自己免疫研究室
神経病院は1980年の開設以来、変性疾患を中心に様々な研究に取り組んでまいりましたが、2025年4月に鈴木重明副院長が着任したことを踏まえ、新たに「自己免疫研究室 (Autoimmune Laboratory)」を整備いたしました。
神経病院は2029年度に、膠原病・リウマチ内科の診療科が多摩総合医療センターから加わり、難病医療センター(仮称)として新病院になる予定です。神経病院の臨床と研究はこれまで変性疾患が中心でしたが、難病医療センター(仮称)では自己免疫疾患も大きな柱になります。自己免疫研究室は、難病医療センター(仮称)に向けて臨床研究の充実をミッションとしています。重症筋無力症、炎症性筋疾患、免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象が主要な研究テーマですが、今後は脳神経内科領域に限らず、自己免疫疾患を幅広く研究対象としていくつもりです。研究のコンセプトは患者さんから提供していただいた血液(血清、リンパ球)や筋肉など検体を用いた臨床研究です。臨床医の立場から日々感じる疑問点や問題点の解決点を目指していきます。また神経病院以外の医療機関からも、自己抗体測定などのご依頼を無償でお受けし、結果だけでなく診断や治療について議論する機会があれば幸いです。基礎的な研究については、様々なラボとの共同研究を展開していく予定です。
免疫チェックポイント阻害剤が原因で起こる神経や筋肉の免疫関連有害事象 (immune-related adverse events, irAE)は、一般的な臨床特徴と異なり、急速に症状が進行し、重篤な場合が多く、診断や治療に難渋する場合があります。近年、がんが原因で神経障害が出現する傍腫瘍神経症候群と神経系irAEの関連が注目されています。自己免疫研究室では傍腫瘍神経症候群に関連した神経抗体 (Euroline paraneoplastic neurological syndrome 12抗原)の測定をいたします。免疫チェックポイント阻害剤使用後に神経系irAEの発症が疑われる患者さまをご経験された際は、是非ご相談ください。
研究協力のお願い
研究の概要につきましては、下記のPDFをご覧ください。
研究説明同意文書(PDF 567.4KB)
研究への同意書等
自己抗体測定依頼書(Word 18KB)
研究同意書(PDF 359.9KB)
連絡先
〒183-0042 府中市武蔵台2-6-1
都立神経病院副院長 鈴木重明 (sk_autoimmune@tmhp.jp)
検体送付方法
自己抗体測定依頼書、同意書と共に冷蔵/凍結した血清3 mLまたは室温/冷蔵したヘパリン採血管10 mLを平日の日中着でお送りください。
いずれの検体でも保冷剤を梱包した冷蔵便でお願いします。ドライアイス梱包は不要です。
宛先
〒183-0042 府中市武蔵台2-6-1
都立神経病院 自己免疫研究室 鈴木重明 (042-323-5110)

