入院治療について

精神疾患を持った患者さんの外科治療を、病棟専属の精神科医と協力して、精神面と身体面の両方から治療を行っていきます。患者さんの精神症状や病態に合わせて、できるだけ身体抑制・拘束をしない方針としていますが、術後せん妄など、精神面が落ち着かず、点滴やおなかの管を自分で抜こうとする、など術後管理において危険性があると判断した場合は、患者さんの命を守るために身体拘束をさせていただくことがあります。
多職種チーム医療として、手術治療と並行して栄養管理やリハビリテーションも行っております。必要な方には栄養チームが介入して、周術期の栄養療法にも配慮し、また術後早期から(必要な場合は手術前から)、リハビリ訓練を開始することで、術後の筋力低下や呼吸機能の低下を予防につとめています。

術後

がんの治療の場合、進行度によっては追加で治療が必要な場合もあります。患者さんの状態によって適切な術後フォローを行います。当院から遠いところにお住まいの患者さんの場合、地元のかかりつけ医の先生と連携をとることもできますので、ご相談ください。

これまでの入院例

一般病院での通院や入院が困難な方、精神症状が落ちつかず一般病院での通院や入院が困難な方、高度の認知症のため一般病棟で入院生活が困難であり治療を断られた方などもいらっしゃいます。

  1. 60歳代男性 大腸がん
    精神疾患は、早期アルツハイマー型認知症。 
    一般病院に直腸癌の手術のために入院しましたが、入院していることを忘れ、入院その日に自宅へ帰ってきてしまいました。病院側から治療継続は困難と言われ、そのまま退院となりました。その後、当院を紹介されて受診し、腹腔鏡下手術を受けました。入院中は精神科医のサポートもあり、問題行動なく落ち着いて過ごされていました。術後経過は良好であり、術後14日目に自宅へ退院されました。
  2. 70歳代男性 急性胆嚢炎 
    精神疾患は、統合失調感情障害。
    腹部痛、発熱で動くことができず、都内総合病院へ救急搬送されました。急性胆嚢炎の診断で抗菌薬が投与されましたが、興奮状態であったため入院加療ができず、当院へ転院搬送されました。抗菌薬で炎症は改善しましたが、胆嚢内に結石が充満しており、再度胆嚢炎を起こす可能性が高い状況でしたので、入院中に胆嚢摘出術を行うことをご本人にお勧めしました。
    入院時は精神症状が落ち着かず、診療を拒否されていましたが、身体治療と並行して精神科治療を行うことで、ご自身の状況を理解され、手術を希望されるようになりました。
    手術を受けた後の経過は良好で、術後3日目より食事を開始し、身体のリハビリテーションを行った後、27日目に退院されました。