病院情報の公表(DPCデータに基づく臨床指標)

病院情報の公表(DPCデータに基づく臨床指標)

はじめに 

当院のDPCデータに基づく臨床指標を公開します。その目的は、患者さんや地域住民の皆さんに当院の急性期医療の現状と特徴について、より理解を深めていただくことにあります。当院はこうして得られたデータをもとにさらなる医療の質の向上に努めてまいります。

集計方法と定義

  • 毎年10月頃に前年度実績を公開しています。
  • 医療保険を使用された患者さんのみを対象とし、労災、公災、自動車賠償責任保険や自費の患者さんは含みません。
  • 入院後、24時間以内に死亡した患者さんは対象外です。
  • 患者数が10未満の場合は ‐(ハイフン)で掲載しております。
  • 厚生労働省が指定する条件に基づいて集計し、作成しています。

令和6年度 東京都立豊島病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)(外部リンク)

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率

年齢階級別退院患者数

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年齢区分0~10~20~30~40~50~60~70~80~90~
患者数56417122029445581999518771405397
当院では、「救急医療」、「脳血管疾患医療」、「がん医療」の3つを重点医療とし、「感染症医療」、「精神科救急」などの行政的医療や「緩和医療」、「周産期医療」など特色ある医療に積極的に取り組んでいます。
令和6年度のDPCの退院患者数は、7,197人となりました。(令和5年度よりも117人増)
DPC対象患者さんの年齢層のは幅広く、最も多い年齢層は70~79歳で1,877人となっており、全体の26.1%を占めます。(令和5年度より70~79歳は54人増)
60歳以上の患者さんは全体の64.9%を占めております。また、0~9歳の患者さんは7.8%を占めております。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

呼吸器内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
040040xx9910xx肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし406.353.03576.3
0400802499x0xx肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし3916.0316.412.8285.49
040081xx99x0xx誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし3120.7720.7812.982.74
040150xx99x0xx肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術なし 手術・処置等2なし1428.522.2821.4371.36
040100xxxxx00x喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし118.826.38058.73
呼吸器内科では、進行肺癌に対しての診断、化学療法、化学放射線療法の施行、また重症喘息に対して生物学的製剤の導入などを中心に、幅広い呼吸器疾患に対して、適切に診療を行っております。

循環器内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
050070xx03x0xx頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし1204.24.471.6767.71
050050xx9920xx狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし993.343.27067.84
050130xx9900x0心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外7615.4117.339.2182.32
050050xx0200xx狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし384.394.18066.39
050050xx9910xx狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし363.173.07069.25
循環器内科は23区西北部の循環器救急医療の一翼を担っており、東京都CCUネットワークに加盟しています。
虚血性心疾患に対する「冠動脈形成術」や心房細動などの不整脈に対する「カテーテルアブレーション手術」は、3泊程度の短い入院期間で治療が可能です。
高齢化に伴い高齢心不全患者が増加傾向にあります。
心不全入院例に対しては多職種による「心不全チーム」が毎週心不全カンファレンスを行い、治療方針や退院後の療養計画の検討を行っています。入院中に開始した心臓リハビリテーションは外来でも継続できるよう体制を整えています。

消化器内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
060100xx01xxxx小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術1612.22.57064.03
060340xx03x00x胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし907.528.887.7873.48
060020xx04xxxx胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術286.437.45076.07
060350xx99x0xx急性膵炎、被包化壊死 手術なし 手術・処置等2なし196.7410.54048
060130xx0200xx食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 内視鏡的消化管止血術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし176.888.9069.35
消化器内科では食道・胃・十二指腸・小腸・虫垂・大腸・肝臓・胆嚢・胆管・膵臓と多くのさまざまな臓器の疾患を扱っています。
特に別項「診療科別主要手術別患者数等」でも述べますが、内視鏡検査、治療を数多く行っております。
令和6年度最も多かったのは、小腸大腸の良性疾患に対するポリープ切除の症例でした。また、それ以外で多い疾患は主に救急を要する腹部の疾患となっております。

