放射線治療部門

リニアックによる外照射(高エネルギーX線)

▲多方向から病変の形に合った放射線ビームを当てる(食道がんの治療計画)
▲リスク臓器を避け放射線を当てる(食道照射の線量分布図)

当院の特色

  • 高精度放射線治療(IMRT、SRT)を行っています
  • 照射精度を高めるため画像誘導放射線治療(IGRT)を行っています
  • 治療計画装置(RTPS)で立案した治療計画が正しく照射されるかどうかを全例で実測、検証しています
  •  放射線治療品質管理プログラムを実施しています

注意事項

  • 放射線治療は基本的に毎日行います(土、日、祝日除く)
    治療時間は10分程度です
  • 治療期間は疾患の種類、照射方法などにより変わります
    多くは2週間から2か月程度です
    詳しくは治療担当医師へお尋ねください
  • 放射線治療は痛みや熱さなどを感じることはありません

装置・機器

▲リニアック室
▲リニアック操作室
▲放射線ビーム照射口と ビームトリミング装置
リニアック装置Varian社製 Clinac iX
定位放射線治療装置BrainLAB iPlan RT
治療計画装置Varian Eclipse15.1
日立 RayStation4.7
治療計画用CTシーメンス製 SOMATOM Definition AS64
竹中製 レーザシステム
検証用測定機器ArcCheck Profiler DDSystem ガラス線量計

小線源治療 ヨウ素125永久挿入密封小線源による前立腺がん治療

▲経直腸エコーを使って 線源挿入計画
▲前立腺と直腸の 線量分布
▲線源挿入後X線写真
▲線源挿入後CT検査

当院の特色

  • 放射性物質(ヨウ素125)の入った非常に小さな密封されたカプセルを前立腺内に挿入、永久留置し前立腺内の癌病巣へ放射線を直接照射する治療です
  • ヨウ素125の出す放射線は体内では、透過力が弱く短い距離で組織に吸収されますので、他の組織にはあまり放射線の影響を与えず線源が挿入された前立腺だけ放射線の効果が得られます
  • 開腹手術と比べ輸血の心配が無く、外科的手術に起因する合併症を抑えることができ、患者さんに「やさしい」治療法です
  • 高齢者や合併症のある早期がん症例への根治的治療であり、前立腺内への放射線集中照射による治療効果の増大と副作用の軽減が期待できます
  • この治療により、体への負担軽減と入院期間を短縮することが可能です

注意事項

  • 手術時間は1〜2時間程度です
  • 小線源治療を行うには、まず診察を受け適応の可否を決定します。適応ならば計画予定日を決定します
  • 計画日には、必要な線源の本数を割り出すために直腸エコー検査と手術体位のシュミュレーションを30分くらいかけて行います
  • 必要な線源は、発注されてから海外で作られ日本へ届けられますので、治療はその約1ヶ月後となります
  • 治療日の前日に入院していただき、通常は3泊4日で退院となります

装置・機器 Varian社製 前立腺がん密封小線源永久刺入治療支援システム VariSeed

▲小線源治療スタッフレイアウト
▲小線源治療準備風景
▲小線源治療現場

寡分割照射

働きながら通院治療を希望される患者さんも増えてきており、通院しやすい環境作りとして、現在の照射方法より短期間に終了する照射方法(寡分割照射)の運用を開始致しました。寡分割照射は一回当たりの線量を増加し、治療期間の短縮を行う照射方法になります。対象は、乳癌・前立腺癌で、照射期間はそれぞれ5-6週→3-4週、8週→5.5週と短縮が可能になります。臨床試験成績については従来の照射方法と比較し、乳癌では、10年局所再発率、全生存率、整容性に差はなく、前立腺癌では、5年無病生存率、晩期毒性に差はなく、超寡分割群で泌尿器毒性がわずかに増加との結果が出ています。働きながら照射を行う患者様の選択肢の1つとしてご検討していただければ幸いです。適応等ありますので、不明な点やご相談がありましたら放射線科までご連絡ください。