ファシリティドッグ「アイビー」の紹介

 当院では、小児がんや難病などの病気と闘う子どもと家族の療養環境を向上させるため、令和元年8月1日よりファシリティドッグを導入しました(都内におけるファシリティドッグ導入は初、全国では三例目)。
 なお、当該事業は認定特定非営利活動法人 シャイン・オン・キッズと協働で行っています。

ファシリティドッグ紹介

ファシリティドッグ写真

名前  :アイビー
犬種  :ラブラドール・レトリーバー(♀)
誕生日:2017年1月22日
出身地:アメリカ合衆国カリフォルニア州
    シアトル郊外育ち
          ハワイ州にてアドバ ンス研修終了
生き物大好き、泳ぐことが得意
ラブラドールのファシリティドッグは日本初

ファシリティドッグ・ハンドラーの紹介

スタッフ写真

名前:大橋真友子(おおはしまゆこ)
職歴:看護師として臨床経験16年
   生き物(昆虫以外)大好き、4児の母、現役子育て中

“しっぽの生えたお友達”アイビーにしかできないこと

 ファシリティドッグとは、幼少期より専門的なトレーニングをつんだ犬で、病院内での安全なコントロール技術を学んだ「ハンドラー」と共に、一つの施設(ファシリティ)に常勤で働く犬です。
 アイビーは、子どもたちとのふれ合いの他、検査や手術室への同行、採血や処置の現場で応援をしたり、リハビリなどの治療計画に加わることができます。アイビーが医療現場で安全に活動ができるよう、シャイン・オン・キッズでは「ハンドラーは臨床経験のある医療従事者」と定めており、私は看護師資格を持っています。ハンドラーを目指す前は、小児医療に携わっていました。

 他のファシリティドッグと同様に、アイビーも周囲の人の気持ちを汲み取るのが上手です。普段、子どもと遊ぶときは「次は何をする?」と目をキラキラさせながら次の指示を待っていますが、その子が検査前で不安な時は、私が指示を出さなくても、そっと身体を寄せて静かに目を閉じます。不安そうな声を出したときは、「大丈夫、ここにいるよ」と言うようにさらに身体を近づけます。まるでその場の空気を読んで、その子が求めているものを察知できるようでした。
 「怖い検査の前はアイビーにいてほしい」と言ってくれる子もいます。アイビーは痛みを取ることはできませんが、不安な気持ちを減らすことができます。

 これからもたくさんの子どもたちの支えとなれるよう、ファシリティドッグ・アイビーをよろしくお願いします。

ファシリティドッグ・ハンドラー 大橋真友子

アイビーの写真

みんなを笑顔にする医療チームの仲間「アイビー」

 入院中の子どもの笑顔を取り戻すにはどうすれば良いか、いつも考えさせられる課題です。そして、職員への院長訓辞では、「みなさん、いつも笑顔で働きましょう。皆さんの笑顔で子どもたちも笑顔になれます。」と、いつもお願いしていました。

 アイビーとハンドラーの大橋さんの「アイビーチーム」は、病気と闘う子どもたちを、笑顔にしてくれます。そして、家族、職員、もちろん、私も笑顔にしてくれます。

 ファシリティドッグは医療者です。毎日のように、子どものそばにいてくれることで、子どもたちが治療に前向きになれ、ストレスが軽減し、副交感神経優位にするなどにより治療成績に影響するとの報告があります。この医療効果に関するエビデンスを検討して、社会にアピールしていくのも我々の努めです。

 犬の脳の聴覚野には、人の喜怒哀楽、体調を読み取る特別な能力があります。アイビーはいつも病棟で接しているこどもたちの体調を察知し、対応できる医療者としての能力があると思います。また、アイビーが、そこにいることが潤滑剤となり、医療者、患者、家族とのチームワークがうまれ、患者参加のチーム医療に貢献してくれます。

 私も、廊下でアイビーに出会うと、ついつい頭をなでてしまいます。アイビーに触る前に必ず手指衛生して下さいと注意されました。感染症、アレルギー、犬が苦手な人へのルールを守り、ファシリティドッグチームを応援していきましょう。

院長 廣部誠一

医院長とアイビー

「認定特定非営利活動法人 シャイン・オン・キッズ」について

 シャイン・オン・キッズは、小児がんで息子を亡くした理事長キンバリーの意志のもと「小児がんや重い病気と闘う家族のための全面的サポートを作り上げよう。病気の子どもたちも、そして支える家族にもっともっとたくさんの笑顔を!」という目的で活動しています。
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認定特定非営利活動法人 シャイン・オン・キッズ(外部リンク)