都立病院におけるインシデント・アクシデント・レポートの第13回集計結果について

2014年11月18日

病院経営本部では、医療の全過程において発生したどんな些細な出来事でも、気付いたことはレポートとして報告し、その分析を通じて、医療事故の発生を未然に防止することを目的とするインシデント・アクシデント・レポート制度を平成12年8月から実施している。 今回、平成25年4月から平成26年3月までの1年間に全都立病院で報告されたレポートの集計結果をとりまとめたので報告する。

「インシデント」: 日常診療の場で「ヒヤリ」「ハッ」としたが、実施させる前に気づいたもの、何ら影響がなく患者に変化がないもの、何らかの影響を与えた可能性があり、観察の強化や検査の必要性が生じたもの
「アクシデント」: 患者に何らかの変化が生じ、治療・処置を要したもの、集中治療や生命維持のための措置を要したもの、事故が死亡に関連した疑いのあるもの

1 概要

(1) 対象

平成25年4月から平成26年3月までの1年間に全都立病院で報告されたレポート

(2) 報告件数

総数:24,235[インシデント:23,295件(96%)、アクシデント:940件(4%)]
レポート総数は1,426件の増加。インシデント、アクシデントの割合に大きな変化なし。
(前年度:22,809件[インシデント:22,075件(97%)、アクシデント:734件(3%)])

(3) 集計・分析結果の概要 (( )は前年度集計)

インシデント等の種類

「薬剤」33%(35%)、「転倒・転落」16%(15%)、点滴等が外れてしまう「抜去」が15%(16%)、前回の集計と同様、これら3種類で全体の約64%を占める。

診療科別

「外科系」35% (39%)、「内科系」35%(34%) :「薬剤」、「抜去」、「転倒・転落」が多い。
「精神科」16% (11%) :「転倒・転落」「薬剤」に関するものが多い。
「小児科」12% (14%) :「薬剤」「抜去」「食事」に関するものが多い。

職種別レポート提出状況

「看護師」85% (86%)、「医師」4% (3%)、「薬剤師」3%(3%)、「栄養士」1%(2%)

時間帯別

「日勤帯」(午前9時~午後5時)51% (49%)
「準夜帯」(午後5時~午前0時)27% (27%)
「深夜帯」(午前0時~午前9時)22% (24%)

2 今後の取組み

「都立病院改革推進プラン」の掲げる「医療安全管理対策の推進」のため、全都立病院に共通する事故予防対策の企画・立案を行い、速やかにこれを実施するなど、引き続き医療安全管理体制の充実・強化を図っていく。