内分泌・代謝内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
10007xxxxxx1xx2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり3712.5913.77064.3
10007xxxxxx0xx2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし249.6710.46058.63
100040xxxxx00x糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし13.07
040081xx99x0xx誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし20.78
100393xx99xxxxその他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし9.83
内分泌・代謝内科では、糖尿病や高脂血症などの代謝疾患、さまざまなホルモンの異常(甲状腺・下垂体・副腎など)、肥満症、メタボリック症候群等による内分泌疾患を扱います。
令和6年度は2型糖尿病の教育入院が主となっており、看護師、管理栄養士、薬剤師などと多職種連携を図り治療にあたっています。
また、他の病気で入院中の糖尿病を合併する患者さんに、主科とともに診療を行い、総合診療基盤を支えています。
各内分泌疾患の機能検査も行っています。

神経内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
030400xx99xxxx前庭機能障害 手術なし384.134.67069.66
010060xx99x20x脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし1816.8316.9444.4476.61
010230xx99x00xてんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし1510.276.8913.36355.13
010110xxxxx40x免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等24あり 定義副傷病なし15.45
010160xx99x00xパーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし17.95
神経内科では、きわめて多岐にわたる神経疾患を取り扱っています。
当院では、地域に密着した「断らない救急」を主眼とする急性期病院です。
そのため脳卒中を中心とした救急医療に最重点を置いて診療にあたっています。上位5疾患はいずれも意識障害を主訴として、主に救急搬送される疾患となっています。

腎臓内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
110280xx9900xx慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし3210.7511.356.2565.75
040081xx99x0xx誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし1318.3820.7823.0890.77
110280xx9901xx慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり1313.3113.75062.15
0400802499x0xx肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし16.4
110260xx99x0xxネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2なし19.53
腎臓内科では、尿検査異常の精査(腎生検)・治療から腎不全の保存期治療・教育入院、末期腎不全の透析準備(シャント作製)や透析導入、入院中の維持透析患者の透析管理など、幅広い領域にわたる腎臓疾患を一貫して診ております。
透析室は6床で、月曜・水曜・金曜の午前・午後と火曜・木曜・土曜の午前に稼働しております。
透析患者に関しては、当院での透析導入や維持透析患者の合併症入院が対象となっています。透析室には個室もあり、感染対応も可能となっております。

血液内科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
130030xx99xbxx非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2Bあり2711.3712.23074.63
130030xx99x4xx非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり2216.418.65086.82
130010xx97x9xx急性白血病 手術あり 手術・処置等29あり103634.69080.5
130060xx99x4xx骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等24あり1099.72075.7
130010xx97x0xx急性白血病 手術あり 手術・処置等2なし13.74
血液内科は血球の異常を扱う診療科です。溶血性貧血や再生不良性貧血などの赤血球疾患、特発性血小板減少症や血友病などの血小板・凝固異常など多岐にわたります。
実際には血液がん(血液悪性腫瘍)である、悪性リンパ腫、急性白血病、多発性骨髄腫の治療での入院が多いです。
当院では個人個人のニーズに合わせて、入院化学療法と外来化学療法を柔軟に組み合わせて行っています。
個室型のクリーンルーム2床を有し、急性白血病に対する化学療法など強度の高い治療にも対応しています。
同種造血幹細胞移植やCAR-T療法は当院では扱っておらず、都立駒込病院など近隣の高次医療機関と連携をとって対応しています。

小児科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
040090xxxxxxxx急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)654.836.223.081.17
040100xxxxx00x喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし615.076.3802.75
0400801199x0xx肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし495.275.6105.78
060380xxxxx0xxウイルス性腸炎 手術・処置等2なし373.145.5503.81
030270xxxxxxxx上気道炎342.414.7103
小児科は地域に貢献できる医療を目指しています。
地域のクリニックをはじめとして大学病院や総合病院からご紹介いただき入院加療を行っております。
呼吸器感染症、消化器感染症、喘息といった救急疾患の他、神経疾患、アレルギー、川崎病などの診療も行っています。
その他、当院は産婦人科があり、分娩対応をしていますので院内で出生された新生児の治療にも携わっています。

外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
060100xx01xxxx小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術2132.152.57070.72
060160x001xxxx鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等974.084.542.0670.8
060035xx0100xx結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし6814.0714.812.9469.97
060150xx03xxxx虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等664.295.321.5238.17
060335xx0200xx胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし636.657.05062.43
外科では、消化器がんと腹部救急疾患の外科的治療を中心に診療しています。
年間概ね900例から1000例の手術を行っており、手術のほか、術後の化学療法についても積極的に行っております。
化学療法は計画的な入退院を行い、数クールにわたって行うため、実患者さんは1人だったとしても、患者数が多くなる仕組みになっています。

