入院治療について

①精神科疾患のない方へ

当院には、精神科病棟だけでなく一般病棟もありますので、精神科疾患のない方も安心してご入院・治療を受けていただけます。
入院中に「なかなか眠れない」「不安が強くなってしまった」といったことがありましたら、どうぞ遠慮なく担当医にご相談ください。必要に応じて、精神科医の診察を受けていただくことも可能です。

②精神疾患をお持ちの方へ

当院では、精神疾患をお持ちの患者さんにも安心して外科治療を受けていただけるよう、病棟専属の精神科医と外科医が連携し、心と身体の両面からサポートを行っています。

入院治療の際には、患者さんの病状や精神状態に合わせて、コミュニケーションの工夫・環境の調整・食事内容・薬剤の調整などを行います。

手術の内容に関しても理解しやすいような説明を心掛けています。

また、当院では多職種が協力し、外科治療だけでなく栄養管理やリハビリテーションにも力を入れています。必要に応じて栄養サポートチームが介入し、手術前後の栄養状態をきめ細かく整えます。術後早期から経口栄養(お口からの食事)も行っています。さらに、術後早期から、必要な場合は手術前からリハビリテーションを始めることで、筋力や呼吸機能の低下を防ぎ、早期回復を目指しています。 

患者さんとご家族が少しでも安心して治療を受けられるよう、私たちは心と身体の両面から支える医療を大切にしています。

せん妄とその対応について

せん妄とは

身体の病気やお薬、手術のストレスなどが原因で、一時的に意識がはっきりしなくなる状態のことをいいます。
術後に起こる「術後せん妄」は多くの場合、一過性であり、1週間ほどで自然に改善することがほとんどです。

症状としては、昼と夜の区別がつかなくなったり、日にちや時間がわからなくなったり、落ち着かなくなったり、怒りっぽくなることがあります。特に高齢の方や認知症のある方では起こりやすいとされていますが、リスクのある薬剤を術前に休薬するなどの予防を行っても、完全に防ぐことは難しい場合があります。

せん妄が起こった場合の対応

もし術後にせん妄が生じ、意識が混乱して点滴やお腹の管を自分で抜こうとするなど、患者さんの安全が心配される場合には、命を守るために最小限の身体拘束を行うことがあります。

当院では、できる限り身体拘束を行わない方針を大切にしています。やむを得ず拘束が必要な場合でも、病棟スタッフが毎日カンファレンスを開き、状況を丁寧に確認しながら、できるだけ短期間で拘束を解除できるよう努めています。

患者さんが少しでも安心して過ごせるよう、スタッフ一同でサポートいたします。