
当院は,戦後間もなく開設された結核保養所を前身とし,都立府中病院として長く地域に支えられてまいりました。2010年に敷地内に新築移転を果たし,都立多摩総合医療センターと改称して,施設を共有する都立小児総合医療センターや都立神経病院などと共に公的広域基幹病院として,大規模な医療を展開しております。
当院の使命は、地域の皆様と連携して,行政的医療や先進的医療を提供し,多摩都民の命と健康を守ることにあります。2022年7月1日を持ちまして,当院は地方独立行政法人組織に移行いたしますが,その使命が揺らぐことはありません。
行政的医療の要である救急医療においては,引き続き「東京ER多摩」を運用して,24時間365日にわたって、脳卒中,心血管疾患,重症呼吸不全,多発性外傷,あるいは母体救命など幅広い救急に対応しております。今回の新型コロナ感染症の流行においては、既に3000人を超える入院を受け入れ,ECMOを含む集中治療においても全国随一の成績を挙げることが出来ました。また総合周産期センターとしては、多摩全域の困難事例に対応しており,最近では感染合併出産も多数実施しております。
一方、がん診療拠点病院としては、血液疾患を含む多種多様ながんに対してエビデンスに基づいた堅実な治療を行うと共に,ロボット支援手術や強度変調放射線治療あるいはゲノム医療などの先端技術を積極的に導入して,高い治療実績を挙げています。
当院の強みは、これらの高度専門医療を支える総合的な医療機能にあると考えており、それを支える教育研修活動には特に力を入れているところです。
当院は今後とも、都民の健康に貢献するため、他の医療機関と連携し、総合医療機能を有する高度急性期病院として、職員一丸となって取り組む所存です。何卒ご支援とご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。
2022年7月1日
地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立多摩総合医療センター
院長 樫山鉄矢