整形外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
070230xx01xxxx膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等532221.3820.7577.13
160620xx01xxxx肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等5213.3712.71045.5
160800xx02xxxx股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等3332.4525.2957.5880.73
160690xx99xxxx胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし2623.1219.1657.6980.04
160760xx01xxxx前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等194.115.95069.89
整形外科ではスポーツ整形外科、膝関節外科に対する手術療法に力を入れています。
膝前十字靱帯損傷に対する手術(前十字靱帯再建術)後には、積極的にリハビリを行い、早期のスポーツ復帰を目指しています。
また、大腿骨近位部骨折や前腕骨折をはじめとした骨折に対する治療(手術・保存療法)を行っています。
ご高齢の患者さんなど、長期にリハビリが必要な患者さんについては、当院での急性期治療が終了した後、リハビリを重点的に行う回復期リハビリテーション病院などにご紹介して、途切れない治療を行っています。

乳腺外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
090010xx010xxx乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし368.59.77064.64
090010xx02xxxx乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)244.755.5062.5
090010xx99x0xx乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし9.75
090010xx011xxx乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1あり14.76
090010xx99x6xx乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり3.65
乳腺外科では乳がん検診後の精査と乳腺疾患全般の診断、治療を行っています。
患者さんの要望に添いながら、標準的な乳がん診療を提供しています。乳がんの手術をはじめ、術後についても化学療法や放射線治療といった集学的治療を他科と連携しながら行っております。

脳神経外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
010060xx99x20x脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし2221.5516.9436.3675.09
010060xx99x40x脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし2220.6416.895069.14
160100xx99x00x頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし155.537.9913.3364
010040x099000x非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし1425.7918.6871.4371.21
160100xx97x00x頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし1212.929.832581.5
脳神経外科では、脳血管障害・脳挫傷、頭部外傷などの手術治療を中心に、脳神経外科全般の疾患に対応している他、地域に密着した「断らない救急」の実現のため、神経内科と連携して脳卒中を中心とした救急医療を提供しています。
また、重症患者対応のICUとは別に、SCU(脳卒中急性期患者対応病床)6床を有しています。
当院での急性期治療を終えた後、長期にリハビリテーションが必要な患者さんについては、リハビリを重点に行う回復期リハビリテーション病院などにご紹介して、途切れのない治療を目指しています。

形成外科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
070010xx970xxx骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術・処置等1なし202.854.65047.15
180060xx97xxxxその他の新生物 手術あり192.115.63065
020230xx97x0xx眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし2.74
080150xx97xxxx爪の疾患 手術あり3.96
100100xx97x0xx糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2なし24.47
形成外科は体表面のあらゆる変形や機能障害に対応する科です。
先天的なものから、ケガや腫瘍といった後天的なものまで、様々な要因による形態や機能の異常に対し、主に手術などの治療を行うことにより、できるだけ正常な状態へ近づけることを目的としている診療科です。

泌尿器科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
110080xx991xxx前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり822.682.45072.17
11012xxx02xx0x上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし2355.16062.3
110070xx03x0xx膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし167.386.81073.94
110070xx03x20x膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等22あり 定義副傷病なし167.446.63075.38
11012xxx97xx0x上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病なし127.677.3063.58
一定分野に偏らず泌尿器科全領域に初期対応可能です。
泌尿器科悪性腫瘍疾患の精査・加療に重点を置き、早期がんから進行がんまで標準的な検査・手術・放射線治療・化学療法・緩和療法などきめ細かく行い、高度医療に関しては大学病院等と連携して対応します。

産婦人科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
120070xx02xxxx卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等235.745.974.3544.22
12002xxx02xxxx子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等203.052.92043.9
120140xxxxxxxx流産1732.44033.47
120165xx99xxxx妊娠合併症等 手術なし177.5910.29031.53
12002xxx01x0xx子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし149.079.84059.07
当院は東京都周産期連携病院に指定されております。
産婦人科では、分娩、妊娠中の合併症などの周産期疾患のほか、婦人科領域の主に良性疾患を取り扱っておりますが、最近は、悪性腫瘍の紹介も増加傾向にあります。
(なお自由診療となる正常分娩については本統計では取り扱わないため、詳細は当院のホームページ産婦人科のページをご覧ください。)

