都立病院におけるインシデント・アクシデント・レポートの第18回集計結果について

2020年02月05日

病院経営本部では、医療の全過程において発生したどんな些細な出来事でも、気付いたことはレポートとして報告し、その分析を通じて、医療事故の発生を未然に防止することを目的とするインシデント・アクシデント・レポートの集計を平成12年8月から実施している。
今回、平成30年4月から平成31年3月までの1年間に全都立病院で報告されたレポートの集計結果をとりまとめたので報告する。

「インシデント」: 日常診療の場で「ヒヤリ」「ハッ」としたが、実施する前に気づいたもの、何ら影響がなく患者に変化がないもの、何らかの影響を与えた可能性があり、観察の強化や検査の必要性が生じたもの
「アクシデント」: 患者に何らかの変化が生じ、治療・処置を要したもの、集中治療や生命維持のための措置を要したもの、事故が死亡に関連した疑いのあるもの

1 概要

(1) 対象

平成30年4月から平成31年3月までの1年間に全都立病院で報告されたレポート

(2) 報告件数

総 数

25,654件[インシデント:24,410件(95%)、アクシデント:1,244件(5%)]

レポート総数は1,646件の減少。インシデント、アクシデントの割合に大きな変化なし。
(前年度:27,300件[インシデント:25,973件(95%)、アクシデント:1,327件(5%)])

(3) 集計・分析結果の概要 (( )は前年度集計)

インシデント等の種類

「薬剤」 32%(32%)、「転倒・転落」 14%(14%)、点滴等が外れてしまう「抜去」が 13%(14%)、これら3項目で全体の約 59%(60%)を占める。

診療科別

「外科系」33%(33%)、「内科系」32%(32%):「薬剤」、「抜去」、「転倒・転落」が多い。
「精神科」20% (20%) :「薬剤」、「転倒・転落」に関するものが多い。
「小児科」13% (13%) :「薬剤」、「抜去」、「食事」に関するものが多い。

職種別レポート提出状況

「看護師」84% (85%)、「医師」6%(6%)、「薬剤師」2% (2%)

時間帯別

「日勤帯」(午前9時~午後5時)54% (52%)
「準夜帯」(午後5時~午前0時)26% (27%)
「深夜帯」(午前0時~午前9時)20% (21%)

      • 端数処理のため、合計が100%にならない場合がある。

2 今後の取組み

平成30年3月に策定された「都立病院新改革実行プラン2018」に掲げる「医療安全管理対策等の充実」の実現に向けて、全都立病院に共通する事故予防対策の企画立案や実施、各病院で起きた事例に対する再発防止策などの情報共有を積極的に推進するなど、引き続き医療安全管理体制の強化を図っていく。

都立病院におけるインシデント・ アクシデント・レポートの第18回集計結果(PDF 1MB)