬・保管方法について関連部門で話し合いを行いました。入院中の母親の母乳を安全に赤ちゃんに届けるため、言語的コミュニケーションが困難な褥婦に対しても理解できるよう、搾乳やパッキングの方法について写真付きリーフレットを作成しました。また、助産師は1日1回褥婦を訪問し、搾乳を保冷パックに入れて児のもとに搬送しました。