眼科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
020110xx97xxx1白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼1661.824.29073.54
020110xx97xxx0白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼1081.152.49074.49
020240xx97xxx0硝子体疾患 手術あり片眼341.184.83075.44
020200xx9710xx黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし222.325.47071.27
020220xx97xxx0緑内障 その他の手術あり片眼201.854.52076.55
眼科では主に白内障、網膜硝子体疾患、緑内障などを取り扱っています。
小切開創での手術を施行しており、短い入院期間(日帰り入院等)で治療を行っているのが特徴です。
また、眼科系疾患の他に併存症のある患者さんでも総合病院である強みを活かして、他科と連携の上、治療にあたっております。

耳鼻咽喉科

DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
030350xxxxxxxx慢性副鼻腔炎694.745.84051.1
030230xxxxxxxx扁桃、アデノイドの慢性疾患277.417.35025.7
030240xx99xxxx扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし124.755.63033.08
030390xx99xxxx顔面神経障害 手術なし8.5
030270xxxxxxxx上気道炎4.71
耳鼻咽喉科では耳やのど、鼻の病気全般について診療を行っています。
9割を超える患者さんにクリニカルパスを活用し、効率的に入院治療を行っております。
特に鼻や副鼻腔に対する内視鏡治療に力を入れております。
残念ながら、頭頸部がんについては当院では対応が困難であり、大学病院やがん専門病院に紹介させて頂いております。


感染症内科
DPCコードDPC名称患者数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率平均年齢患者用
パス
110310xx99xxxx腎臓又は尿路の感染症 手術なし211213.6614.2975.76
040070xxxxx0xxインフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし6.98
0400802499x0xx肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし16.4
180030xxxxxx0xその他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病なし8.02
040081xx99x0xx誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし20.78
HIV感染症や結核などの専門性の高い疾患に加え、高齢者を含む幅広い年齢層の感染症に対応しています。
また誤嚥性肺炎や市中肺炎など、高齢者に多い呼吸器感染症の診療も数多く対応しています。
これらの症例に対しては、適切な抗菌薬の選択や合併症の管理を通じて、早期回復と再発予防に努めています。
多様な感染症に対して、専門的かつ柔軟な診療を提供することで、地域の感染症医療を支える役割を果たしています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

初発再発病期分類基準(※)版数
Stage IStage IIStage IIIStage IV不明
胃癌2810135118
大腸癌31369353546318
乳癌302018
肺癌12291318
肝癌1318

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

どの種のがんにおいても、がんは複雑な疾患ですが、当院は患者さんの病態等に合わせて、手術・放射線治療及び化学療法を効果的に組み合わせた集学的治療を提供しています。
診療科をまたいだ横断的な検討会を行うことにより、専門的な知識・技術を有する医師・看護師・コメディカル間の連携体制を強化しています。
平成24年4月1日より、東京都がん診療連携協力病院(大腸がん)、平成25年4月1日より、東京都胃がん診療連携協力病院(胃がん)に認定されています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

患者数平均在院日数平均年齢
軽症1511.7351.80
中等症9017.0276.91
重症2221.6481.55
超重症
不明
普段の社会生活を送っている中で罹患した肺炎を市中肺炎といいます。
重症度はADROPスコアというもので分類され、Age(男性70歳以上、女性75歳以上)、Dehydration(BUN 21mg/ml以上、または脱水あり)Respiration(SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)、Orientation(意識障害)、Pressure(収縮期血圧 90mmHg以下)のうち、該当した項目数により、重症度を分類します。 
1項目該当すれば1点、計5点満点となり、軽症=0点、中等症=1~2点、重症=3点、超重症=4~5点、不明=重症度分類の各因子が一つでも不明な場合に分けられます。

脳梗塞の患者数等

発症日から患者数平均
在院日数
平均年齢転院率
3日以内8622.4576.9833.33
その他2514.4474.1214.41
脳梗塞は生命の危険を伴うだけでなく、片麻痺や失語症などの後遺症が生活の質の低下を招き、介護を要する社会的にも重要な疾患です。
発症後、急性期に適切な外科治療や薬物治療が必要となり、後遺症には適切なリハビリ治療が欠かせません。
当院では、脳卒中医療を重点に医療に掲げ、関係する脳神経外科・神経内科・リハビリ科だけでなく医療連携を通じた地域での患者の支援体制づくりに努力しています。
主に発症から3日以内の急性期脳梗塞の診断、治療を担う急性期病院として、脳卒中患者受け入れのためSCU(脳卒中急性期病床6床)を設け、迅速な患者受け入れを目指しています。また、急性期の治療を開始するとともに早期にリハビリ治療を開始し、社会復帰の促進を図っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

