麻酔科の診療内容(患者さんへ)

手術の麻酔

当院では、脳神経外科、神経耳科、神経眼科、脳神経内科、神経小児科の手術や検査の麻酔を担当しています。院内の全身麻酔はすべて麻酔科医が担当しています。手術は人間の身体に対する最大の人為的な侵襲です。てんかんや脊髄腫瘍など長時間の手術も多いことが当院の特徴ですが、最新の知識と技術を駆使して、安全・快適な麻酔を行うために日々研鑽しています。

集中治療室(ICU)

当院にはICUがあり、6床のベッドには生命の危機に瀕した重症な患者さんを収容し、人工呼吸や精密な点滴、血液浄化などの集約的な治療を24時間体制で行っています。

当院が専門とする神経疾患では、呼吸するための筋肉の力が弱くなったり、呼吸中枢と呼ばれる呼吸をつかさどる脳の機能が障害されたりして、自分では呼吸ができなくなる患者さんが多くおられます。そのような患者さんには人工呼吸が必要になることがあり、ICUで集約的な治療を行っています。

他にも一般病棟では治療が難しい敗血症や多臓器不全などの重篤な患者さんの治療を担っています。また、脳神経外科の手術を受けた患者さんの術後管理もICUで行います。麻酔科医は呼吸・循環・感染の管理において、主治医とカンファレンスを重ねて、病態に対する共通の認識や治療方針を持って、協力して治療に臨むよう努めています。

ペインクリニック(痛みの診療)

神経病院の建物の中には外来設備がありません。そのため、他の診療科と同様に隣接する都立多摩総合医療センターの麻酔科外来で、毎週金曜日にペインクリニック外来を行っています。(当院でも、2016年7月から第2水曜日のみですが、地下1階においてペインクリニック外来を開始いたしました。基本的には、初診は都立多摩総合医療センターで診察させていただいております。)受診を希望される場合、都立多摩総合医療センターの金曜日外来に、神経病院麻酔科医師宛ての紹介状をご持参のうえ受診いただけますと幸いです。

治療の対象疾患は幅広く、急性期の帯状疱疹痛、帯状疱疹後神経痛、手術後にも続く痛み、がんの痛み、頚部痛、上肢痛、腰臀部痛、下肢痛、頭痛、三叉神経痛などの顔面痛、顔面神経麻痺、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、脳卒中後疼痛、外傷性脊髄損傷後疼痛、線維筋痛症など様々です。当院は神経専門病院であることもあり、パーキンソン病や視神経脊髄炎など、神経疾患に関連した痛みで紹介されることが特徴です。外来通院での治療が困難な場合や集中的な治療を要する場合は、当院に入院のうえ、綿密に治療計画を立てた治療も行っています(1日~2週間の入院)。神経疾患に関連しない原因の痛みにも対応していますので、痛みでお困りの方は是非ご相談ください。