循環器内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K5951経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの1011.182.631.9867.65
K5493経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの362.173.222.2767.64
K5952経皮的カテーテル心筋焼灼術 その他のもの221.732.23065.68
K5483経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの) アテローム切除アブレーション式血管形成術用カテーテルによるもの181.612.5069.72
K5972ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合1858.175.5678.5
特に次の項目については積極的に取り組んでおります。
・虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)に対する心臓カテーテル検査及び冠インターベンション
・閉塞性動脈硬化症に対する血管内治療
・徐脈性不整脈に対するペースメーカー治療(中隔ペーシング)
・頻脈性不整脈(心房細動を含む)に対するカテーテルアブレーション
手術症例数は、令和元年度より積極的に実施している頻脈性不整脈(心房細動を含む)に対するカテーテルアブレーションが多く、続いて冠インターベンションの症例となりました。
消化器内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K7211内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満1510.381.13064.98
K688内視鏡的胆道ステント留置術642.887.759.3875.31
K6532内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術310.355.68076.71
K7212内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上210.051.05064
K6871内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの1927.635.2670.32
消化器内科では、上部(胃など)、下部(大腸など)、肝胆膵領域における内視鏡治療を得意としており、外科と連携しながら、治療にあたっています。
また、吐下血などの救急疾患にも対応しております。
腎臓内科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K6121イ末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの188.119.5064.39
K616-41経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回
K7211内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満
K616-42経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1の実施後3月以内に実施する場合
K664胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。)
シャントとは、腕の動脈と静脈を直接つなぎ、人工透析を行うために必要な血管となります。
腎臓内科では、腎不全の患者さんの透析導入のために、シャントを設置する手術を行っております。
外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K7211内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満1940.11.04070.63
K672-2腹腔鏡下胆嚢摘出術1101.964.880.9163.23
K718-21腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの680.382.991.4739.16
K719-3腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術685.110.352.9470.59
K634腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)660.941.881.5268.68
現在行われている手術症例数は年間900例~1000例前後でこのうち大腸癌、胃癌をはじめとする悪性疾患(癌)及びヘルニア手術が30%程度を占めています。
腹腔鏡手術は豊島病院開院以来20年以上取り組んでいます。
胆嚢、脾臓などの良性疾患だけでなく大腸癌、胃癌に対する腹腔鏡手術も数多く行なっています。
また、虫垂炎などの腹部救急疾患に関しても、積極的に適応を検討しながら行っております。
整形外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K0821人工関節置換術 肩、股、膝572.3518.5124.5676.67
K0462骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨381.898.34063.37
K069-3関節鏡下半月板縫合術33110.85051.15
K0483骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿260.963.19061.88
K0461骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿235.2625.5256.5281.13
四肢の骨折に対して積極的に手術を行い、早期の社会復帰を目指しています。
変形性膝関節症の治療においては、個々の患者さんの年齢、体格、生活様式、活動レベル等を考慮したうえで、変形の程度が中等度までの症例には、ご自身の関節を残す事が可能な膝周囲骨切り術を行っています。
また、限局した軟骨欠損や関節面の壊死などに対しては、関節鏡下骨軟骨移植を行っています。
さらに、末期の変形性膝関節症に対しては、コンピューターナビゲーションシステムを用いた人工膝関節置換術を行っています。
乳腺外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K4763乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)281.116.36066.43
K4762乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)251.282.6062.36
K4765乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの102.22.6064.8
K4742乳腺腫瘍摘出術 長径5cm以上
K4764乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))
乳腺外科では主に乳癌の手術を行っております。
乳癌の治療として、手術は乳房温存手術やセンチネルリンパ節生検といった縮小手術を積極的に取り入れ、患者さんの要望に添った手術を施行しております。
脳神経外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K164-2慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術144.1420.645083.21
K1781脳血管内手術 1箇所
K1641頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 硬膜外のもの
K1692頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの
K160-2頭蓋内微小血管減圧術
脳神経外科では、脳血管障害・脳挫傷、頭部外傷などの手術治療を中心に、脳神経外科全般の疾患に対応している他、地域に密着した「断らない救急」の実現のため、神経内科と連携して脳卒中を中心とした救急医療を提供しています。
また、重症患者対応のICUとは別に、SCU(脳卒中急性期患者対応病床)6床を有しています。
当院での急性期治療を終えた後、長期にリハビリテーションが必要な患者さんについては、リハビリを重点に行う回復期リハビリテーション病院などにご紹介して、途切れのない治療を目指しています。
形成外科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K0301四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹1111.09053.55
K0062皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3cm以上6cm未満
K0052皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2cm以上4cm未満
K0911陥入爪手術 簡単なもの
K2193眼瞼下垂症手術 その他のもの
形成外科では、先天的なものから、ケガや腫瘍といった後天的なものまで、様々な要因による形態や機能の異常に対し、主に手術などの治療を行うことにより、できるだけ正常な状態へ近づけることを目的としている診療科です。
手術は、軟部・皮下腫瘍(脂肪腫、皮膚の下のしこり)摘出術が上位となっております。
泌尿器科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K8036イ膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの321.285.16074.75
K783-2経尿道的尿管ステント留置術291.484.21068.1
K7811経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの242.423.96062.46
K7983膀胱結石、異物摘出術 レーザーによるもの
K843-4腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)
泌尿器科の手術については、膀胱癌の悪性腫瘍に対するものが上位を占めていました。
悪性腫瘍分野、特に前立腺癌において手術支援ロボット(da Vinci:ダビンチ)を用いる腹腔鏡下手術を導入したことにより、人間の手の関節以上に自由度の高いロボット鉗子を用いてより正確かつ低侵襲な手術が可能となりました。
産婦人科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K8882子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの290.834042.86
K867子宮頸部(腟部)切除術2011.05043.9
K9091イ流産手術 妊娠11週までの場合 手動真空吸引法によるもの1611033.56
K879子宮悪性腫瘍手術141.437.07056.36
K861子宮内膜掻爬術130.921051.46
産婦人科では主に、子宮筋腫等の良性疾患に対する手術が上位を占めました。
適応のある患者さんには、子宮鏡や腹腔鏡を用いた手術を積極的に行い、患者さんにとって負担の少ない治療を選択するように心がけています。
眼科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K2821ロ水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの2840.440.1073.89
K2801硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの450.420.89067.76
K2686緑内障手術 水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術300.670.2073.8
K2802硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの260.080.15077.12
K281増殖性硝子体網膜症手術
眼科では主に水晶体や硝子体の病変に対する手術が多くを占めていました。
中でも白内障に対する水晶体再建術や、糖尿病黄斑症、糖尿病性網膜症などに対する硝子体顕微鏡下離断術に関しては、患者さんの状態により日帰り入院も可能となっております。
耳鼻咽喉科
Kコード名称患者数平均
術前日数
平均
術後日数
転院率平均年齢患者用
パス
K340-5内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)4912.73051.84
K3772口蓋扁桃手術 摘出2916.03027.1
K340-6内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術)1812.78051.89
K347-5内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型(下鼻甲介手術)1012.9036.5
K368扁桃周囲膿瘍切開術
耳鼻咽喉科の特徴としては、慢性副鼻腔炎や鼻中隔彎曲症などの鼻副鼻腔に対する内視鏡手術を積極的に行っていることです。
内視鏡下鼻副鼻腔手術は、比較的侵襲が少なく、入院期間は4~5日と患者さんの負担の軽減に役立っています。
頭頸部がんについては当院では対応が困難であり、大学病院やがん専門病院に紹介させて頂いております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC傷病名入院契機症例数発生率
130100播種性血管内凝固症候群同一
異なる140.19
180010敗血症同一180.25
異なる180.25
180035その他の真菌感染症同一
異なる
180040手術・処置等の合併症同一170.24
異なる
播種性血管内凝固症候群や敗血症は、治療に大きな医療資源が投入されるため、DPCで高額な点数が設定されています。そのため、臨床的な根拠のある診断のもと適切な入院請求が求められます。当院は、播種性血管内凝固症候群は、0.25%、敗血症は、0.50%です。

手術や処置等は、合併症を起こさないように細心の注意を払って施行しています。しかし合併症はどうしても一定の確率で起こりえます。起こりえる合併症については、事前に可能な限り患者さんに説明した上で、手術や処置の施行に同意をいただくよう努めています。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
72167994.17%
肺血栓塞栓症とは別名エコノミークラス症候群とも言われています。
主に脚にできた血のかたまり(血栓)が心臓から肺に血液を送り出す血管詰まってしまう病気です。
長時間同じ姿勢で過ごしたり寝たきり等の場合は、脚の筋力が落ちる・筋肉によるポンプ機能が弱まるといったことで血液の流れが悪くなり血のかたまりができやすくなります。
手術後は安静にしていなければいけないので体を動かす機会があまりありません。
そのため肺血栓塞栓症にならないように弾性ストッキングや空気圧迫装置で予防します。
また血のかたまりができやすい部位の手術や持病をお持ちの方には、血液を固まりにくくする「抗凝固薬」を術後に使用する場合もあります。

血液培養2セット実施率(DPCデータに基づく)

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血液培養オーダー日数(分母)血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1728172573.78%
血液培養を2セット実施する理由として血液培養は1セットのみの場合の偽陽性(菌が無いのに検査結果が陽性となること)による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されており、2セット以上の複数セットの血液培養を実施することで、血流感染の見逃しが減少すると報告されています。

※上記の値は患者さんへの請求データを基に算出しているため実際の血液培養2セット実施率とは異なります。
(月に2回、同一部位から同じ検査をしていても請求は月に1回のみのため)
実際の血液培養2セット実施率は97.5%です。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
63550980.16%

感染症の治療には抗菌薬が使用されますが、抗菌薬の使い過ぎが世界的な問題となっています。
広域抗菌薬を長期投与するほど、抗菌薬が効かない薬剤耐性菌が発生する可能性が高まり、患者さんにかえって不利益が生じます。
それを阻止するために細菌培養同定検査を行い適切な抗菌薬を選択していく必要があります。
薬剤耐性菌を減らし、患者さんがより良い感染症治療を受けられるよう、主治医や薬剤師による抗菌薬の適正処方を実施しております。

転倒・転落発生率

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退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
69456941.35‰

入院中の患者の転倒やベッドからの転落は少なくありません。
転倒・転落による傷害発生事例の件数は少なくても、それより多く発生している傷害に至らなかった事例もあわせて報告して発生件数を追跡するとともに、それらの事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなります。
こうした事例分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

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退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
6945600.00‰

インシデントとは、事故やトラブルにつながる可能性がある出来事のことです。
医療現場においては、事故が発生する可能性があったが、実害を及ぼすことはなく、医療事故には至らなかったものを指します。
また、インシデント影響度分類レベル 3b以上とは、損傷レベルの高いもの(手術や大きな処置を必要とするもの)を指します。
転倒・転落による損傷レベルの高いものの発生は、病状の回復が遅くなり、入院の日数が伸びることによって、その後の生活にも大きく影響を及ぼします。
転倒転落は「起こりうる事」として、その要因を取り除いていくことがの病院全体の課題の一つとなります。
インシデントを院内にて報告することにより、発生件数を追跡するとともに、それらの事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなり、有害事象や重大事象が減ることが期待できます。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

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全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
1434141198.40%

現在、細菌による感染を起こしてはいないが、手術後の感染を防ぐために抗菌薬をあらかじめ投与することを、予防的抗菌薬投与といいます。
手術開始直前に抗菌薬を投与することにより、手術後の感染を抑えることが期待されています。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

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退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
67119240.04%

褥瘡(じょくそう)とは、一般的には「床ずれ」とも呼ばれ、長時間同じ姿勢でいることで、皮膚やその下の組織が傷ついてしまう状態のことです。
寝たきりの方がずっと同じ姿勢でいると、背中やお尻など体重がかかる部分の血流が悪くなってしまいます。
その結果、皮膚に赤みが出たり、ただれたり、ひどい場合は潰瘍(かいよう)になることもあります。
褥瘡の予防対策として、体の圧力を分散させる寝具の適切な配置や管理を行っております。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

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65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子))
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
3750133835.68%

65歳以上の患者に対する入院早期の栄養アセスメント実施割合とは、医療機関がどれだけ早く栄養状態を評価しているかを示す指標のことです。
これにより、低栄養リスクの早期発見や患者の予後改善が見込まれます。

身体的拘束の実施率

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退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
6945641485.97%

身体的拘束は患者の権利である自由を制限するのみならず、身体的・精神的に弊害を伴い、人間としての尊厳を大きく損なうものです。
したがって、身体的拘束を行わないことが原則であります。
当院では、患者の人間としての本来の姿を重視しながらチームでディスカッションし、合意し形成した方向性に基づいて医療安全対策を行うことで、緊急やむを得ない場合を除いて身体的拘束をしない医療・看護の提供に努めております。
令和7年10月1日公開